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ミミリィは、マハティスの身体を揺すり必死に声をかけるが反応する事はなかった。
ミミリィは、すぐにマハティスを自分の屋敷に連れて帰る事に決めた。
ミミリィは、馬車を用意してもらい急ぎ自宅に戻るのであった。
自宅にたどり着いたミミリィは、すぐにマハティスの寝室に運び込み、ベッドに寝かせる。
ミミリィは、マハティスの手を握ると、
「お願いだから死なないで……」
と呟いた。
それから数時間が経った頃、マハティスはようやく目覚めたのであった。
マハティスは、ミミリィの顔を見ると、
「ミミリィ……。ここはどこだい?」
と聞くと、ミミリィは、
「良かった……。マハティスが無事で本当によかった……。
本当に心配したんですからね」
と泣き出してしまった。
マハティスは、ミミリィの涙を見て、ミミリィがどれだけ僕の身を案じてくれていたかを実感した。
マハティスは、ミミリィに謝ると、ミミリィはマハティスに優しく微笑むと、
マハティスの額にキスをした。
(えっ?)
とマハティスが驚いてミミリィの方を見る。
すると、ミミリィは、マハティスの頭を撫でながら、マハティスに話しかけた。
「いいのよ。今はゆっくり休んでちょうだい。
貴方が元気になるまで私がずっと側にいてあげるからね」
そう言うと、マハティスは安心した表情を浮かべると再び眠りにつくのだった。
ミミリィは、マハティスの看病をしながら数日が経つと、マハティスはすっかり良くなっていた。
ミミリィの献身的な介護のおかげもあってのことだったのだけれども……。
ミミリィは、マハティスが回復したのを見て安堵の溜息をつくと、
マハティスに改めてお礼を言うのであった。
ミミリィは、マハティスにこれからどうするつもりなのかを聞くと、
「そうだね。僕は、ミミリィと一緒に居られるならそれで構わないと思っているけど」
とマハティは答えると、ミミィは顔を赤らめながら俯いていく。
ミミリィは、少し考えて、意を決すると、 顔を上げて、真剣な眼差しでマハティスに向き直った。
ミミィは、深呼吸をして気持ちを整える。
マハティスは、その様子を見て首を傾げていく。
そして、 覚悟を決めたように口を開いた。
ミミリィは、恥ずかしそうにしながら、 マハティスに話しかけていく。
今はミミリィとマハティスそしてルナティスの三人で王都内へ来ており
三人で家族デートをしているのですけれど、その時にミミリィが立ち止まり
じっと見つめているのですがそれはアクセサリー屋なのです。
でも、ミミリィは、今までに男性にプレゼントを貰った事が無いので、
少し興味が湧いてしまい、つい見入ってしまったのです。
そんなミミリィの様子に気づいたマハティスは、 ミミリィに近寄って話しかけていきます。
(ミミリィ、何か欲しい物でもあったのかい?)
(いえ、別にそういうわけではないのですけれど、ただちょっとだけ……)
(ミミリィが気に入ったものがあったのならば買うよ)
(でも、悪いですよ)
(気にすることは無いよ。
僕がミミリィに贈りたいだけだからね)
(ありがとうございます! マハティス大好きです♡︎……でも、これくらい自分で買いますから)
(遠慮はいらないんだよ。
それに、これは、ある意味チャンスでもあるんだ。
ミミリィに良いところを見せることができるからね!
そう言って、ミミリィに笑いかけると、ミミリィは嬉しそうに笑みを浮かべるのでした。
そして、二人は店内に入っていきます。
すると、店員がやってきて、
「お客様、どのような商品をお求めでしょうか?」
と聞かれたので、ミミリィは、
「あの、その、その、あぅ」
と上手く言葉にできずにいるので、代わりにマハティスが答えます。
「彼女に似合う髪飾りを探していまして」
という事で話を進めていく二人なのですが、なかなかピンとくるものがなく困り果てていました。
するとそこへ、一人の女性がやってきます。
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