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龍と桜
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ユウキの傍にはいつも女がいる。
それは当たり前だった。一夜限りの女が多かった。でも気に入れば何度か関係を持つ。それがユウキに取っちゃ当たり前だった。
勿論、俺たちもそう思っていた。
だけど──……。
「どうしちゃったんだよ、お前ッ!」
俺は思わずユウキの襟元を掴んで、叫んでいた。周りから見たらケンカしているようにも見えるだろう。
「しょうがねぇだろ。あの子は今までの女のような子じゃねぇんだ」
微かに笑うユウキ。
それが行動に出れない自分を、笑っているようだった。
ユウキの心を掴んだ相手が、どんな子なのか心底気になった。
だけどユウキの話だと、その子は繁華街の夜に出入りするような子じゃない。だから俺が、その子と会うことは不可能に近かった。それでも俺は、ユウキに会う度に聞いていた。
「会えたのか」って。
その度、自嘲気味な笑みでこっちを見てくる。
それ程ユウキはその子に会いたくて仕方ないくらい、もどかしい気持ちを抱えているんだろうと思った。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊
「へぇ。あのユウキがなぁ」
煙草を口に咥えて火をつけるカズキさん。カズキさんはフッと笑った。
「そのくらい、惚れられる相手に出会えたか」
「でもどんな子か分からないんっすよ」
「ユウキ本人も分かってねぇんだろ?」
「そうじゃないんっすかねぇ」
カズキさんとふたりで、繁華街を練り歩いていた。
下っ端達にこの繁華街を隅から隅まで見回りさせて、俺は一先ずカズキさんに報告をしに来ていた。
「で、分かったのかよ」
カズキさんが言うその言葉の意味は、この繁華街に出入りする不穏な動きのことを言ってる。BTの仕業かと思ったが、そうでもないということまでは分かっていた。
この辺りは今、暴走連合とBTの対決のことで盛り上がってる。チームに入っていないヤツも、このことを噂してるくらいだった。
「カズキさん。BTとは関係ないみたいっす」
俺が言った言葉に、カズキさんは「はぁ…」とため息を吐く。
「どこのヤツらだ?」
煙草の煙を口から吐き出しながら言う、カズキさんはなんともいえない色気がある。
男から見ても色気がある。
「暴走連合とBTのことに便乗して、悪さし出したバカなヤツらっす」
そう。
この辺りを荒らしだした新手は、暴走連合とBTの揉め事が勃発したのをいいことに、暴れだしたバカ共だ。
その頭をこれから狩りに行く。
「じゃ、カズキさん」
俺はカズキさんから離れて歩き出した。下っ端引き連れて狩りに行く。
「龍!」
その言葉と共に、俺にヒュッ!とZIPPOを投げてきた。その意図が分からず、俺はそれを見つめる。
「お前にやる」
俺が持つには勿体無いくらいの、ピカピカしたヤツだった。それを見て、俺は素直に「ありがとう」とは言えず、ただカズキさんの顔を見ていた。
「俺にはもう必要ねぇ」
そう言ったカズキさん。
これはきっと、誰かから貰ったものだと思った。その思いを断ち切る為に、俺に投げて寄越したんだって。
俺は頭を下げて、ZIPPOをジーンズのポケットに入れると、カズキさんに背を向けた。
「怪我すんなよ」
俺の背中に向けて、カズキさんのその声が聞こえた。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊
ドタドタドタッ!!
黒龍の下っ端達を引き連れて、俺は路地裏に向かって走る。
今までの調べで分かってる。
今回、この繁華街を荒らしたヤツらのことを。そいつらのアジトへと、仲間と共に向かっていた。
「おい」
俺は面子の顔を見た。
言葉なんかない。
俺の顔を見ただけで、どう行動するか分かってる。軽く頷いた面子は、ゆっくりとその建物を囲みだした。
繁華街から離れたところ。
薄暗い場所。
ここからすぐ傍には、死の街と呼ばれてる場所がある。
何故、こんな場所にアジトを作ったのか疑問だった。誰も寄り付かない場所。だからこんな場所に作ったのかもしれない。
けど死の街は暗黙の了解のように、誰もアジトを作って来たことはない。
死の街は近寄れない。
けどBTとの決戦は、この場所になるだろう。
古びたビル。
その3階がそいつらのアジトだ。
元々そこは何かの事務所だったであろう。消えかかった会社の名前がある。
「行くぞ」
それだけ言うと、俺はゆっくりとその建物の中に入って行く。
薄暗いビル。足音を忍ばせて上っていく。静かに響く足音が、ヤツらに聞こえないか不安だった。
けどそれは聞こえてないと確信したのは、2階に差し掛かった時だった。
3階から聞こえる音楽。レゲエのようなイカレた音楽が聞こえていた。外にいた時は気付かなかったが、階段を上ってる今、それが聞こえる。
「龍さん」
俺の後ろにいた面子が俺を呼ぶ。
「ヤツら、呑気に音楽聴いてやがる」
だけどその音楽がカモフラージュだと分かったのは、3階に着いた時だった。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊
「……ッ!」
音楽に紛れて微かに聞こえる声。
それは悲鳴に近い声。
それと薄ら笑うような声。
何人ものの笑い声と、悲鳴のような女の声。
「こりゃ……」
俺は言葉を失った。
自分たちのアジトに、女連れ込んでヤってるらしい。
「ヤってんのか……」
面子がポツリとそれを言葉にした。その言葉に、俺の背中がゾクリとした。
嫌な予感がした。
とても嫌な予感が……。
事務所の入り口である扉の前に、見覚えのあるものが落ちていた。俺はゆっくりとそれを拾い上げた。
「まさか……」
拾い上げたペンダントを持つ手が、震える。信じたくないって、俺の身体の奥から言ってる。
「龍さん?」
面子が俺を不思議そうに見る。何も言えない俺は、後先考えずにその扉を蹴り破った。
ドカッ!
