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第12話 メイドと執事を作ろう
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「さてと」
食事を済ませ、館から外に出たオレはあたりを見回す。
面のために他に魔物がいないか確認したが、どうやらあのゴブリン達以外いないようだ。
幸いというべきか周りは川や森、村のあるところ以外は平野なので何かが近づけばすぐに分かる。
恐らくあのゴブリン達は夜の内にここへ近づいたのだろう。
まあ、何もない平野にこんな豪勢な館があれば目印になるだろうしな……。
今後、こういうことが起きないよう何か対策を打たないとな。
そう悩んでいるとオレの顔を覗くようにケルちゃんが声をかける。
「ご主人様。どうされましたか?」
「ん、ああ、いや。あのゴブリン達のようにまた魔物による襲撃があるかもしれないから、何か対策しておかないとなーって」
「なるほど。確かにそれは必要ですね。なんでしたらケルが二十四時間ご主人様の周囲を観察いたしましょうか?」
「いやー、さすがにケルちゃんにだけ任せるのはなー」
「そうですか……。でしたら、人員を増やすとかはどうでしょうか?」
「人員とな?」
「はい。ご主人様は先ほどケルをお作り頂いたのですよね?」
「ああ、まあ、そうなるな……」
「その要領でご主人様の館の周囲を警備する護衛などを創造してはどうでしょうか? 複数人いれば、この部屋でもどこから何が来ても監視できますし、人員が多ければ交代もやりやすいですし」
確かに名案だ。というか、それしかない感じだ。
オレは早速、財布を取り出し中身を確認する。
現在の金額は『12620円』。
ふむ、ここから護衛を作るとなると……10円くらいでいいか?
周囲に見張り台みたいなものも建てた方がいいだろうし、その護衛を休ませる場所も必要だ。いや、それはオレのいる館に一緒に住んでもらえば問題ないか。
そうなるとどうせなら今後の周囲の警備を含めた作戦や指示などをする頭脳的な人物も欲しい。
それなら10円だと、ちょっと心もとないか。
すでに1000円を使ってケルちゃんを作ったあとだ。ここで出し惜しみしても仕方がない。
オレは護衛と周囲の見張り台の創作のため『100円玉』を握り締め、それを目の前に放り投げる。
すると次の瞬間、オレのいる館、村を取り囲むように巨大な塔のようなものが合計六つ地面から生える。
で、でけえええええええ!!
つーか、高さ半端ない!? 東京タワーか!? そのくらいの巨大な高さの塔が出来上がる。
しかし、驚くオレをよそに今度は十人ほどの人影が現れると、それらがオレの前に即座に頭を垂れる。
見るとそれは九人のメイドと、一人の執事であった。
九人のメイドはそれぞれ細かい衣装の違いや、髪や体格の違いはあったが、どれも美人、美少女で一人一人がケルちゃんと同じくらいに輝いていた。
そして残った執事は男性であり、二十代後半の白髪のオールバックの眼鏡をかけた人物。いかにも執事という言葉が似合いそうであった。
「お初にお目にかかります。主様。我ら、あなた様により作られたこの地の護衛兼お世話係となる者達です。どうぞ、主様の良きようにお使い下さいませ」
『お使い下さいませ』
執事がそう宣言すると背後にいた九人のメイド達も同じく合唱する。
「あ、ああ、ありがとう。とりあえず、ずっと頭下げっぱなしもなんだから、顔を上げていいから」
「はっ、それで失礼ながら、主様の顔を拝見させて頂く栄誉を頂きます」
執事がそう宣言すると、次々メイド達も顔をあげる。
皆、やはり整った顔をしており、その視線は羨望に満ち溢れており、正直むず痒くなる。
「ええと、とりあえず今後周囲の見張りのために何人か出来た塔に配置をお願いしたいんだけど、いいかな?」
「でしたら、我々六人が周囲の塔の配置につきましょう」
そう宣言したのは六人のメイド。
よく見ると、それぞれ腰や背中に剣や弓、斧や槍などを装備しており、明らかにただのメイドでないのが分かった。
オレが頷くと同時に六人が跳躍すると出来上がった塔の壁を走って上がっていく。
マジ? 明らかに人間業じゃねぇ……。
関心すると同時に驚くオレをよそに六人が塔の頂上へと消えて行き、それを確認した執事が呟く。
