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「エリザベッタ!?   あれ?  ここはどこなんだ?」
「何を寝ぼけていらっしゃいますの?  お城ですのよ?」
ん?  どういうことだ?  確か昨夜はエリザベッタとベッドの上で絡み合っていたはずだ。
そこで気絶したのだから間違いはない筈なのだが……それにしてもここがお城の中だというのなら
何故メイド服を着ているんだろう?  しかもエプロン付き。
そしてエリザベッタは手に持っていた箒で足元に散らばっていた大量の白い液体を集めている。
それを見ていると妙にムラっとしてしまい抑えがきかない状態になってしまう。
「ふぅ~♡やっぱり美味しいです♡」
どうやらとろけるような表情を浮かべて掃除をしていたみたいだが、
その姿を見られているとは夢にも思ってはいないだろう。僕は堪らずに襲い掛かり、そのまま押し倒してしまう。
「きゃあっ♡」
驚いたような悲鳴を上げていたが抵抗する素振りを見せることはなく、
むしろ嬉しげに頬を緩ませて僕に抱き着いてきている。そして僕がキスを求めれば応じてくれて、
逆に彼女の方からも求めてくれて 唇を重ね合う形となったのだが、それも束の間、すぐに離されてしまう。
「今はここまでですよ。続きは後で……ね」
そう言ってから立ち上がって掃除を再開していった。
彼女が掃除を終え、朝食の準備を終えると早速食事を頂いた。
相変わらず絶品料理の数々だったが、どれもこれも味が濃く、塩辛かった。
そういえば以前エリザベッタから聞いた話では 食事の味付けが濃いのは彼女の趣味で、
薄めのスープは好みではないのだと言う。
普段はそんなことは無いのだが、今日は特別だと言う。
その理由というのが妊娠初期で体調が安定していないかららしい。
そういう事情があるので無理をして食べなくていいよと伝えたのだが、
「大丈夫よ。私、貴方との赤ちゃん産む為に頑張るから!」
そう言って笑顔で答えてくれるエリザベッタはとても健気で愛おしくて仕方がない。
しかし、この日はなかなか思うようにいかない日であった。
彼女が気分が悪くなったようで席を外したのだが、戻ってくると様子がおかしい。
顔が赤く火照っており、息遣いも荒くなっている。
熱でもあるのかなと額に手を当ててみるとやはり熱い。急いで医者を呼びに行こうとしたのだが
エリザベッタは慌ててそれを止めようとする。
結局彼女は平静を装おうとしていたのだが耐え切れなくなったらしく倒れ込んでしまい、
「ごめんなさい……私のせいで貴方にまで迷惑を掛ける事になってしまって……でも、
どうしても我慢できなくって……私貴方を愛してるの……貴方の子供が欲しいの……お願い……
私と……私とセックスして下さい!」
泣きじゃくりながら懇願してくる彼女の姿を見た僕は流石に見ていられなくなったので彼女を抱きしめてあげた。
すると彼女は静かに涙を流し始めた。
「ありがとう……優しいのですね」
暫くしてから落ち着きを取り戻した彼女は僕の胸の中で呟いていた。
僕は彼女に優しく微笑みかけると頭を撫でてあげることにした。
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