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閑話休題

    世界観設定『異教徒でもわかる教会の偉大さと聖女の尊さ』より抜粋

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世界観設定


『異教徒でもわかる教会の偉大さと聖女の尊さ』

■初めに

 数千年前、神がこの世界を作り上げました。
 海と大地を生み出したあと、神が生み出したのは我々人間です。


 人間は、神を敬い、崇めました。
 神の声を聞くことができたのは、人間だけだったからです。


 神の恩恵を受けて、人間は田を耕し、村を作りました。隣人と助け合い、愛し合う。素晴らしい集団です。
 村には子が生まれ、その子供が大人になると、また子をなしました。


 それを繰り返すうちに、村は町へと変わりました。人間は努力を重ね、前よりもたくさん食べ物をつくれるようになったのです。


 ですが、いい事ばかりではありませんでした。
 増えた人間達は、悲しくも、互いを憎しみ合うようになったのです。
 食べ物を求めた戦いが起き、人間から悪意が生まれました。


 そして、その悪意があの恐ろしき魔物を生み出してしまったのです。
 魔物は人間の嘆きや悲しみ、憎しみや妬みを餌にして、恐ろしい力を使うようになりました。
 そして、人間を襲い、神に敵対したのです。人間は怯え、苦しみ、酷い目にあいました。多くが絶望してしまったのです。


 ですが、そんなときも、神に祈った者がいます。
 それが、やがて初代教皇様です。
 教皇様は、食事も水もとらず、ずっと神に祈り続けました。三十日もの間です。


 神は、教皇様の敬虔な態度に心を打たれ、人々に魔力を与えました。
 魔物の恐ろしい力に対抗する、聖なる力です。


 魔力を手にした人間は、街を守ろうと立ち上がりました。
 神はその様子をご覧になって、魔物を倒した者達に褒美を与えることにしました。
 その街――今ではもう国とよばれるようになったその地域の王となることを許したのです。


 今の国王達は、教皇様の祈りによって与えられた魔力で魔物を倒した者の子孫なのです。神によってその地位を託されている存在です。


 そして、神の言葉を賜るのは、教皇様を初めとする教会の者だけになりました。
 どんな絶望のさなかでも、正しき心を持ち続けたからです。


 ゆえに、教会は神の意志のもと、全ての国をまとめあげることができるのです。


 その偉大な教皇様を支えるものとして、聖女様がいます。

 聖女とは人間のなかでも、神の恩恵を強く受けている女性のことです。高い魔力と気高い精神を持ち合わせ、神と婚姻した清い存在なのです。

 聖女は神の声に従い、今まで多くの戦いや自然災害から民を守ってきました。

 そのなかでも、世界に絶望的な危機が訪れたときに誕生する大聖女は、ひときわ尊い存在です。
 大聖女はその身に受けた寵愛、莫大な魔力によって、世界を救うのです。
 数百年に一度誕生する大聖女は、神がこの世にもたらした『生ける祝福』。

 尊き聖女らの笑みがたえず続くことが、この世界の平和に繋がるのです。



 …………以降、教会の偉業を書き連ねたページが続く。
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