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無念Ⅰ
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無事にこのフロアの捕まってる人々の枷は全て外した。そして俺達が向かったのは、アードルハイム皇帝の屋敷だった。ここにもまだたくさんいるらしく、大人数での移動となったので、途中敵がわんさか向かってきたが、捕まっている人達の殆どが戦闘をできるので、当然普通の帝国兵など相手にならなかった。
そうして、無理やりアードルハイム皇帝の宮殿に潜入し、最後の地下フロアに向かっているときだった。ありとあらゆるところから出血しており、血を吐いて倒れている男がいた。一目見て分かる。彼はもう死にかけている。
「ガープやんけ。どういうことや」
そのガープという一言に、捕まっていた人々はザワザワと騒ぎ始める。当然、第一騎士団に捕まった、人々もいるわけだから、それを統率していたガープを恨んでいる人間もいるわけだ。
「ナリユキ……タテワキ……」
そう小声で俺を呼んだ。近付いて頭を支えると、ガープは既に視界が霞んでいて焦点も合っていない様子だった。
「ミクちゃん! ガープに回復するんだ!」
「はい!」
そう言ってミクちゃんはガープに向かって回復をした。体の傷は癒えたが、それでもまだ苦しそうだった。
「身体の傷は癒えたのにどういうこと?」
ガープの口元やら心臓に手を当てているのを見て、アマミヤの症状と同じようなものを感じた。
「アリシア。ガープは呪いによるダメージかもしれない」
「かしこまりました。やってみます」
ミクちゃんとアリシアが交代して、ガープに向かってスキルを発動した。しかし、アマミヤのときのように、邪気のようなものを吸い取る現象は全く起きなかった。
「何で」
アリシアがそう驚いている時、ガープは小さく口を開いた。
「無駄だ。私の心臓は……。アードルハイム皇帝のスキルによって蝕まれている。森妖精の族長と言えど、今の私を治す手立てはもうない。それより、私の全てを受け取って欲しいのだ……。ナリユキ・タテワキ閣下。マーズベル共和国の偉大な主よ……。貴殿に私の全てを託したい」
ガープは涙を流しながらそう言っていた。瞳に込められた感情は無念という感情だった。俺は不思議と涙が頬を伝っていた。ガープの状況なんて分からないのに何故か――。
俺を手で拭った。
「まだ何も言っていないのに……優しい心を持っている人間だな……」
「いいから説明してくれよ」
すると、ガープはゆっくり首を横に振った。
「できない。説明するには少し長すぎる……。だからコレを受け取って欲しいのだ」
ガープがそう言うと、手が黄金に輝いていた。一体どういう事だろうか。
「ナリユキ様! ガープのソレは知性の略奪と献上です! 触れられれば、ナリユキ様の知性がガープに奪われます!」
「でも、知性の略奪と献上って黄金だったか? 光るときは白色じゃなかったか?」
「確かにそうでわね」
と、解放した人達が騒いでいた。俺は咄嗟にガープのプロフィールを視た。
■名前:ガープ
■性別:♂
■種族:魔族
■称号:アードルハイムの魔皇帝
■勲章:☆☆☆
■MP:35,000,000
■強さ又は危険度:S
■パッシブスキル
スキルリターンⅤ:触れたアクティブスキルをランダム方向で弾き飛ばす。但し、アクティブスキルの習得難易度によって無効化できないアクティブスキルがある。
スキルバリアーⅤ:アクティブスキルを50%カットするバリアーを張る。
鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。
斬撃無効Ⅴ:あらゆる斬撃攻撃を無効化する。
自動回復Ⅴ:体力が減少する度に自動回復を行う。回復速度は状況により異なる。
究極の阻害者:アクティブスキル、鑑定士の効果を完全に無効化する。
念話Ⅴ:対象者を思い浮かべることで、思い浮かべた対象者と頭の中で話し合うことができる。
念波動Ⅴ:対象者の強さを数値化して測ることができる。
排除:対象者にダメージを与えながら吹き飛ばすことができる。
■アクティブスキル
悪の破壊光:巨大で邪悪なエネルギー光を放つ。
悪の爆風撃:邪悪なエネルギーの爆風で辺りを吹き飛ばす。
身体向上:自身の身体能力を向上させる。尚、所有者の実力によって上昇率は異なる。
紅炎放射:口から紅炎を射出する。
魔界の扉:魔界へ通じる扉を開き、入った者は精神的苦痛と肉体的苦痛を味わうが、その世界へ入っている100時間は出来ることが出来ず、あらゆる事象が起きても死ぬことができない。100時間後、自動的に解放される。
■ユニークスキル:知性・記憶の略奪と献上:対象の頭に触れることで、対象者が持つ知性や記憶を奪い、自分のものにできる。また、他者の頭に触れる事で、自分の知性と記憶を共有することができる。
■アルティメットスキル:悪の混沌玉:悪魔の怨霊が込められた巨大な禍々しいエネルギー玉を放つことが出来る。攻撃範囲は着弾地点から5km前後。
「ユニークスキルが進化している――?」
「貴殿なら、私の今までを全て受け止めて、尚且つスキルも使いこなせるだろう……受け取ってはくれないか?」
ガープの真剣な表情に俺は固唾を飲む。
「ナリユキ様駄目です!」
そう言ってくれるのは、捕らえられていた人々だ。
「ええやんけ。アンタ等はまだ信用できへんと思うけど、ガープは反乱軍の団長やったんや。今更ナリユキさんを裏切るような事しやんって」
