魔王討伐の大聖女を監禁した理由が愛なんですが？ 冷酷宰相は贄の聖女を救いたい

閑話休題

人物紹介・用語説明

人物紹介

■ルチア
　世界に一人しかいない、戦う大聖女。

　生まれ故郷の村が不幸にも魔物に襲われ、幼少の頃に孤児となった。身寄りも何もかも失ったところを教会に拾われた。
　そこで、教皇様によって膨大な魔力を持つと見出され、聖女として迎えいられた過去を持つ。
　そのため教会、何より教皇様を信奉している。

　その力でこの世界を救うことが使命だと教えられ、目標としてきた。
　ようやく願いが叶うため、魔王討伐のため犠牲になることに忌避感はない。

　セオドアとは、教会と大国の利害関係がぶつかりたびに喧嘩をしている。
　冷酷、腹黒、陰険、性格悪い！　などと罵っているが、口で勝てたことはない。
　異性と意識したのは、監禁されてからである。

■セオドア
　大国フランクラウンの宰相。
　代々国の重鎮を担ってきた貴族の家系である。

　氷のような容貌の美丈夫であり、緑瞳で見つめられた者は震えあがるとの評判だ。

　見た目通りの現実主義者であり、百を救うためなら一を切り捨てて、心を痛めない冷酷さを持つ。

　綿密な計画の末、魔王討伐に向かうルチアを監禁した黒幕である。

　国のためにも魔王討伐は必要であるのに、ルチアを死なせたくないあまり、非論理的な行動をとっている。

　世界よりもルチア愛しているが、自身の命を軽んずる大聖女を憎んでもいる。

　口論でなく、拳を使った喧嘩になると、ルチアには勝てないと自覚しているため、拘束した。


用語説明

□教会
　大国フランクラウンが位置する大陸で、最も威光ある宗教権威。
　聖女を多く有し、魔王討伐に意欲的である。

□教皇
　神の代理であり、教会の最高指導者。
　当代の教皇は「大聖女ルチアの育ての父である」と公言するほど、彼女を可愛がっている。

□聖女
　教会に見出された、優れた魔力を持つ女性。
　多くは教会内で生活し、神と婚姻する。

□大聖女
　聖女のなかでも、並び立つものがいないほどの逸材を指す。
　大聖女ルチアが選出されたのは、数百年ぶりである。

□聖騎士団
　教会に仕える、高い魔力を持った騎士達。
　魔物を討伐したり、戦場に赴く聖女や聖職者を庇護するのが、主な役割である。

□勇者
　魔王が現れるとき、対抗するため現れる英雄。
　神に選ばれるとされるが、詳細は不明。
　当代では、まだ存在が確認されていない。