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第2話 異世界を作ろう
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「どうじゃ、これで信じる気になれたかの?」
「は、はあ、まあ、確かに……。こんなのを目の前で見せられたら……」
自慢げな笑顔を浮かべる神様に対し、オレは素直に頷くしかなかった。
今、オレの目の前には先ほどの一円玉で生み出された小さな村が広がっていた。
「ちなみに、創造出来るものはその通貨の高さに比例する。たとえば街などを作る際は当然一円よりも高い通貨を使用しなければならない。儂ら神々も世界を作る際はそれ相応の精神力を消費するため、お主の場合はその代わりとして手持ちの『日本円』で創造エナジーを消費する感じじゃな」
なるほど……。
つまり、もっと高い金額を消費すれば、この村よりも大きな街、あるいは国そのものを作れるということか。
「で、でもいいんですか? こんなすごい能力をオレなんかに与えて……?」
「構わぬ構わぬ。それに先ほど言った通り、この世界も七割しか出来ていない未完成な世界じゃ。正直、このような制作途中の異世界にお主を放り投げる方が申し訳ないのじゃが……その世界に転生者が来た以上、我々神が直接関与することは出来ぬ。なので、もしよければお主で残るこの世界の制作をしてもらえぬか?」
「へ?」
思わぬ相談に間抜けな声を出すオレ。
「いや、無理にとは言わぬのじゃが……。そのー、儂もこのような中途半端な世界では恥ずかしくてのぉ……。見ての通り、この大陸はこのような何もない平野が多くて、国も今のところ二つしかない。正直、これでは神として恥ずかしくてのぉ……。転生者であるお主にこのような頼みをするのも情けない話じゃが、もしよければお主の好きなようにこの世界の未完成部分を作って欲しいのじゃ」
「はあ、なるほど……」
神様からの頼みにしばし悩むオレ。
とは言え、他にやることもないし、せっかくこんな力をもらったのなら色々作ってみたい感はある。
正直、目的もなくただダラダラとチートな能力で用意された世界を無双するよりも、やりがいはありそうだ。
それに昔から、このように誰かに何かを頼まれるとオレは断れない性格だった。
そのせいで色々と貧乏くじを引いたり、死ぬ原因にも繋がったのだが……。
「分かりました。とりあえず、オレが作れる範囲でこの世界を色々作ってみますので」
「おお、そうか! それは助かる! いやー、来年、我々神同士の『世界創造展』で、それぞれが作った世界の展覧会をする予定だったのじゃが、未完成の世界を他の神々に見られるのは恥ずかしかったので助かったぞぉ。すまんのぉ」
そう言って顔を赤くして笑う神様。
世界創造展って……なんだろうか。神様からすると世界って美術品とか芸術品の一種なんだろうか。
でも、そう考えると未完成の作品をそのまま放置するのは、確かにスッキリしないな。
まあ、オレに出来る範囲で色々してみよう。
「うむ。では、説明も終えたので儂はそろそろ失礼しよう。『神の通貨』の使い方に関しては……まあ、先ほど見たとおりじゃ。お主が望む色々な物を作れる。いくらの金額でどのようなものが作れるかは実際に作っていく内に理解していくじゃろう。詳しくは通貨の説明欄を読むといい。ではな」
そう告げると神様の姿が消えていく。
というか、最後にさらっと重要な事、言っていたな。
説明とな?
オレは財布を開き、そこから一円玉を取り出す。すると一円玉のすぐ隣に妙な文字が浮かんだ。
【神の通貨:説明】
あ、ひょっとしてこれ?
そう思ったオレはその説明の文字を指で触る。
【神の通貨】
この世界を創り出し、あらゆるルールを生み出す神の通貨。使用することで消費した金額に応じたものを自在に生み出す。
1円玉なら村一つ。10円玉なら街一つ。100円玉なら国一つを作り出す。
「へ?」
なにやらとんでもないことが書かれていて思わず唖然となる。
他にも細かい説明や、生み出せる例えがあったけれど、国を作れるの例えが衝撃的すぎた。
1円で村一つ。10円なら街。100円なら国一つ!?
す、スケールが違いすぎる……。
う、嘘でしょう、こんなの?
だとするなら、この13746円で出来ないことなんてないんじゃ……?