「もうこれで大丈夫でしょう。彼女達の視力は遥か数キロ先の小石の数さえ確認できます。これでどの方向から主様に危害を成すものが近づこうとも即座に迎撃致しましょう」
さらりと、とんでもないことを説明する執事。
ま、マジか。まあ、でも百円で生み出したことを考えれば、一人一人がそれくらいの力を持っていても当然か。
オレは困惑しながらも、なんとか頷く。
「では、残った我々は主様の周辺のお世話を警護に回せて頂きます」
執事がそう言うと残った三人のメイドがオレの周りをガードし始める。
というか、その三人というのがどれもスタイルがよく美人で可愛らしい子ばかりで、そんな美少女に周りを取り囲まれ思わず顔を赤くし、緊張してしまうオレ。
それを見たケルちゃんが「むっ」とした表情をする。
「ちょっとー! ご主人様の警備はケルだけで十分よー! アンタ達は館の中の警備や掃除、ご主人様のためのご飯の支度でもしてなさいー!」
「は、はぁ……」
「えっ、で、でもご主人様を守るのは僕達の仕事でもありますし……」
「というか、そちらの黒髪のあなたは誰っすかー?」
「私はケルベロスのケルちゃん! 言っときますけどアンタ達より先にご主人様に作られた第一の下僕でーす! だから先輩のケルの言うことを聞けー!」
反論するメイド達に尻尾を逆立てて反論するケルちゃん。
それを見た執事が何やら頷くと、メイド達に指示を出す。
「とのことです。先達には敬意を払いなさい。あなた方は彼女の言う通り、館の警備と支度に回りなさい」
「了解いたしました」
「ご主人様と仲良くなれるチャンスだったのに……」
「なーに、まだ夜這いって手があるっすよー。いやー、楽しみっすねー」
「そんなチャンスなんかないわよー!!」
何やらガヤガヤと館へ向かうメイド達の背中に対し、そう叫ぶケルちゃんであった。
残り通貨:12520円
【創造物】
豪邸×1
村×1
野菜畑×1
りんごの樹×1
魚達がいる川×1
動物達の森×1
聖剣×1
ケルベロス×1
執事×1
メイド×9
塔×6
食事を済ませ、館から外に出たオレはあたりを見回す。
面のために他に魔物がいないか確認したが、どうやらあのゴブリン達以外いないようだ。
幸いというべきか周りは川や森、村のあるところ以外は平野なので何かが近づけばすぐに分かる。
恐らくあのゴブリン達は夜の内にここへ近づいたのだろう。
まあ、何もない平野にこんな豪勢な館があれば目印になるだろうしな……。
今後、こういうことが起きないよう何か対策を打たないとな。
そう悩んでいるとオレの顔を覗くようにケルちゃんが声をかける。
「ご主人様。どうされましたか?」
「ん、ああ、いや。あのゴブリン達のようにまた魔物による襲撃があるかもしれないから、何か対策しておかないとなーって」
「なるほど。確かにそれは必要ですね。なんでしたらケルが二十四時間ご主人様の周囲を観察いたしましょうか?」
「いやー、さすがにケルちゃんにだけ任せるのはなー」
「そうですか……。でしたら、人員を増やすとかはどうでしょうか?」
「人員とな?」
「はい。ご主人様は先ほどケルをお作り頂いたのですよね?」
「ああ、まあ、そうなるな……」
「その要領でご主人様の館の周囲を警備する護衛などを創造してはどうでしょうか? 複数人いれば、この部屋でもどこから何が来ても監視できますし、人員が多ければ交代もやりやすいですし」
確かに名案だ。というか、それしかない感じだ。
オレは早速、財布を取り出し中身を確認する。
現在の金額は『12620円』。
ふむ、ここから護衛を作るとなると……10円くらいでいいか?
周囲に見張り台みたいなものも建てた方がいいだろうし、その護衛を休ませる場所も必要だ。いや、それはオレのいる館に一緒に住んでもらえば問題ないか。
そうなるとどうせなら今後の周囲の警備を含めた作戦や指示などをする頭脳的な人物も欲しい。
それなら10円だと、ちょっと心もとないか。
すでに1000円を使ってケルちゃんを作ったあとだ。ここで出し惜しみしても仕方がない。
オレは護衛と周囲の見張り台の創作のため『100円玉』を握り締め、それを目の前に放り投げる。
すると次の瞬間、オレのいる館、村を取り囲むように巨大な塔のようなものが合計六つ地面から生える。
で、でけえええええええ!!