バンッ!
そう音が響いた。
激しいレゲエの音楽に混じって聞こえた悲鳴。
「……ッ!やぁ……ッ!!」
その声に俺はドカドカと中に入って行き、そいつらの首根っこを掴み、壁に叩きつけていた。
面子たちが唖然とするくらい、そいつらを殴り蹴り壁に叩きつけていた。
ヤられていたのは、桜、だった──……。
こんなところを見たくはなかった。
こんな俺を見せたくはなかった。
桜。
俺はお前の前では、ちゃんとお兄ちゃんでいたかった。
こんなことをする、お兄ちゃんではいたくなかった。
だから見せたくなかった。
「……ちゃ……ん」
アジトを壊滅状態にした俺は、その声に怖くて振り返れなかった。
手や身体には返り血。
そんな俺が、桜を抱きしめてやることは出来なかった。
けど……。
「……ッ。うぅッ……!」
声を押し殺して涙を流している桜。そんな桜を力いっぱい抱きしめていた。
「……兄ちゃ……」
声にならない声で俺を呼ぶ。そんな桜を宥めるように背中を擦る。
桜を抱きしめたのは何年ぶりだろう。
そんなことを考えながらも、桜をこんな目に合わせたコイツらを許せなかった。
何よりも守れなかった俺に、ハラが立つ。
「龍さん?」
面子はこんな俺を初めて見ただろう。
声をかけるのを躊躇っていたようだった。
「妹だ」
俺はそれだ言うと、妹を立ち上がらせた。
「俺はこのまま帰る。カズキさんに報告入れてくれ」
そう言うと、俺は桜に着ていたスタジャンを無理矢理着せた。
龍の柄が入ってる青いスタジャンは、桜には似合わない。けど桜のこんな姿を見られたくなくて、桜を隠したくて。
「桜。帰ろう。兄ちゃんと帰ろう」
震える手を握り締めて言う俺に、コクリと頷いた。
だけどこのまま帰るわけにはいかなかった。桜のこの状態を、母親に見せるわけにはいかなかった。
「桜。ちょっとこのままだと帰れねぇだろ」
俺にピッタリくっ付く桜は、またコクリと頷いた。
「ちょっと知り合いんとこに行くから」
その言葉にまた頷く。俺はスマホを取り出して、ユウキに電話をかけていた。
ユウキは多分、繁華街にいる。
ユウキはすぐに電話に出た。俺は一人暮らししてるヤツに、助けを求めた。ヤツの家なら平気な気がしたのだ。
「ユウキ?」
俺は電話の向こうに話しかけた。
『どうした』
冷静な声が返って来る。
そんなヤツに俺は言っていた。
「お前に頼みがある」
それはユウキの家で、桜を着替えさせたいっていうことだった。
震える桜の肩をしっかりと抱きしめて、俺は繁華街の方へと向かっていた。歩く道は、段々と明るくなり騒がしくなっていく。
繁華街から少し離れた街角に、白いシャツにジーンズを穿いて、ジャラジャラと鎖のアクセサリーをつけたヤツが立っている。
「ユウキ!」
俺は叫ぶと、桜を連れてユウキに近寄る。
近付いて行く度、ユウキの顔がはっきりと見えて、そしてその顔が驚きに満ちているのを確認出来た。
「……君……」
ユウキが目を見開いて、桜をじっと見ていた。
「なんで……」
言葉にならない声で、ユウキは桜に声をかけていた。
それがふたりの出会いだと思っていた。だけどそれよりももっと前に、ふたりは出会っていたんだ。
それは当たり前だった。一夜限りの女が多かった。でも気に入れば何度か関係を持つ。それがユウキに取っちゃ当たり前だった。
