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罰【早見裕貴】
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「裕貴、起きて」
朝、学校に行くには随分と早い時間に母さんが起こしにやってくる。
理由はわかっている。
だから俺は布団を深くかぶって何も言わない。
母さんももうそれに慣れたようで、俺から返事がないとすぐに諦めるようになった。
「ああああ!」
今日は一段とイライラする。
もちろん、自分自身に。
棚の上でほこりをかぶった、大きくて派手な色をしたアレが嫌というほど目に入る。
俺はもうアレに触ることは許されない。
俺があいつから奪ってしまったものはあまりにも大きすぎる。
再び眠りにつこうとしたときに目覚ましが鳴った。
だいぶ長い時間、考えこんでしまった。
今日もまた、必要最低限のものを詰め込んだだけのリュックを背負って学校に行く。
放課後になれば何もせずに家に帰る。
「もう、1年か……」
この1年は何もなかった。
いや、何もあっちゃいけない。
俺だけが幸せになるなんて許されない。
これは俺に課せられた罰。
あいつの命を奪ってしまった俺への。
寝る直前にも相変わらずの存在感を放つアレが目に入る。
もういっそ捨ててしまおうか。
また自分自身にそんなイライラをぶつけながら眠りについた。
その日、俺は夢を見た。
あいつが俺に話しかけてくる。
「裕貴は大学行ってもサッカー続けるのか?」
「当たり前だろ」
「じゃあその時はまた一緒にサッカーしよう」
打ち上がったあいつのボールはあの日、グラウンドの砂ではないもので汚れ、傷ついてしまった。
それ以来、俺はサッカーをやめた。
俺だけがサッカーをやっていいわけがない。
そう思って。
俺は夢から覚め、時計を見た瞬間、なにかに背中を押されたように動き出した。
「裕貴、起きて」
いつもの時間に母さんが来る。
「起きてる、待って」
扉の前で母さんが驚いているであろうことが容易に想像できた。
いつも通り制服を着て、いつもより大きなリュックを持つ。
棚の上のサッカーボールはさっき綺麗に磨いた。
俺はそれをリュックにしまって部屋を出た。
朝、学校に行くには随分と早い時間に母さんが起こしにやってくる。
理由はわかっている。
だから俺は布団を深くかぶって何も言わない。
母さんももうそれに慣れたようで、俺から返事がないとすぐに諦めるようになった。
「ああああ!」
今日は一段とイライラする。
もちろん、自分自身に。
棚の上でほこりをかぶった、大きくて派手な色をしたアレが嫌というほど目に入る。
俺はもうアレに触ることは許されない。
俺があいつから奪ってしまったものはあまりにも大きすぎる。
再び眠りにつこうとしたときに目覚ましが鳴った。
だいぶ長い時間、考えこんでしまった。
今日もまた、必要最低限のものを詰め込んだだけのリュックを背負って学校に行く。
放課後になれば何もせずに家に帰る。
「もう、1年か……」
この1年は何もなかった。
いや、何もあっちゃいけない。
俺だけが幸せになるなんて許されない。
これは俺に課せられた罰。
あいつの命を奪ってしまった俺への。
寝る直前にも相変わらずの存在感を放つアレが目に入る。
もういっそ捨ててしまおうか。
また自分自身にそんなイライラをぶつけながら眠りについた。
その日、俺は夢を見た。
あいつが俺に話しかけてくる。
「裕貴は大学行ってもサッカー続けるのか?」
「当たり前だろ」
「じゃあその時はまた一緒にサッカーしよう」
打ち上がったあいつのボールはあの日、グラウンドの砂ではないもので汚れ、傷ついてしまった。
それ以来、俺はサッカーをやめた。
俺だけがサッカーをやっていいわけがない。
そう思って。
俺は夢から覚め、時計を見た瞬間、なにかに背中を押されたように動き出した。
「裕貴、起きて」
いつもの時間に母さんが来る。
「起きてる、待って」
扉の前で母さんが驚いているであろうことが容易に想像できた。
いつも通り制服を着て、いつもより大きなリュックを持つ。
棚の上のサッカーボールはさっき綺麗に磨いた。
俺はそれをリュックにしまって部屋を出た。
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