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第4話
個室⑤
しおりを挟む「彼氏‥?いいの?」
「っ‥‥」
私達が恋人だなんていえるのだろうか。
彼には婚約者がいるんだから仕方ない
何度も自分に言い聞かせてみても胸が苦しい。
浮かない表情でいる私に見せ付けるようにして、ニヤリと悪戯に口角を上げた秋が着信画面に指を滑らせた。
「えっ‥!?」
戸惑う私の耳元に携帯が押し当てられた。
『もしもし‥藤川先輩?』
どこか弱々しい市来の声がスピーカーから聞こえる。
それだけの事でどうしようもなく胸が熱くなった。
「市来くんどうしたの‥?こんっ‥ん、なッーーー!?」
『藤、川先輩?どうしました?』
秋は私の身体をゆっくり仰向けに寝かせると、大きく股を開かせ、スローテンポにピストンを開始した。
ジュッ、‥ジュッ‥プ‥ジュッ‥プ‥
「ッ‥ふッ‥ン‥何でも無い、よ」
『そっか‥。すみません、こんな遅くに‥。どうしても藤川先輩の声が聞きたくなってしまって』
「‥ッ、‥う、ん‥大丈、夫っ‥‥、ッッーーー!?」
私の片方の乳首を口内に含み舌で転がしながら、膨張仕切ったクリトリスに親指の腹で執拗に円をかく。
ジュップ!ジュッ、プッ!ジュッ、プッ!
意地悪な肉棒が最奥にたどり着いた時にだけ鳴る波音が、もう溢れ返ってしまいそうに激しさを増す。
『この間も言いましたけど、婚約者の事はちゃんとするからもう少し待っていて‥。僕が愛しているのは先輩だから───』
本来なら嬉しい筈の言葉を聞きながら、私は自分の手の甲を噛み何度も絶頂の声を抑えた。
まだ残るお酒がそうさせるのか。目の前はチカチカと光り、もうこれが夢か現実かもわからなっていた。
『藤川先輩、?聞こえてますか?』
「‥ごめ、んッ‥市来くん‥。家、なんだか、電波の調子が、ッ‥悪く、て‥」
『ああ、そうなんですか?じゃあ今度僕が通信、機見に行きますよ』
「‥ありが、と、うッ‥ごめんなさい‥今、日はッ‥ハァッ‥これで‥失礼す、るッ‥ハ、ァッ‥ね」
『ああ‥はい、わかりました。お休みッ───』
私は一方的に通話を終わらせると、頭上で余裕たっぷりに微笑む秋をギロッとにらみつけた。
「最、低‥」
「そう?こっちは最高だったよ。‥すっげー‥興奮した。エレナさんの中締まりっぱなしでヤバかったし‥」
ガクふッとうなだれるように前に倒れな秋の体重が一気にのしかかる。
「一応言っとくけど、我慢してたの‥エレナさんだけじゃないからッ‥」
「‥ンッ‥!ンッ‥!ンッ‥!ンッ‥!ッ‥!」
リミッターの外れた彼の腰の速度が加速した。余裕の無さからか打ってかわった荒々しいリズムに私は息を止めた。
足の爪先からぞくぞくと上がってくる‥
くる‥。
きちゃう‥
イク、イク、イク、イク!!
「ハァッ‥ハァッ‥ハァッ‥ああ、ヤバ‥。もう出る出るッ‥くっ‥!エレ、ナさッん‥!」
「ッ‥─────!!!!」
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