勿論、俺たちもそう思っていた。
だけど──……。
「どうしちゃったんだよ、お前ッ!」
俺は思わずユウキの襟元を掴んで、叫んでいた。周りから見たらケンカしているようにも見えるだろう。
「しょうがねぇだろ。あの子は今までの女のような子じゃねぇんだ」
微かに笑うユウキ。
それが行動に出れない自分を、笑っているようだった。
ユウキの心を掴んだ相手が、どんな子なのか心底気になった。
だけどユウキの話だと、その子は繁華街の夜に出入りするような子じゃない。だから俺が、その子と会うことは不可能に近かった。それでも俺は、ユウキに会う度に聞いていた。
「会えたのか」って。
その度、自嘲気味な笑みでこっちを見てくる。
それ程ユウキはその子に会いたくて仕方ないくらい、もどかしい気持ちを抱えているんだろうと思った。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊
「へぇ。あのユウキがなぁ」
煙草を口に咥えて火をつけるカズキさん。カズキさんはフッと笑った。
「そのくらい、惚れられる相手に出会えたか」
「でもどんな子か分からないんっすよ」
「ユウキ本人も分かってねぇんだろ?」
「そうじゃないんっすかねぇ」
カズキさんとふたりで、繁華街を練り歩いていた。
下っ端達にこの繁華街を隅から隅まで見回りさせて、俺は一先ずカズキさんに報告をしに来ていた。
「で、分かったのかよ」
カズキさんが言うその言葉の意味は、この繁華街に出入りする不穏な動きのことを言ってる。BTの仕業かと思ったが、そうでもないということまでは分かっていた。
この辺りは今、暴走連合とBTの対決のことで盛り上がってる。チームに入っていないヤツも、このことを噂してるくらいだった。
「カズキさん。BTとは関係ないみたいっす」
俺が言った言葉に、カズキさんは「はぁ…」とため息を吐く。
「どこのヤツらだ?」
煙草の煙を口から吐き出しながら言う、カズキさんはなんともいえない色気がある。
男から見ても色気がある。
「暴走連合とBTのことに便乗して、悪さし出したバカなヤツらっす」
そう。
この辺りを荒らしだした新手は、暴走連合とBTの揉め事が勃発したのをいいことに、暴れだしたバカ共だ。
その頭をこれから狩りに行く。
「じゃ、カズキさん」
俺はカズキさんから離れて歩き出した。下っ端引き連れて狩りに行く。
「龍!」
その言葉と共に、俺にヒュッ!とZIPPOを投げてきた。その意図が分からず、俺はそれを見つめる。
「お前にやる」
俺が持つには勿体無いくらいの、ピカピカしたヤツだった。それを見て、俺は素直に「ありがとう」とは言えず、ただカズキさんの顔を見ていた。
「俺にはもう必要ねぇ」
そう言ったカズキさん。
これはきっと、誰かから貰ったものだと思った。その思いを断ち切る為に、俺に投げて寄越したんだって。
俺は頭を下げて、ZIPPOをジーンズのポケットに入れると、カズキさんに背を向けた。
「怪我すんなよ」
俺の背中に向けて、カズキさんのその声が聞こえた。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊
ドタドタドタッ!!
