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「この街が寂れているのは祟りによるものだろう」
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
まあちょっと考えてみれば分かることだな。
「つまり信仰心が足りない。俺という神がいるのに崇める住民がいない。祟りに負けるのは信仰心がないからだ」
俺の加護があれば祟りなんかに負けるはずがないのにな。
それすら理解していないから俺を崇めないんだ。
まあそんな頭の悪い人でも信者になるなら加護を与えないといけない。
「そこでダンジョンをつくる。中には魔物を徘徊させる。人は生と死の間で信仰心が芽生える」
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
ダンジョンは街の中心地でいいな。
ちょうど建物が燃えた跡地があるからそこを有効活用しよう。
「ダンジョン生成、魔物自動発生」
モチベーションを上げるためにも金貨がランダムで手に入るようにしておいた。
しかもレアドロップで鉄のクワが手に入る。
「もちろんこれだけで済ませるはずがない。俺に祈れば30秒無敵になれるようにした」
その間に致命傷を受けると無敵が切れたら死ぬけどな。
30秒あれば俺への祈りを捧げる余裕はあるだろう。
祈れば怪我を治るようにした。
上手く利用すれば無敵状態が持続できる。
俺認定公式チートだ。
ダンジョン内でしか通用しないから問題ないだろう。
「ダンジョンでシチューが手に入ればもっと人が集まるんじゃないの?」
「いいアイデアだ。でかしたぞ、リン」
「えへへ、ユータのためだから。だからそろそろ抱いて?」
「俺は裏切り者は許さないからな。後でお仕置きしてやろう」
「楽しみに待ってるわ」
何か勘違いしていそうだな。
ミツナを抱くのを見せつけてリンには何もしないお仕置きだからな?
リンのことだから勝手に気持ち良くなりそうだな。
「ユータ様の神像が手に入るのもいいかと思います。多く集めれば信仰心を証明できますから」
「ナイスアイデアだ。さすがミツナだな。今夜は期待していいぞ」
「ありがとうございます。ユータ様のお役に立てて嬉しいです」
さすがミツナだ。
俺への信仰心のない男が触ったらEDになるようにしておこう。
女の場合は俺のハーレム要員になる可能性があるから発育がよくなるよう加護を与えよう。
「おっぱいの大きさを好きに変えられるようにするのはどうでしょうか?」
ロレイエはエルフの価値観がまだ邪魔をしているようだな。
好きに変えられるのは却下だ。
それに間違って男が利用したらどうするのか。
「せっかくだがその案は採用できない。だけど大きさを変えられるというのは素晴らしいな」
よし、シチューに入っているジャガイモの大きさを変えられるようにしよう。
大きくすると人参が小さくなるようにする。
その逆もありだ。
等価交換だな。
好みでカスタマイズできるなんて素晴らしいじゃないか。
「ダンジョンがあれば武器や防具も売れる。これで経済が活性化するぞ」
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
まあ俺はこうやって人助けをするためにこの世界を旅しているのだから当然だけどな。
よし、即死トラップも生成するようにして完成だ。
これでこの街も盛り上がるだろう。
「シチューを求める愚民ども!シチューはダンジョンにあるぞ!ユータ様を崇めることも忘れるな!」
これは説明だから信仰を強制しているのではない。
「シチュー…シチュー!」
「ダンジョンへ急げ!」
「うおおおおお!」
「シチューのためなら死ねる!」
効果は絶大だ。
こいつら大丈夫だろうか。
まあ俺は関係ないし責任はとれないからこれ以上何も言わないでおこう。
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