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三 妹姫の恋路
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数日後、我が家を訪ねてきた道親は、開口一番、あたしにむかってこう言った。
「季子、賀茂祭を見にきていたね」
「あら、そちらからもあたしたちの車がわかったの?」
「わかるも何も。同僚たちにもあなたの顔が見えてしまうんじゃないかと、ひやひやしたよ」
ああ、あの一部始終を見られていたわけね。恥じ入っていると、道親はそういえば、と軽い口調で言い添えた。
「帰り道で大変な目にあったそうじゃないか」
「それほどでもなかったわよ。ただ、ほかの車と行きあって、従者同士が一触即発のふんいきにはなったけど」
「じゅうぶん、大ごとだよ」
苦笑いした道親に、小讃岐がここぞとばかりに愚痴を述べる。
「姫さまはこうして笑い話になさいますけれど、わたくしはどうなることかとハラハラいたしましたわ。相手方は車のようすも常識のなさそうな風でございましたし、どなたか存じませんけど、間に入ってくださったかたがいなければ、危のうございました」
うなずいて、道親はあたしに目を向けた。
「それがね、争いをいさめたのがどうやら、式部大輔さまらしいんだ」
「式部大輔って、式部省のナンバー2でしょう? でも、見かけたのは徒歩の男よ? 従者のひとりもつれていないようなひとだったわ。身なりはずいぶんよかったけど」
「祭りのあと、内大臣家でしきたりに則って還饗の宴を開いたんだけど、その席で、式部大輔さまが顕長どのに声をかけてきたそうなんだよ」
あたしの頭のなかに疑問符がたくさん浮かぶ。式部省というと、文官の人事に関することを司るお役所だ。長官である式部卿は親王から任命されるが、実質はお飾り。本質的には、ナンバー2たる式部大輔がトップと言える。日野氏や大江氏のような儒学をおさめた学者さまが就く官職だ。そんなお偉いかたが、なんでまた、うちのボンクラな兄上に声をかけるのだろうか。
あたしの口に出さない疑問に答えるように、道親は声をひそめる。
「大輔さまは季子の車と行きあったとおっしゃったあと、『権大納言家には、内大臣家と縁付いた妹君しか姫がおいでにならないと思っていたのですが、他にも姫君がおいでになるのですか』と、ご質問になったそうだ」
「……それって!」
「そうなんだよ」
したり顔で道親はうんうんと首を上下させる。
相手がそんなド直球の探りを入れてきたにも拘わらず、兄上からの連絡はいまにいたるまで一切ない。あったら、母上が大騒ぎしているはずだもの。なんとも情けない兄である。そんなんだから、年下の道親に水をあけられてしまうのよ!
「志子姫どののことだと思うんだ。季子が牛車の簾をからげたときにでも、垣間見られたのではないかと推察する」
めざとくも、未婚者の証である濃色の袴まで確認されたのでしょうよ。
「見初めたってこと?」
「いや、あの方には宮家との縁談の噂を聞いたことがあるから、なんとも言えないなあ」
「あら、不誠実なオトコなんて星の数ほどいるわ。うちの父上だって、そのひとりじゃないの」
「二十五歳の男盛りを独り身で過ごされているが、学問を究めたかただからか、浮いたお話は聞いたことがないよ。堅物とのうわさも聞くね。僕は直接お話をしたことはないが、きわめてまじめで誠実なお人柄のようだし、季子の心配するような意図は無いと思う。単なる話のタネではないかな」
「そうかしら。宮家より権大納言家を取ろうとしてるんじゃなくて? 他の有力な家の姫君なんて、みんな生まれたときから相手が決まっているようなモンだもの。フリーなのは志くらいだわ。あの子は実の母君をみていたせいか、女の幸せには頓着しないひねくれ者だけど、まめに愛される暮らしに憧れたっていいと思うのよね」
口の悪さを道親にたしなめられつつ、あたしの妄想はふくらむばかり。
翌日、志子姫があたしの部屋に現れたとき、あたしのこころは完全に式部大輔の片恋を応援する気まんまんになっていた。
だから、志子姫のほうから切り出された話は、渡りに船というものだったのだ。
「このようなお文が届きましたの。それで、季姉さまにご相談をと思ってまいりました」
手渡された料紙には、とても美しい字で、こう書かれていた。
『うちしめり花橘のかをりたつ君が姿をしのびつるかも』
(空気が湿り、橘の花のかおりがたつと、先日、花橘の襲をお召しだったあなたの姿が思われてなりません)
盗作すれすれのお歌だが、意図はぎりぎり伝わってくる。
「式部大輔といえば、正五位下。悪くないお話ですわ。……でもっ、こんな下手なお歌を贈られて、よろこぶ女がいると思いますの、季姉さま?」
