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第一部 スプリングシリーズ
第3話 Exh.1 Phase.Ⅰ part.2
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「――と、思ったんだけど……そうもいかないみたいだ」
真宙と生徒会庶務の慶桜陽太を的確に狙い撃った弾丸が、線路脇の住宅の上から飛んでくる。景と真琴しかそれには反応できず、それぞれ二人を庇うように障壁のアビリティを展開し、ピンポイントで着弾先を防いだ。
「あちゃ~、やっぱ気付かれちゃうよねぇ、この距離じゃ」
二階建ての住宅の屋根から跳び下りて、お茶目な笑顔を見せるこの小柄な少女こそ、琴音リラ。スタンプラリー同好会の会長にして、リーグ屈指の実力者の一人だった。
両手に拳銃を握り、銃口を下げてはいるが、景と真琴の間合いには入らない徹底したリーチ管理。さすがに奇襲屋の異名は伊達ではない。立ち回りで言えば、この場の中では彼女が一枚上手であることは間違いなかった。
「最初からあれで決められるなんて思ってもいないくせに、よく言うねぇ。さぁて、どうする? 月瀬くん」
「そうですね……この一番面倒な人をここで叩き潰すと言うなら、手を貸しますが?」
「怖いこと言うなぁ、こんなか弱い美少女に向かって。あ、“美”は自分で言うもんじゃないか、あはっ」
飄々とする真琴に、冷静な景、そして終始お茶らけた様子のリラ。
三者三様にして、しかしながら均衡の取れた緊張状態に、この場の誰しもが動けなかった。先に動いた者が真っ先にやられる。そんなことは、この場にいる誰もがわかっていたのだ。
しかしそれでも、先手を打って誰かが動かなければ、この緊張状態は解かれない。
その一番槍に名乗り出たのは庶務の陽太だった。彼はアビリティでスピードを底上げして、手にした片手剣でリラに斬りかかる。いくらリーチの長い拳銃であろうと、照準が定まらなければ当てられない。
素早い動きでリラに迫り、あっという間に自分の間合いにリラを捕らえた。あと一振り、これを命中させれば決して小さくないダメージが通る。しかしその一拍を与えず、何者かが影の中から陽太に向って突っ込んできた。
「さんきゅー、ユイちゃん。そっちは任せるよ」
「はい、任せてください!」
スタンプラリー同好会に今年から配属された新人、幸鐘ユイだった。単身でこの場にやってきたと思われたリラだったが、派手な登場で自分に注意を向けさせて、ユイが近くに潜んでいることを隠そうとしていたのだ。
ユイの武器は陽太の持つ片手剣よりも間合いが短いが、その分機動力の高い短剣。陽太の一振り一振りを確実にかわしながら、ユイは少しずつ彼を押し返し、リラが彼の間合いから外れるように誘導していく。
ユイと陽太が剣を交えているということは、実質的に二対一対一で、天文部にやや有利な状況。さらには後ろに雪葵の狙撃も準備させていることを踏まえると、厄介な相手である真琴かリラのどちらかをこの場で落とせるかもしれないという“欲”が、景の中に生まれ始めていた。
『じりじり後退して、そのまま相手を罠地帯へ誘導しましょう。素で戦うよりはいくらか勝機があります。あからさまにならないよう、慎重にいきましょう。罠地帯へ相手を呼び込んだら、そのまま撤退して構いません。あとは私がやります』
『わかりました』
通信で真宙に指示をした景は、刀を鞘に納め、居合の体勢を取る。その背に隠れるように真宙はじりじり後退し、いつでも逃げられる準備をしているように見せる。
「お、やる気だねぇ、月瀬くん。やるならリラちゃんをやっておくれよ。こう見えて僕の方がか弱いんだからさ」
「あなた方を落として後の有利を取るか、確実に取れるポイントを今取るか、どちらも魅力的な選択肢だ。そうは思いませんか?」
景のその言葉の意味が通じたらしく、真琴とリラは一瞬意識を逸らしてしまった。
景のアビリティには、間合いを伸ばす効果があるものもある。それを考慮すると、目の前の相手に集中している陽太とユイのどちらかに不意の一撃を与え、そのまま討伐してしまうことも難しいことではない。しかし景の狙いは彼らではなく、やはり後の有利を取る方だった。
気を逸らしてしまったリラに向けて景が素早く刀を引き抜き、その凶刃が彼女を襲う。反応するのは容易くない速度の剣撃だが、普段のリラなら反応できたに違いない。しかし一瞬でも気を逸らした今なら、そのわずかな反応の遅れが致命的になる――はずだった。
刃は虚しくも空を切り、リラを捉えることはなかった。わざと狙いを付けず、身体を支えずに発砲したリラは、その反動でわざと体勢を崩して倒れ込み、刃の軌道から外れたのだ。しかしこれが決まらないのは景にとって想定内。景の本当の狙いは、雪葵の狙撃だった。