いやいや、落ち着け。
まずは何ができるのか細かく検証していく必要がある。
いくらなんでも作れるとは言え、使うたびにお金は消費される。つまりは有限なんだ。
その効果をちゃんと把握する必要がある。
とは言え、オレ自身どこかワクワクしている部分もあった。
あの神様から世界を創造することを頼まれたのもそうだが、いざこうして万能に近い能力を手にするとやはり押し寄せてくる興奮には逆らえない。
まずはこれでどんなことができるのか。
それを確認してから、この世界を堪能するのも悪くはない。
そう思い、オレは手の中にある小銭を強く握り締めた。
残り通貨:13746円
【創造物】
村×1
「は、はあ、まあ、確かに……。こんなのを目の前で見せられたら……」
自慢げな笑顔を浮かべる神様に対し、オレは素直に頷くしかなかった。
今、オレの目の前には先ほどの一円玉で生み出された小さな村が広がっていた。
「ちなみに、創造出来るものはその通貨の高さに比例する。たとえば街などを作る際は当然一円よりも高い通貨を使用しなければならない。儂ら神々も世界を作る際はそれ相応の精神力を消費するため、お主の場合はその代わりとして手持ちの『日本円』で創造エナジーを消費する感じじゃな」
なるほど……。
つまり、もっと高い金額を消費すれば、この村よりも大きな街、あるいは国そのものを作れるということか。
「で、でもいいんですか? こんなすごい能力をオレなんかに与えて……?」
「構わぬ構わぬ。それに先ほど言った通り、この世界も七割しか出来ていない未完成な世界じゃ。正直、このような制作途中の異世界にお主を放り投げる方が申し訳ないのじゃが……その世界に転生者が来た以上、我々神が直接関与することは出来ぬ。なので、もしよければお主で残るこの世界の制作をしてもらえぬか?」
「へ?」
思わぬ相談に間抜けな声を出すオレ。
「いや、無理にとは言わぬのじゃが……。そのー、儂もこのような中途半端な世界では恥ずかしくてのぉ……。見ての通り、この大陸はこのような何もない平野が多くて、国も今のところ二つしかない。正直、これでは神として恥ずかしくてのぉ……。転生者であるお主にこのような頼みをするのも情けない話じゃが、もしよければお主の好きなようにこの世界の未完成部分を作って欲しいのじゃ」
「はあ、なるほど……」
神様からの頼みにしばし悩むオレ。
とは言え、他にやることもないし、せっかくこんな力をもらったのなら色々作ってみたい感はある。
正直、目的もなくただダラダラとチートな能力で用意された世界を無双するよりも、やりがいはありそうだ。
それに昔から、このように誰かに何かを頼まれるとオレは断れない性格だった。
そのせいで色々と貧乏くじを引いたり、死ぬ原因にも繋がったのだが……。
「分かりました。とりあえず、オレが作れる範囲でこの世界を色々作ってみますので」
「おお、そうか! それは助かる! いやー、来年、我々神同士の『世界創造展』で、それぞれが作った世界の展覧会をする予定だったのじゃが、未完成の世界を他の神々に見られるのは恥ずかしかったので助かったぞぉ。すまんのぉ」
そう言って顔を赤くして笑う神様。
世界創造展って……なんだろうか。神様からすると世界って美術品とか芸術品の一種なんだろうか。
でも、そう考えると未完成の作品をそのまま放置するのは、確かにスッキリしないな。
まあ、オレに出来る範囲で色々してみよう。
「うむ。では、説明も終えたので儂はそろそろ失礼しよう。『神の通貨』の使い方に関しては……まあ、先ほど見たとおりじゃ。お主が望む色々な物を作れる。いくらの金額でどのようなものが作れるかは実際に作っていく内に理解していくじゃろう。詳しくは通貨の説明欄を読むといい。ではな」
そう告げると神様の姿が消えていく。
というか、最後にさらっと重要な事、言っていたな。
説明とな?
オレは財布を開き、そこから一円玉を取り出す。すると一円玉のすぐ隣に妙な文字が浮かんだ。
【神の通貨:説明】
あ、ひょっとしてこれ?
そう思ったオレはその説明の文字を指で触る。
【神の通貨】
この世界を創り出し、あらゆるルールを生み出す神の通貨。使用することで消費した金額に応じたものを自在に生み出す。
1円玉なら村一つ。10円玉なら街一つ。100円玉なら国一つを作り出す。
「へ?」
なにやらとんでもないことが書かれていて思わず唖然となる。
他にも細かい説明や、生み出せる例えがあったけれど、国を作れるの例えが衝撃的すぎた。
1円で村一つ。10円なら街。100円なら国一つ!?
す、スケールが違いすぎる……。
う、嘘でしょう、こんなの?
だとするなら、この13746円で出来ないことなんてないんじゃ……?
いやいや、落ち着け。
まずは何ができるのか細かく検証していく必要がある。
いくらなんでも作れるとは言え、使うたびにお金は消費される。つまりは有限なんだ。
その効果をちゃんと把握する必要がある。
とは言え、オレ自身どこかワクワクしている部分もあった。
あの神様から世界を創造することを頼まれたのもそうだが、いざこうして万能に近い能力を手にするとやはり押し寄せてくる興奮には逆らえない。
まずはこれでどんなことができるのか。
それを確認してから、この世界を堪能するのも悪くはない。
そう思い、オレは手の中にある小銭を強く握り締めた。
残り通貨:13746円
【創造物】
村×1
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