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第1章 貴族興亡編
第26話 新たな仲間
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「ライラとニーナっていう冒険者が最近来ませんでした。獣人とエルフの女性なんですけど」
「うーん、そういえば来たような…………ちょっとお持ちくださいね」
そういうとギルドの受付の女性はカウンター奥の他のギルド職員のもとに確認にいく。ソフィはここに来る途中で買ってあげたお気に入りの魔術師のローブのフードをかぶり、首付近からはキュイがその顔を出していた。
その時、
「レオン……」
聞き覚えのある声が俺たちの背後から聞こえた。振り返ると、
腰に両手を当てて、笑顔を見せながらも実は怒っているという表情のライラと嬉しそうなニーナの姿がそこにはあった。
「よかった! やっとみんなに会えた!」
「全く、ほんの少し目を離しただけで迷子になるんすから! 子供っすかレオンは? いや、子供でも自分が泊まってた宿ぐらいにまでは戻れるっすよ!」
「いや、これには事情があってね……」
「きゅぃっ!」
キュイが発した鳴き声によってライラとニーナはキュイに釘付けになる。
「なんすか、この猛烈にかわいい生き物は……?」
「きゃあ、ニーナ知ってる。この子、耳うさぎでしょ!」
ライラとニーナの視線がキュイに釘付けになる。
「あっ、見つかりました! ありがとうございました」
俺は受付してくれていた女性にそう断ってカウンターを離れる。
「この二人がニーナとライラ。でこちらがソフィにキュイね」
「よろしくっす!」
「はじめまして!」
「よろしくなのです」
「きゅぅいーー!」
キュイのその挨拶を聞いたニーナとライラの顔がほころぶ。いいぞ、キュイ。つかみはOKだ。
「でソフィがひったくりにあった所を俺が助けてね。それで知り合ったんだけど、ソフィ記憶喪失みたいで。で攻撃系の魔術師でレベルも高いから、記憶が戻るまででもいいので俺たちの仲間になってもらいたいと思ってるんだけど、二人はどう?」
「いいっす!」
「よろしくね! ソフィにキュイちゃん!」
「よ、よろしくなのです!」
「きゅぅい!」
二人とも即答だった。よかった。
「そういえば二人は昨日は?」
「一緒のお部屋に泊まったのです。起きたらベットのすぐ近くにレオンがいたからびっくりしたのです!」
ちょっ、誤解を生むような言い方を!
「「どういうこと?」」
ニーナとライラによる俺への事情聴取がそこから始まった。
「事務所も確保しなきゃですけど、まず私の師匠にあってもらたいっす。レオン、絶対に私たちから離れたらダメっすよ!」
誤解の解けたライラに連れられて冒険者ギルドを出てで彼女の師匠の元へ向かう。ニーナはキュイを抱っこさせてもらってほくほく顔だ。
王都は俺が今まで冒険者をしてきた街とは規模も人の多さも全然違った。獣人から竜人種まで滅多に見たことがなかった種族も普通に道を歩いている。一角では露天が立ち並び商売も活発で、その活気もやはり王都の方が断然高い。
冒険者ギルドから少し歩いた所。どちらかといえば人通りは少なく、さびれたようにも見える古い建物の目の前でライラは立ち止まる。
「ここが師匠の事務所がある建物っす」
2階建ての石造りの古臭い建物は、ライラから事前に聞いていたやり手の商人が事務所にする建物には正直見えなかった。
「それじゃ入るっす」
そういうとライラはノックもせずに建物の中に入っていく。
「師匠! 師匠!」
建物の中は散らかっており、椅子に腰掛けた男性が顔の上に本を載せて寝ているようであった。その机の上には当然のように酒瓶が何本か置かれている。
「う、ん…………うるせぇなあ、ったく誰だよ」
師匠と呼ばれている男は無精髭を生やし、年は30代後半くらいかと思われる。何日も着古しいるかのようなヨレヨレのシャツを来て、ズボンも作業員がはくようなズボンだ。その見た目は商人というより、10人に聞けば10人が冒険者と答えるような見た目だった。
「またこんな真っ昼間っからお酒を飲んで、昼寝して……ライラっすよ。あなたのかわいい愛弟子のライラが顔を見せに来たっすよ」
「ほんとにかわいい弟子は自分で自分をそういわねえもんだよ。…………でお連れさんたちは?」
男は俺たちを見渡す。
「えっと、左からレオンにニーナ、ソフィにキュイちゃんっす」
「俺はクライブだ、よろしくな。ってお前、パーティ組んだのか? ずっとソロでこだわってやってきてたくせに」
ライラは頭をポリポリとかいている。そうだったのか?