つーか、高さ半端ない!? 東京タワーか!? そのくらいの巨大な高さの塔が出来上がる。
しかし、驚くオレをよそに今度は十人ほどの人影が現れると、それらがオレの前に即座に頭を垂れる。
見るとそれは九人のメイドと、一人の執事であった。
九人のメイドはそれぞれ細かい衣装の違いや、髪や体格の違いはあったが、どれも美人、美少女で一人一人がケルちゃんと同じくらいに輝いていた。
そして残った執事は男性であり、二十代後半の白髪のオールバックの眼鏡をかけた人物。いかにも執事という言葉が似合いそうであった。
「お初にお目にかかります。主様。我ら、あなた様により作られたこの地の護衛兼お世話係となる者達です。どうぞ、主様の良きようにお使い下さいませ」
『お使い下さいませ』
執事がそう宣言すると背後にいた九人のメイド達も同じく合唱する。
「あ、ああ、ありがとう。とりあえず、ずっと頭下げっぱなしもなんだから、顔を上げていいから」
「はっ、それで失礼ながら、主様の顔を拝見させて頂く栄誉を頂きます」
執事がそう宣言すると、次々メイド達も顔をあげる。
皆、やはり整った顔をしており、その視線は羨望に満ち溢れており、正直むず痒くなる。
「ええと、とりあえず今後周囲の見張りのために何人か出来た塔に配置をお願いしたいんだけど、いいかな?」
「でしたら、我々六人が周囲の塔の配置につきましょう」
そう宣言したのは六人のメイド。
よく見ると、それぞれ腰や背中に剣や弓、斧や槍などを装備しており、明らかにただのメイドでないのが分かった。
オレが頷くと同時に六人が跳躍すると出来上がった塔の壁を走って上がっていく。
マジ? 明らかに人間業じゃねぇ……。
関心すると同時に驚くオレをよそに六人が塔の頂上へと消えて行き、それを確認した執事が呟く。
「もうこれで大丈夫でしょう。彼女達の視力は遥か数キロ先の小石の数さえ確認できます。これでどの方向から主様に危害を成すものが近づこうとも即座に迎撃致しましょう」
さらりと、とんでもないことを説明する執事。
ま、マジか。まあ、でも百円で生み出したことを考えれば、一人一人がそれくらいの力を持っていても当然か。
オレは困惑しながらも、なんとか頷く。
「では、残った我々は主様の周辺のお世話を警護に回せて頂きます」
執事がそう言うと残った三人のメイドがオレの周りをガードし始める。
というか、その三人というのがどれもスタイルがよく美人で可愛らしい子ばかりで、そんな美少女に周りを取り囲まれ思わず顔を赤くし、緊張してしまうオレ。
それを見たケルちゃんが「むっ」とした表情をする。
「ちょっとー! ご主人様の警備はケルだけで十分よー! アンタ達は館の中の警備や掃除、ご主人様のためのご飯の支度でもしてなさいー!」
「は、はぁ……」
「えっ、で、でもご主人様を守るのは僕達の仕事でもありますし……」
「というか、そちらの黒髪のあなたは誰っすかー?」
「私はケルベロスのケルちゃん! 言っときますけどアンタ達より先にご主人様に作られた第一の下僕でーす! だから先輩のケルの言うことを聞けー!」
反論するメイド達に尻尾を逆立てて反論するケルちゃん。
それを見た執事が何やら頷くと、メイド達に指示を出す。
「とのことです。先達には敬意を払いなさい。あなた方は彼女の言う通り、館の警備と支度に回りなさい」
「了解いたしました」
「ご主人様と仲良くなれるチャンスだったのに……」
「なーに、まだ夜這いって手があるっすよー。いやー、楽しみっすねー」
「そんなチャンスなんかないわよー!!」
何やらガヤガヤと館へ向かうメイド達の背中に対し、そう叫ぶケルちゃんであった。
残り通貨:12520円
【創造物】
豪邸×1
村×1
野菜畑×1
りんごの樹×1
魚達がいる川×1
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聖剣×1
ケルベロス×1
執事×1
メイド×9
塔×6
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