『やれ』
景の合図で雪葵が引き金を引く。その弾丸が狙う先は、景の刃が向く先が自分ではないと知って気を抜いたであろう、生徒会長・調野真琴だ。
より厄介なのはリラだが、彼女も射撃のエキスパート。狙撃には気付かれるだろうと思っていた。それに加えて、この状況で狙うならリラだという心理は真琴にもあるはずだった。だからこそ、目の前で狙われたのがリラで、自分が狙われなかったことにも、思惑通りだったことにも安堵したことだろう。完全に不意を突いた一撃で、これで駄目ならまともなやり方ではダメージを通すのは難しいとまで、景は感じていた。
視界の隅に流れるシステムログに、[調野真琴 核損傷 3層]と表示された。
各チームのメンバーは、固定で10層の核耐久値を持つ。核はこの電脳世界における命であり、核の耐久値がゼロになった時点で討伐扱いとなる。その核が3層削られたということは、すなわち真琴にダメージが入ったということだ。
厳密には、個人ごとのステータスから算出された固有の攻撃ランクと防御ランクというものが設定されており、その差が核へのダメージ量を決めている。通常であれば真琴の防御ランク5に対し、雪葵の攻撃ランク5では差はゼロ。ゼロの場合は固定で1のダメージしか与えられないが、雪葵がアビリティを使用して攻撃力を底上げしていたこと、真琴が不意を突かれて防御のアビリティを展開できなかったことで、出来得る限りの最大ダメージが入ったのだ。
「なるほど……この状況で伏兵を隠していたとは。これはこれは、恐れ入った。だけど――位置が割れた狙撃手ほど、狙いやすいものもないねぇ」
それは景も想定済みで、既に雪葵には撤退命令を出してある。今から彼の元へ向かっても追いつくことはないだろう。
そうは思ったが、実際に陽太が戦線から離脱して雪葵の元へ向かおうとすると、少しの焦りも感じた。真琴も無策で兵を動かすような人間ではない。何か策があるのだろうか。そう思わずにはいられないのだ。
陽太の相手をしていたユイは、真琴が代わりに食い止めている。真宙は既に逃がしてしまったし、陽太を追いかけさせまいと、景の前にはリラが立ちはだかる。リラを振り切ろうとしても、無傷というわけにはいかないだろう。かといって、雪葵を落とされるのは戦力的に大きな痛手になる。
すると、わずかにリラの抵抗が緩んだ。まるでわざと逃がさんとするようで、景は逆にそれを訝しく感じ、素直に陽太を追いかけなかった。
結果的にその判断は正しく、直後に眩い光とともに轟音が響き、すぐそばの民家から激しい土煙が舞った。
真宙と生徒会庶務の慶桜陽太を的確に狙い撃った弾丸が、線路脇の住宅の上から飛んでくる。景と真琴しかそれには反応できず、それぞれ二人を庇うように障壁のアビリティを展開し、ピンポイントで着弾先を防いだ。
「あちゃ~、やっぱ気付かれちゃうよねぇ、この距離じゃ」
二階建ての住宅の屋根から跳び下りて、お茶目な笑顔を見せるこの小柄な少女こそ、琴音リラ。スタンプラリー同好会の会長にして、リーグ屈指の実力者の一人だった。
両手に拳銃を握り、銃口を下げてはいるが、景と真琴の間合いには入らない徹底したリーチ管理。さすがに奇襲屋の異名は伊達ではない。立ち回りで言えば、この場の中では彼女が一枚上手であることは間違いなかった。
「最初からあれで決められるなんて思ってもいないくせに、よく言うねぇ。さぁて、どうする? 月瀬くん」
「そうですね……この一番面倒な人をここで叩き潰すと言うなら、手を貸しますが?」
「怖いこと言うなぁ、こんなか弱い美少女に向かって。あ、“美”は自分で言うもんじゃないか、あはっ」
飄々とする真琴に、冷静な景、そして終始お茶らけた様子のリラ。
三者三様にして、しかしながら均衡の取れた緊張状態に、この場の誰しもが動けなかった。先に動いた者が真っ先にやられる。そんなことは、この場にいる誰もがわかっていたのだ。
しかしそれでも、先手を打って誰かが動かなければ、この緊張状態は解かれない。
その一番槍に名乗り出たのは庶務の陽太だった。彼はアビリティでスピードを底上げして、手にした片手剣でリラに斬りかかる。いくらリーチの長い拳銃であろうと、照準が定まらなければ当てられない。
素早い動きでリラに迫り、あっという間に自分の間合いにリラを捕らえた。あと一振り、これを命中させれば決して小さくないダメージが通る。しかしその一拍を与えず、何者かが影の中から陽太に向って突っ込んできた。
「さんきゅー、ユイちゃん。そっちは任せるよ」
「はい、任せてください!」
スタンプラリー同好会に今年から配属された新人、幸鐘ユイだった。単身でこの場にやってきたと思われたリラだったが、派手な登場で自分に注意を向けさせて、ユイが近くに潜んでいることを隠そうとしていたのだ。