黒龍の下っ端達を引き連れて、俺は路地裏に向かって走る。
今までの調べで分かってる。
今回、この繁華街を荒らしたヤツらのことを。そいつらのアジトへと、仲間と共に向かっていた。
「おい」
俺は面子の顔を見た。
言葉なんかない。
俺の顔を見ただけで、どう行動するか分かってる。軽く頷いた面子は、ゆっくりとその建物を囲みだした。
繁華街から離れたところ。
薄暗い場所。
ここからすぐ傍には、死の街と呼ばれてる場所がある。
何故、こんな場所にアジトを作ったのか疑問だった。誰も寄り付かない場所。だからこんな場所に作ったのかもしれない。
けど死の街は暗黙の了解のように、誰もアジトを作って来たことはない。
死の街は近寄れない。
けどBTとの決戦は、この場所になるだろう。
古びたビル。
その3階がそいつらのアジトだ。
元々そこは何かの事務所だったであろう。消えかかった会社の名前がある。
「行くぞ」
それだけ言うと、俺はゆっくりとその建物の中に入って行く。
薄暗いビル。足音を忍ばせて上っていく。静かに響く足音が、ヤツらに聞こえないか不安だった。
けどそれは聞こえてないと確信したのは、2階に差し掛かった時だった。
3階から聞こえる音楽。レゲエのようなイカレた音楽が聞こえていた。外にいた時は気付かなかったが、階段を上ってる今、それが聞こえる。
「龍さん」
俺の後ろにいた面子が俺を呼ぶ。
「ヤツら、呑気に音楽聴いてやがる」
だけどその音楽がカモフラージュだと分かったのは、3階に着いた時だった。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊
「……ッ!」
音楽に紛れて微かに聞こえる声。
それは悲鳴に近い声。
それと薄ら笑うような声。
何人ものの笑い声と、悲鳴のような女の声。
「こりゃ……」
俺は言葉を失った。
自分たちのアジトに、女連れ込んでヤってるらしい。
「ヤってんのか……」
面子がポツリとそれを言葉にした。その言葉に、俺の背中がゾクリとした。
嫌な予感がした。
とても嫌な予感が……。
事務所の入り口である扉の前に、見覚えのあるものが落ちていた。俺はゆっくりとそれを拾い上げた。
「まさか……」
拾い上げたペンダントを持つ手が、震える。信じたくないって、俺の身体の奥から言ってる。
「龍さん?」
面子が俺を不思議そうに見る。何も言えない俺は、後先考えずにその扉を蹴り破った。
ドカッ!
バンッ!
そう音が響いた。
激しいレゲエの音楽に混じって聞こえた悲鳴。
「……ッ!やぁ……ッ!!」
その声に俺はドカドカと中に入って行き、そいつらの首根っこを掴み、壁に叩きつけていた。
面子たちが唖然とするくらい、そいつらを殴り蹴り壁に叩きつけていた。
ヤられていたのは、桜、だった──……。
こんなところを見たくはなかった。
こんな俺を見せたくはなかった。
桜。
俺はお前の前では、ちゃんとお兄ちゃんでいたかった。
こんなことをする、お兄ちゃんではいたくなかった。
だから見せたくなかった。
「……ちゃ……ん」
アジトを壊滅状態にした俺は、その声に怖くて振り返れなかった。
手や身体には返り血。
そんな俺が、桜を抱きしめてやることは出来なかった。
けど……。
「……ッ。うぅッ……!」
声を押し殺して涙を流している桜。そんな桜を力いっぱい抱きしめていた。
「……兄ちゃ……」
声にならない声で俺を呼ぶ。そんな桜を宥めるように背中を擦る。
桜を抱きしめたのは何年ぶりだろう。
そんなことを考えながらも、桜をこんな目に合わせたコイツらを許せなかった。
何よりも守れなかった俺に、ハラが立つ。
「龍さん?」
面子はこんな俺を初めて見ただろう。
声をかけるのを躊躇っていたようだった。
「妹だ」
俺はそれだ言うと、妹を立ち上がらせた。
「俺はこのまま帰る。カズキさんに報告入れてくれ」
そう言うと、俺は桜に着ていたスタジャンを無理矢理着せた。
龍の柄が入ってる青いスタジャンは、桜には似合わない。けど桜のこんな姿を見られたくなくて、桜を隠したくて。
「桜。帰ろう。兄ちゃんと帰ろう」
震える手を握り締めて言う俺に、コクリと頷いた。
だけどこのまま帰るわけにはいかなかった。桜のこの状態を、母親に見せるわけにはいかなかった。
「桜。ちょっとこのままだと帰れねぇだろ」
俺にピッタリくっ付く桜は、またコクリと頷いた。
「ちょっと知り合いんとこに行くから」
その言葉にまた頷く。俺はスマホを取り出して、ユウキに電話をかけていた。
ユウキは多分、繁華街にいる。
ユウキはすぐに電話に出た。俺は一人暮らししてるヤツに、助けを求めた。ヤツの家なら平気な気がしたのだ。
「ユウキ?」
俺は電話の向こうに話しかけた。
『どうした』
冷静な声が返って来る。
そんなヤツに俺は言っていた。
「お前に頼みがある」
それはユウキの家で、桜を着替えさせたいっていうことだった。
震える桜の肩をしっかりと抱きしめて、俺は繁華街の方へと向かっていた。歩く道は、段々と明るくなり騒がしくなっていく。
繁華街から少し離れた街角に、白いシャツにジーンズを穿いて、ジャラジャラと鎖のアクセサリーをつけたヤツが立っている。
「ユウキ!」
俺は叫ぶと、桜を連れてユウキに近寄る。
近付いて行く度、ユウキの顔がはっきりと見えて、そしてその顔が驚きに満ちているのを確認出来た。
「……君……」
ユウキが目を見開いて、桜をじっと見ていた。
「なんで……」
言葉にならない声で、ユウキは桜に声をかけていた。
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