「いいぜ」
「ありがとう」
ガープの手が俺の頬に触れた。俺はガープの知性と記憶を完璧に共有された。一気に入って来る膨大な情報量。
これはガープが抱えていた闇だ。
そうして、無理やりアードルハイム皇帝の宮殿に潜入し、最後の地下フロアに向かっているときだった。ありとあらゆるところから出血しており、血を吐いて倒れている男がいた。一目見て分かる。彼はもう死にかけている。
「ガープやんけ。どういうことや」
そのガープという一言に、捕まっていた人々はザワザワと騒ぎ始める。当然、第一騎士団に捕まった、人々もいるわけだから、それを統率していたガープを恨んでいる人間もいるわけだ。
「ナリユキ……タテワキ……」
そう小声で俺を呼んだ。近付いて頭を支えると、ガープは既に視界が霞んでいて焦点も合っていない様子だった。
「ミクちゃん! ガープに回復するんだ!」
「はい!」
そう言ってミクちゃんはガープに向かって回復をした。体の傷は癒えたが、それでもまだ苦しそうだった。
「身体の傷は癒えたのにどういうこと?」
ガープの口元やら心臓に手を当てているのを見て、アマミヤの症状と同じようなものを感じた。
「アリシア。ガープは呪いによるダメージかもしれない」
「かしこまりました。やってみます」
ミクちゃんとアリシアが交代して、ガープに向かってスキルを発動した。しかし、アマミヤのときのように、邪気のようなものを吸い取る現象は全く起きなかった。
「何で」
アリシアがそう驚いている時、ガープは小さく口を開いた。
「無駄だ。私の心臓は……。アードルハイム皇帝のスキルによって蝕まれている。森妖精の族長と言えど、今の私を治す手立てはもうない。それより、私の全てを受け取って欲しいのだ……。ナリユキ・タテワキ閣下。マーズベル共和国の偉大な主よ……。貴殿に私の全てを託したい」
ガープは涙を流しながらそう言っていた。瞳に込められた感情は無念という感情だった。俺は不思議と涙が頬を伝っていた。ガープの状況なんて分からないのに何故か――。
俺を手で拭った。
「まだ何も言っていないのに……優しい心を持っている人間だな……」
「いいから説明してくれよ」
すると、ガープはゆっくり首を横に振った。
「できない。説明するには少し長すぎる……。だからコレを受け取って欲しいのだ」
ガープがそう言うと、手が黄金に輝いていた。一体どういう事だろうか。
「ナリユキ様! ガープのソレは知性の略奪と献上です! 触れられれば、ナリユキ様の知性がガープに奪われます!」
「でも、知性の略奪と献上って黄金だったか? 光るときは白色じゃなかったか?」
「確かにそうでわね」
と、解放した人達が騒いでいた。俺は咄嗟にガープのプロフィールを視た。
■名前:ガープ
■性別:♂
■種族:魔族
■称号:アードルハイムの魔皇帝
■勲章:☆☆☆
■MP:35,000,000
■強さ又は危険度:S
■パッシブスキル
スキルリターンⅤ:触れたアクティブスキルをランダム方向で弾き飛ばす。但し、アクティブスキルの習得難易度によって無効化できないアクティブスキルがある。
スキルバリアーⅤ:アクティブスキルを50%カットするバリアーを張る。
鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。
斬撃無効Ⅴ:あらゆる斬撃攻撃を無効化する。
自動回復Ⅴ:体力が減少する度に自動回復を行う。回復速度は状況により異なる。
究極の阻害者:アクティブスキル、鑑定士の効果を完全に無効化する。
念話Ⅴ:対象者を思い浮かべることで、思い浮かべた対象者と頭の中で話し合うことができる。
念波動Ⅴ:対象者の強さを数値化して測ることができる。
排除:対象者にダメージを与えながら吹き飛ばすことができる。
■アクティブスキル
悪の破壊光:巨大で邪悪なエネルギー光を放つ。
悪の爆風撃:邪悪なエネルギーの爆風で辺りを吹き飛ばす。
身体向上:自身の身体能力を向上させる。尚、所有者の実力によって上昇率は異なる。
紅炎放射:口から紅炎を射出する。
魔界の扉:魔界へ通じる扉を開き、入った者は精神的苦痛と肉体的苦痛を味わうが、その世界へ入っている100時間は出来ることが出来ず、あらゆる事象が起きても死ぬことができない。100時間後、自動的に解放される。
■ユニークスキル:知性・記憶の略奪と献上:対象の頭に触れることで、対象者が持つ知性や記憶を奪い、自分のものにできる。また、他者の頭に触れる事で、自分の知性と記憶を共有することができる。
■アルティメットスキル:悪の混沌玉:悪魔の怨霊が込められた巨大な禍々しいエネルギー玉を放つことが出来る。攻撃範囲は着弾地点から5km前後。
「ユニークスキルが進化している――?」
「貴殿なら、私の今までを全て受け止めて、尚且つスキルも使いこなせるだろう……受け取ってはくれないか?」
ガープの真剣な表情に俺は固唾を飲む。
「ナリユキ様駄目です!」
そう言ってくれるのは、捕らえられていた人々だ。
「ええやんけ。アンタ等はまだ信用できへんと思うけど、ガープは反乱軍の団長やったんや。今更ナリユキさんを裏切るような事しやんって」
「いいぜ」
「ありがとう」
ガープの手が俺の頬に触れた。俺はガープの知性と記憶を完璧に共有された。一気に入って来る膨大な情報量。
これはガープが抱えていた闇だ。
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