公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて~愛と溺愛のrequiem~

一ノ瀬 彩音

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二人は馬車で街中にあるという大きな闘技場まで向かっており
今日はそこでデートする予定なのです。二人共初めて来る場所なので楽しみにしている。
しかし、その途中で二人の乗っている御者台の隣で座っていたミミリィの肩をマハティスが抱き寄せてきた。
「ちょっと、マハティス」
「なんだい、ミミリィ」
「近いってば」
「大丈夫、これくらい」
「そう?」
「そうさ」
「でもさ、誰かに見られると恥ずかしいじゃない」
「ミミリィ」
「なに?  マハティス」
「君は可愛い」
「はいはい、有難く受け取っておくからさ」
「本当のことだ」
「はい、はい」
と、言いながらミミリィはマハティスの方に頭を預けると微笑む。
マハティスはミミリィの事を優しく見つめながらミミリィの頭に軽く唇を当てる。
二人はその後は何も言わずに暫くの間黙って乗っていたのですが、
目的地に到着したようでマハティスは馬車を止めると降りました。
二人は馬車を降りると、マハティスがミミリィの手を取ってエスコートします。
二人は受付で入場料を払って会場の中に入ると観客席に座って試合が始まるのを待ちました。
マハティスとミミリィは席に着くと試合開始の時間まで雑談をしています。
二人はお互いの近況を話し合ったりしていると時間が経ち、とうとうその時がやってきます。
二人が話していると、突然場内が暗くなり始めてアナウンスが流れてきました。
その内容はこうです。
只今より、武闘大会を始めさせていただきまーす。
まずは予選から開始しまーす。
観客の皆様方盛り上がっていきまっしょう。
では、選手入場でございまあ~ス。
すると、リングの上に選手が出てきて次々と紹介されていきました。
しかし、紹介された選手は全員が全員、人族ではなく獣人だった。
しかもその殆どが虎やライオンなどの肉食系の動物の特徴を持っている種族だった。
ミミリィは不思議そうに首を傾げながら言う。
何故、この世界にいる人達はこんなにも普通の人間がいないのかと疑問に思う。
すると、隣に居るマハティスが説明してくれたのでミミリィはそれを聞いて納得しましたけど、
マハティスが更に付け加えてくれます。
どうやら、ここの世界に人間族の王様がいるのは事実だが、その王は、実は人間ではない。
どう言う事なのかとマハティスに聞くと、マハティスは教えてくれた。
どう言う訳かわからぬが、その王はこの世界の人間達を支配していて、
その王の命令に従わない者達は奴隷にされてしまい、強制労働を強いられるのでした。
その事に激怒したのがこの世界で人間と共存して暮らしている魔人の王で、
その王と魔王軍と呼ばれる集団がその人間の王に対して戦いを挑んだ。
その戦いは凄まじかったらしく、 大勢の死傷者を出して何とか勝利はしたものの、
かなりの被害が出てしまったそうです。
その結果、人間達は住む所を追われる事になり、各地を転々としながら生活をしていました。
そんな時に現れた救世主が人間以外の人種で、彼等がこの地にやって来た時、
その圧倒的な力で瞬く間に人間を支配下に置いていったので、
人間達の心は彼等の支配を受け入れるしかなかったので、
その支配者である人間は今では人間と呼ばず、人間の姿をしていても人間扱いされず、
魔物と呼ばれているのだ。
だから、人間の中には人間と認めていない人間もいる。
つまり、自分達の事を人間だと思っている人は、人間と呼ぶが、
そうでないものは人間と認めていない。
その証拠に、ここにいる多くの人間が、その人間の姿形をしていながら
人間として認められていない存在であり、
人間として扱われておらずに単なる労働力として扱われている。
「成程ね……」
ミミリィはその事を知って複雑な表情で呟いた後、マハティスに問いかけた。
「マハティスはどうしてそんなに詳しいの?」
「僕の場合は、父上に連れられて、色々な国に行ったからね。
それに、僕は小さい頃は、よくお忍びで旅をしていたからね。
だから、色々と調べたりしたんだよ。
それで、その時に知ったんだけど、何でも、あの王の名前はザラスと言う名前らしいんだけど、
ザラス王の母親は元々、何処かの国の王女だったらしいんだけど、その国は、
既に滅んでしまっているみたいで、だから、その母親から生まれた王子は王になる為の教育を
受けていなかったから、政治に関して無知で何も出来ないし、それに、
周りの家臣たちもそんな王に呆れてしまって、 誰も王を諌めなかったらしいからね」
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