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巨人と亜人Ⅳ
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私は星光の聖域を展開して破壊の滅殺光が魔法陣を包み込む光に触れると消し飛んだ。
「何だと!?」
「私にはその攻撃は通らないよ?」
「ぐぬぬぬ……こうしている時間は無いというのに」
その台詞を読み取ると破壊の石を取りに来た人数はこの巨人族と亜人族という情報であっているようだった。マカロフ卿が知らないところで、別の勢力が動いていることは無いのだろう。
「アナタ達――目的は何?」
「決まっているだろう、マーズベルを潰しに来たのだ」
「破壊の石を探しに来たんでしょ? だからマカロフ卿達とは違った方向から襲って来た。違う?」
するとアグリオスは「どうしてそれを?」と眉間に皺を寄せていた。
「ナリユキ閣下のユニークスキルよ」
「悪魔との機密契約か――」
「正解」
「それでマカロフ卿から情報を抜き出して、貴様が応戦に来たという訳か」
「そういうことになるね」
「ならば話は早い。これ以上被害を大きくしたくなければ大人しく破壊の石を渡すんだ」
「あいにく破壊の石がどこにあるか何て知らないから無理だし、その鉱石って物凄い力を秘めているんでしょ? それこそマーズベルの結界をぶち破るような――そんな危険な物を渡すわけにはいかない。渡したところで亡ぶなら意味ないでしょ?」
「ほう――なら、ここで野垂れ死にしてもらうしかないな」
アグリオスはそう言って1人の亜人を摘まみ始めた。しかも亜人は抵抗する様子も無かった。一体何をする気だろう――。そうじっと見ているとアグリオスは口を開けて、亜人を食べてしまった――。
するとアグリオスの体についていた傷はみるみる回復していった。失明していた右目も元通り――アクティブスキルスキルの大喰いを発動したようだ。このスキルは巨人族の皆が持っているので、恐らく巨人族限定のスキルのようだ。正直仲間を食べるとは思わなかったけど――。
「やはり目が見えるというのはいいな」
アグリオスはそう言って高笑いをしていた。当然、焼きただれていた皮膚も元通りになっているので振り出しに戻るという最悪の事態だ。
「行くぞ!」
アグリオスはそう言って槍での連続攻撃を繰り出して来た。これ程大きな槍を持っているのに、1つ1つの攻撃が速いので避けるので精一杯だった。
「避けているだけでは俺には勝てないぞ!」
と、漫画でよくある煽りを受けた訳だけど、私は一度アルティメットスキルを使っていることもありヘトヘトだ。さらにはアリシアさん達が皆の犠牲になってしまったので強化をかけられていない状況――なかなか攻撃できる好機が無い――。
私は避けていても仕方ないので、転移イヤリングを使って、アリシアさん達の所へ一旦戻った。この間に森妖精の皆に回復を行う。
「どこに行った!?」
アグリオスの方を見るとそう言って辺りをキョロキョロと見渡していた。
「ありがとうございますミク様」
「いえいえ。十聖壁の中で体力を回復しておいて下さい。ダメージが大きいでしょうから無理に動くことはできませんし」
「いえ、私は戦います」
アリシアさんの目は非常に決意の固いものだった。亜人は何とかミーシャさん達が抑えることができているから大丈夫だろう――。
「森羅万象を使って無力化しましょう。それまでダメージを与え続けます」
「そうですね。しかし、タイミングはどうされますか?」
アリシアさんはそう言って私に問いかけて来た。
「もう一度、大喰いを発動させるほどのダメージを与えます。そして大喰いで誰かを食べようとした時に、アリシアさんがアグリオスの足に触れて、森羅万象を発動して、アグリオスをスキルが無い物体へと変えます。その間は何もスキルが発動しない状態なので当然回復もしませんので、その隙にトドメをさします。勿論、ラストアタックは確実に倒すためにもう一度創世の超光星を使います。確実に頭を狙う攻撃なので攻撃が外れる事はありませんが、もしこれで起き上がったら――」
「ミク様のMPはほぼ0に近い状態になるので戦えないという事ですね?」
「はい。ですので、アルティメットスキルの火力を上げる強化を一通りかけてください。その後、攻撃に巻き込まれると思いますので、アグリオスが入らない範囲に逃げて、星光の聖域を展開して私の創世の超光星から身を守って下さい。カルベリアツリーのダンジョンで防いでいるので大丈夫ですよね?」
「問題ありませんよ」
「よし、じゃあそれでいきましょう。それまではアリシアさんが地上から攻撃を行い、私が空でアグリオスを攻撃します。できれば、アグリオスの足に集中攻撃を行い、立つのが困難な状況に持っていきたいですね」
「かしこまりました」
「足元でチラチラと動かれるとアグリオスとしても気が散るので踏みつけるなどの攻撃が多いでしょうが、空間把握能力の高いアリシアさんなら大丈夫だと思います」
「そうですね。問題ありません」
そう作戦を練っていると、アグリオスが「そんなところでコソコソやっていたのか」と言って近付いて来た。
「ではやりましょう!」
「はい!」
