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無力【新島雅也】
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「――――が事故で亡くなったそうよ」
母親から告げられたその事実を、受け止めることができなかった。
それから俺の生活は一変してしまった。
その日、大事な友人を1人亡くし、そしてもう1人の大事な友人は次の日から部活に来なくなった。
もう一度、あいつがサッカーをしたくなった時にいつでも戻ってこられるよう、俺は部活を続け、毎朝家にも寄った。
「ごめんなさいね、今日も……」
「はい、大丈夫です。毎日朝からご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「いえ、私はいいのよ、ただ――」
と、もうかれこれ1年ほどこのテンプレと化してしまった会話を続けている。
あの日、何とか友人を助ける方法はなかったのか。
そんなことを考えても、俺は医者じゃないし、ましてやその場にもいなかった。
何もできまい。
せめて目の前で苦しんでいる友人だけでもと毎日こうしているが、それでもうまくいかない。
あいつの苦しみは俺には到底理解ができないほどのものだろう。
なんて無力なんだ。
大事な友人を1人も助けることができないなんて。
朝もぎりぎりの時間にきて、放課後もすぐに帰ってしまうその友人は、いつ壊れてしまってもおかしくないほどに弱々しい。
そいつの優しさを、俺は知っている。
だから、毎日自分のことを責めているであろうことも予想がつく。
そんな時、俺はなんと声を掛けたらいいのだろう。
「雅也はほんとに頭いいよな」
頭がよくたって意味がない。
「次の部長は絶対雅也がいいと思う」
仲間を失って、それでもリーダーになんてなれない。
次の日、俺はいつもどおりの時間に家の前に行った。
「ごめんなさいね、少し待っててもらえる?」
いつもと違う返事。
「待つ、とは……?」
そう聞き返してすぐに「待たせた」と声が聞こえた。
そこには懐かしいリュックを背負った友人がいた。
ああ、俺は、全くの無力ではなかったのかもしれない。
母親から告げられたその事実を、受け止めることができなかった。
それから俺の生活は一変してしまった。
その日、大事な友人を1人亡くし、そしてもう1人の大事な友人は次の日から部活に来なくなった。
もう一度、あいつがサッカーをしたくなった時にいつでも戻ってこられるよう、俺は部活を続け、毎朝家にも寄った。
「ごめんなさいね、今日も……」
「はい、大丈夫です。毎日朝からご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「いえ、私はいいのよ、ただ――」
と、もうかれこれ1年ほどこのテンプレと化してしまった会話を続けている。
あの日、何とか友人を助ける方法はなかったのか。
そんなことを考えても、俺は医者じゃないし、ましてやその場にもいなかった。
何もできまい。
せめて目の前で苦しんでいる友人だけでもと毎日こうしているが、それでもうまくいかない。
あいつの苦しみは俺には到底理解ができないほどのものだろう。
なんて無力なんだ。
大事な友人を1人も助けることができないなんて。
朝もぎりぎりの時間にきて、放課後もすぐに帰ってしまうその友人は、いつ壊れてしまってもおかしくないほどに弱々しい。
そいつの優しさを、俺は知っている。
だから、毎日自分のことを責めているであろうことも予想がつく。
そんな時、俺はなんと声を掛けたらいいのだろう。
「雅也はほんとに頭いいよな」
頭がよくたって意味がない。
「次の部長は絶対雅也がいいと思う」
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次の日、俺はいつもどおりの時間に家の前に行った。
「ごめんなさいね、少し待っててもらえる?」
いつもと違う返事。
「待つ、とは……?」
そう聞き返してすぐに「待たせた」と声が聞こえた。
そこには懐かしいリュックを背負った友人がいた。
ああ、俺は、全くの無力ではなかったのかもしれない。
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