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「汝、マハティスは、ミミリィを愛し続けると誓うかね?」
「はい、永遠に」
「ミミリィは、マハティスを愛すると誓ったまえ」
「はい、いつまでも」
「ならば、これを授けよう」
そう言って、二人はそれぞれ指輪を交換していくのでした。
その後で、お互いの唇を重ねていくのでした。
こうして、二人は夫婦となったのでした。
それから数日が経ち、ミミリィとマハティスは新婚旅行に出かけることになった。
マハティクス王国を出発して、海を渡って別の大陸に向かう事にしたのである。
旅の準備を終えたミミリィとマハティスは、馬車に乗り込むと、出発したのでした。
出発してからしばらく経った頃、マハティスはミミリィに話しかけた。
(ミミリィ、体調はどうだい?)
(うん。今のところは問題ないよ)
(それは良かった。でも、これから先はどんな危険があるかわからないし、
僕が側にいる時以外は絶対に一人で行動しない事。いいね)
(わかったよ)
ミミリィは、心配性だなと呆れるのであった。
ミミリィ達は、目的地の港町に着くと、宿を取り荷物を置くことにした。
宿屋の部屋に入ると、ミミリィが窓の外を見ながら呟き始めた
(今日もいい天気だね)
マハティスはその様子を見て、クスッと笑うと、
(そうだね)
と答えて、ミミリィの隣に立つとミミリィの肩を抱き寄せていく。
ミミリィは、少し驚いてマハティスの方を見るとすぐに俯いていく。
そして、二人は見つめ合い、自然とその距離が縮まっていくのである。
やがて二人の距離はゼロとなり、そのまま二人はキスをしていくのでした。
二人は離れると、恥ずかしそうにしながら、お互いに顔を見合わせて笑い合うのでした。
ミミィは、マハティスに話しかけていく。
(マハティスは、私が浮気しても許してくれる)
(それは、当然だよ。僕はミミリィの事を信じているから)
(でも、私は、マハティス以外の男の人なんて好きにならないよ)
(それは、わかっているよ。でも、もしもの話だけど、 ミミリィがどうしても結婚したいと
思える男性が現れたらその時には、 ミミリィの気持ちを尊重したいと思っているよ)
(そんな日は来ないとは思うけれど、その言葉だけでも嬉しいよ)
(そうかい。それは、何より)
ミミィは、マハティスに抱きつくと、マハティスは優しく抱きしめ返してくるのでした。
翌日になると、二人は、街を見て回ることにしました。
ミミリィにとっては初めての体験なので、興味津々で辺りをキョロキョロと見渡していました。
そして、ある店の前で立ち止まると、中に入っていきました。
その店で売られている商品を見ていると、店員が近づいてきて、商品の説明をし始めたのですが、
ミミリィは、全く理解できずに首を傾げてしまいますが、 店員は、ミミリィが可愛かったのか、
ニコニコと笑いかけますが、 ミミリィは、何を言われても困ってしまうのでした。
すると、隣にいたマハティスが助け舟を出してくれます。
(すみません。彼女は、まだこちらの国の言葉をあまり知らないものでして)
店員は、ハッとすると、慌てて謝り始めました。
(大変失礼致しました。まさかお客様のような美しい女性がこちらの国に来るとは
思ってもいなかったものなので、つい浮かれてしまったみたいです。
申し訳ございませんでした。
ですが、もしよろしければ、お客様さえ良ければ、 こちらの品を試着されてみませんか?)
と聞いてきたので、マハティスは迷うことなく答えたのでした。
(ぜひお願いします)
すると、奥からメイド服姿の女性が現れて、
(では、別室へと案内させていただきます)
と言って、二人を店の裏にある部屋に連れていくのでした。
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