「最高の仲間が見つかった……そういうことっすよ。それで師匠相談があるんすけど」
「まあ座れ」
クライブはどこからか丸椅子を取り出してきてそれを俺たちにすすめた。
「うーん、そういえば来たような…………ちょっとお持ちくださいね」
そういうとギルドの受付の女性はカウンター奥の他のギルド職員のもとに確認にいく。ソフィはここに来る途中で買ってあげたお気に入りの魔術師のローブのフードをかぶり、首付近からはキュイがその顔を出していた。
その時、
「レオン……」
聞き覚えのある声が俺たちの背後から聞こえた。振り返ると、
腰に両手を当てて、笑顔を見せながらも実は怒っているという表情のライラと嬉しそうなニーナの姿がそこにはあった。
「よかった! やっとみんなに会えた!」
「全く、ほんの少し目を離しただけで迷子になるんすから! 子供っすかレオンは? いや、子供でも自分が泊まってた宿ぐらいにまでは戻れるっすよ!」
「いや、これには事情があってね……」
「きゅぃっ!」
キュイが発した鳴き声によってライラとニーナはキュイに釘付けになる。
「なんすか、この猛烈にかわいい生き物は……?」
「きゃあ、ニーナ知ってる。この子、耳うさぎでしょ!」
ライラとニーナの視線がキュイに釘付けになる。
「あっ、見つかりました! ありがとうございました」
俺は受付してくれていた女性にそう断ってカウンターを離れる。
「この二人がニーナとライラ。でこちらがソフィにキュイね」
「よろしくっす!」
「はじめまして!」
「よろしくなのです」
「きゅぅいーー!」
キュイのその挨拶を聞いたニーナとライラの顔がほころぶ。いいぞ、キュイ。つかみはOKだ。
「でソフィがひったくりにあった所を俺が助けてね。それで知り合ったんだけど、ソフィ記憶喪失みたいで。で攻撃系の魔術師でレベルも高いから、記憶が戻るまででもいいので俺たちの仲間になってもらいたいと思ってるんだけど、二人はどう?」
「いいっす!」
「よろしくね! ソフィにキュイちゃん!」
「よ、よろしくなのです!」
「きゅぅい!」
二人とも即答だった。よかった。
「そういえば二人は昨日は?」
「一緒のお部屋に泊まったのです。起きたらベットのすぐ近くにレオンがいたからびっくりしたのです!」
ちょっ、誤解を生むような言い方を!
「「どういうこと?」」
ニーナとライラによる俺への事情聴取がそこから始まった。
「事務所も確保しなきゃですけど、まず私の師匠にあってもらたいっす。レオン、絶対に私たちから離れたらダメっすよ!」
誤解の解けたライラに連れられて冒険者ギルドを出てで彼女の師匠の元へ向かう。ニーナはキュイを抱っこさせてもらってほくほく顔だ。
王都は俺が今まで冒険者をしてきた街とは規模も人の多さも全然違った。獣人から竜人種まで滅多に見たことがなかった種族も普通に道を歩いている。一角では露天が立ち並び商売も活発で、その活気もやはり王都の方が断然高い。
冒険者ギルドから少し歩いた所。どちらかといえば人通りは少なく、さびれたようにも見える古い建物の目の前でライラは立ち止まる。
「ここが師匠の事務所がある建物っす」
2階建ての石造りの古臭い建物は、ライラから事前に聞いていたやり手の商人が事務所にする建物には正直見えなかった。
「それじゃ入るっす」
そういうとライラはノックもせずに建物の中に入っていく。
「師匠! 師匠!」
建物の中は散らかっており、椅子に腰掛けた男性が顔の上に本を載せて寝ているようであった。その机の上には当然のように酒瓶が何本か置かれている。
「う、ん…………うるせぇなあ、ったく誰だよ」
師匠と呼ばれている男は無精髭を生やし、年は30代後半くらいかと思われる。何日も着古しいるかのようなヨレヨレのシャツを来て、ズボンも作業員がはくようなズボンだ。その見た目は商人というより、10人に聞けば10人が冒険者と答えるような見た目だった。
「またこんな真っ昼間っからお酒を飲んで、昼寝して……ライラっすよ。あなたのかわいい愛弟子のライラが顔を見せに来たっすよ」
「ほんとにかわいい弟子は自分で自分をそういわねえもんだよ。…………でお連れさんたちは?」
男は俺たちを見渡す。
「えっと、左からレオンにニーナ、ソフィにキュイちゃんっす」
「俺はクライブだ、よろしくな。ってお前、パーティ組んだのか? ずっとソロでこだわってやってきてたくせに」
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