ユイの武器は陽太の持つ片手剣よりも間合いが短いが、その分機動力の高い短剣。陽太の一振り一振りを確実にかわしながら、ユイは少しずつ彼を押し返し、リラが彼の間合いから外れるように誘導していく。
ユイと陽太が剣を交えているということは、実質的に二対一対一で、天文部にやや有利な状況。さらには後ろに雪葵の狙撃も準備させていることを踏まえると、厄介な相手である真琴かリラのどちらかをこの場で落とせるかもしれないという“欲”が、景の中に生まれ始めていた。
『じりじり後退して、そのまま相手を罠地帯へ誘導しましょう。素で戦うよりはいくらか勝機があります。あからさまにならないよう、慎重にいきましょう。罠地帯へ相手を呼び込んだら、そのまま撤退して構いません。あとは私がやります』
『わかりました』
通信で真宙に指示をした景は、刀を鞘に納め、居合の体勢を取る。その背に隠れるように真宙はじりじり後退し、いつでも逃げられる準備をしているように見せる。
「お、やる気だねぇ、月瀬くん。やるならリラちゃんをやっておくれよ。こう見えて僕の方がか弱いんだからさ」
「あなた方を落として後の有利を取るか、確実に取れるポイントを今取るか、どちらも魅力的な選択肢だ。そうは思いませんか?」
景のその言葉の意味が通じたらしく、真琴とリラは一瞬意識を逸らしてしまった。
景のアビリティには、間合いを伸ばす効果があるものもある。それを考慮すると、目の前の相手に集中している陽太とユイのどちらかに不意の一撃を与え、そのまま討伐してしまうことも難しいことではない。しかし景の狙いは彼らではなく、やはり後の有利を取る方だった。
気を逸らしてしまったリラに向けて景が素早く刀を引き抜き、その凶刃が彼女を襲う。反応するのは容易くない速度の剣撃だが、普段のリラなら反応できたに違いない。しかし一瞬でも気を逸らした今なら、そのわずかな反応の遅れが致命的になる――はずだった。
刃は虚しくも空を切り、リラを捉えることはなかった。わざと狙いを付けず、身体を支えずに発砲したリラは、その反動でわざと体勢を崩して倒れ込み、刃の軌道から外れたのだ。しかしこれが決まらないのは景にとって想定内。景の本当の狙いは、雪葵の狙撃だった。
『やれ』
景の合図で雪葵が引き金を引く。その弾丸が狙う先は、景の刃が向く先が自分ではないと知って気を抜いたであろう、生徒会長・調野真琴だ。
より厄介なのはリラだが、彼女も射撃のエキスパート。狙撃には気付かれるだろうと思っていた。それに加えて、この状況で狙うならリラだという心理は真琴にもあるはずだった。だからこそ、目の前で狙われたのがリラで、自分が狙われなかったことにも、思惑通りだったことにも安堵したことだろう。完全に不意を突いた一撃で、これで駄目ならまともなやり方ではダメージを通すのは難しいとまで、景は感じていた。
視界の隅に流れるシステムログに、[調野真琴 核損傷 3層]と表示された。
各チームのメンバーは、固定で10層の核耐久値を持つ。核はこの電脳世界における命であり、核の耐久値がゼロになった時点で討伐扱いとなる。その核が3層削られたということは、すなわち真琴にダメージが入ったということだ。
厳密には、個人ごとのステータスから算出された固有の攻撃ランクと防御ランクというものが設定されており、その差が核へのダメージ量を決めている。通常であれば真琴の防御ランク5に対し、雪葵の攻撃ランク5では差はゼロ。ゼロの場合は固定で1のダメージしか与えられないが、雪葵がアビリティを使用して攻撃力を底上げしていたこと、真琴が不意を突かれて防御のアビリティを展開できなかったことで、出来得る限りの最大ダメージが入ったのだ。
「なるほど……この状況で伏兵を隠していたとは。これはこれは、恐れ入った。だけど――位置が割れた狙撃手ほど、狙いやすいものもないねぇ」
それは景も想定済みで、既に雪葵には撤退命令を出してある。今から彼の元へ向かっても追いつくことはないだろう。
そうは思ったが、実際に陽太が戦線から離脱して雪葵の元へ向かおうとすると、少しの焦りも感じた。真琴も無策で兵を動かすような人間ではない。何か策があるのだろうか。そう思わずにはいられないのだ。
陽太の相手をしていたユイは、真琴が代わりに食い止めている。真宙は既に逃がしてしまったし、陽太を追いかけさせまいと、景の前にはリラが立ちはだかる。リラを振り切ろうとしても、無傷というわけにはいかないだろう。かといって、雪葵を落とされるのは戦力的に大きな痛手になる。
すると、わずかにリラの抵抗が緩んだ。まるでわざと逃がさんとするようで、景は逆にそれを訝しく感じ、素直に陽太を追いかけなかった。
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