アリシアさんの返事が聞こえると、私は天使の翼で羽ばたき、アグリオスの顔の方へ突っ込んでいった。
「何だと!?」
「私にはその攻撃は通らないよ?」
「ぐぬぬぬ……こうしている時間は無いというのに」
その台詞を読み取ると破壊の石を取りに来た人数はこの巨人族と亜人族という情報であっているようだった。マカロフ卿が知らないところで、別の勢力が動いていることは無いのだろう。
「アナタ達――目的は何?」
「決まっているだろう、マーズベルを潰しに来たのだ」
「破壊の石を探しに来たんでしょ? だからマカロフ卿達とは違った方向から襲って来た。違う?」
するとアグリオスは「どうしてそれを?」と眉間に皺を寄せていた。
「ナリユキ閣下のユニークスキルよ」
「悪魔との機密契約か――」
「正解」
「それでマカロフ卿から情報を抜き出して、貴様が応戦に来たという訳か」
「そういうことになるね」
「ならば話は早い。これ以上被害を大きくしたくなければ大人しく破壊の石を渡すんだ」
「あいにく破壊の石がどこにあるか何て知らないから無理だし、その鉱石って物凄い力を秘めているんでしょ? それこそマーズベルの結界をぶち破るような――そんな危険な物を渡すわけにはいかない。渡したところで亡ぶなら意味ないでしょ?」
「ほう――なら、ここで野垂れ死にしてもらうしかないな」
アグリオスはそう言って1人の亜人を摘まみ始めた。しかも亜人は抵抗する様子も無かった。一体何をする気だろう――。そうじっと見ているとアグリオスは口を開けて、亜人を食べてしまった――。
するとアグリオスの体についていた傷はみるみる回復していった。失明していた右目も元通り――アクティブスキルスキルの大喰いを発動したようだ。このスキルは巨人族の皆が持っているので、恐らく巨人族限定のスキルのようだ。正直仲間を食べるとは思わなかったけど――。
「やはり目が見えるというのはいいな」
アグリオスはそう言って高笑いをしていた。当然、焼きただれていた皮膚も元通りになっているので振り出しに戻るという最悪の事態だ。
「行くぞ!」
アグリオスはそう言って槍での連続攻撃を繰り出して来た。これ程大きな槍を持っているのに、1つ1つの攻撃が速いので避けるので精一杯だった。
「避けているだけでは俺には勝てないぞ!」
と、漫画でよくある煽りを受けた訳だけど、私は一度アルティメットスキルを使っていることもありヘトヘトだ。さらにはアリシアさん達が皆の犠牲になってしまったので強化をかけられていない状況――なかなか攻撃できる好機が無い――。
私は避けていても仕方ないので、転移イヤリングを使って、アリシアさん達の所へ一旦戻った。この間に森妖精の皆に回復を行う。
「どこに行った!?」
アグリオスの方を見るとそう言って辺りをキョロキョロと見渡していた。
「ありがとうございますミク様」
「いえいえ。十聖壁の中で体力を回復しておいて下さい。ダメージが大きいでしょうから無理に動くことはできませんし」
「いえ、私は戦います」
アリシアさんの目は非常に決意の固いものだった。亜人は何とかミーシャさん達が抑えることができているから大丈夫だろう――。
「森羅万象を使って無力化しましょう。それまでダメージを与え続けます」
「そうですね。しかし、タイミングはどうされますか?」
アリシアさんはそう言って私に問いかけて来た。
「もう一度、大喰いを発動させるほどのダメージを与えます。そして大喰いで誰かを食べようとした時に、アリシアさんがアグリオスの足に触れて、森羅万象を発動して、アグリオスをスキルが無い物体へと変えます。その間は何もスキルが発動しない状態なので当然回復もしませんので、その隙にトドメをさします。勿論、ラストアタックは確実に倒すためにもう一度創世の超光星を使います。確実に頭を狙う攻撃なので攻撃が外れる事はありませんが、もしこれで起き上がったら――」
「ミク様のMPはほぼ0に近い状態になるので戦えないという事ですね?」
「はい。ですので、アルティメットスキルの火力を上げる強化を一通りかけてください。その後、攻撃に巻き込まれると思いますので、アグリオスが入らない範囲に逃げて、星光の聖域を展開して私の創世の超光星から身を守って下さい。カルベリアツリーのダンジョンで防いでいるので大丈夫ですよね?」
「問題ありませんよ」
「よし、じゃあそれでいきましょう。それまではアリシアさんが地上から攻撃を行い、私が空でアグリオスを攻撃します。できれば、アグリオスの足に集中攻撃を行い、立つのが困難な状況に持っていきたいですね」
「かしこまりました」
「足元でチラチラと動かれるとアグリオスとしても気が散るので踏みつけるなどの攻撃が多いでしょうが、空間把握能力の高いアリシアさんなら大丈夫だと思います」
「そうですね。問題ありません」
そう作戦を練っていると、アグリオスが「そんなところでコソコソやっていたのか」と言って近付いて来た。
「ではやりましょう!」
「はい!」
アリシアさんの返事が聞こえると、私は天使の翼で羽ばたき、アグリオスの顔の方へ突っ込んでいった。
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