同意を求められて、ちょっと思い当たる節があるあたしは、苦笑まじりになる。
「わかるわ。気持ちはとっても、よくわかる。でもね、志。あたし、お歌って、誠意がにじんでいれば、それでじゅうぶんだと思う。テクニックなんて、あとからどうにでもなるわ。けれど、こころは取り繕えないもの」
あたしはすっかり、人の恋路を楽しもうとしていたが、志子姫はそれでは納得しなかった。
「季姉さまこそ、よく考えてくださいませ! 式部大輔ですのよ? 身分も教養もあるかたが、この程度のお歌をよこすだなんて、あたくしのことを軽くお考えなのだとしか思えません」
語気も荒くそう言われると、そんな気もしてくるからいけない。あたしは少しだけ考えて、目を細めた。
「──実はね、道親からも大輔さまの話を聞いてるの。先日の宴席で、兄上にお声がけがあったそうよ。ちょうどいいわ。兄上の伝手を使って、探りを入れてみましょうか」
志子姫は不審そうな顔つきになった。小讃岐は、しかし、心得たように腰を上げ、書き物の支度をしはじめる。
「何をなさるおつもりですの?」
「何って、文を送るのよ? あ、安心して。相手は式部大輔どのじゃないから」
でも、兄上本人でもない。
さあ、どんなふうに書き出そうかしら……? まずは、このあいだの人給にお借りした車のお礼をして、祭で少し面白い目に遭ったことを報告する。そうして、ご機嫌伺いをして、近いうちにお目にかかりたい旨をしたため、書き終える。
相手は暇をもてあましてらっしゃる方だから、この遠回しのお誘いにうまく応えてくれるとは思うんだけど。
「小讃岐、これを」
「わたくしの叔母に届ければよろしゅうございますわね」
さすが、古参女房。よくおわかりで。あたしが口にもしなかった送り先を確認してよこし、小讃岐はそそくさと文を言付けに出ていく。だれか、手空きの者がいれば、ひとっ走りお使いを頼めるはずだ。それでも、時間はだいぶかかるだろう。
文の返事を待つあいだ、あたしは自分の企てを志子姫にじっくりと説明することにした。
「季子、賀茂祭を見にきていたね」
「あら、そちらからもあたしたちの車がわかったの?」
「わかるも何も。同僚たちにもあなたの顔が見えてしまうんじゃないかと、ひやひやしたよ」
ああ、あの一部始終を見られていたわけね。恥じ入っていると、道親はそういえば、と軽い口調で言い添えた。
「帰り道で大変な目にあったそうじゃないか」
「それほどでもなかったわよ。ただ、ほかの車と行きあって、従者同士が一触即発のふんいきにはなったけど」
「じゅうぶん、大ごとだよ」
苦笑いした道親に、小讃岐がここぞとばかりに愚痴を述べる。
「姫さまはこうして笑い話になさいますけれど、わたくしはどうなることかとハラハラいたしましたわ。相手方は車のようすも常識のなさそうな風でございましたし、どなたか存じませんけど、間に入ってくださったかたがいなければ、危のうございました」
うなずいて、道親はあたしに目を向けた。
「それがね、争いをいさめたのがどうやら、式部大輔さまらしいんだ」
「式部大輔って、式部省のナンバー2でしょう? でも、見かけたのは徒歩の男よ? 従者のひとりもつれていないようなひとだったわ。身なりはずいぶんよかったけど」
「祭りのあと、内大臣家でしきたりに則って還饗の宴を開いたんだけど、その席で、式部大輔さまが顕長どのに声をかけてきたそうなんだよ」
あたしの頭のなかに疑問符がたくさん浮かぶ。式部省というと、文官の人事に関することを司るお役所だ。長官である式部卿は親王から任命されるが、実質はお飾り。本質的には、ナンバー2たる式部大輔がトップと言える。日野氏や大江氏のような儒学をおさめた学者さまが就く官職だ。そんなお偉いかたが、なんでまた、うちのボンクラな兄上に声をかけるのだろうか。
あたしの口に出さない疑問に答えるように、道親は声をひそめる。
「大輔さまは季子の車と行きあったとおっしゃったあと、『権大納言家には、内大臣家と縁付いた妹君しか姫がおいでにならないと思っていたのですが、他にも姫君がおいでになるのですか』と、ご質問になったそうだ」
「……それって!」
「そうなんだよ」
したり顔で道親はうんうんと首を上下させる。
相手がそんなド直球の探りを入れてきたにも拘わらず、兄上からの連絡はいまにいたるまで一切ない。あったら、母上が大騒ぎしているはずだもの。なんとも情けない兄である。そんなんだから、年下の道親に水をあけられてしまうのよ!
「志子姫どののことだと思うんだ。季子が牛車の簾をからげたときにでも、垣間見られたのではないかと推察する」
めざとくも、未婚者の証である濃色の袴まで確認されたのでしょうよ。
「見初めたってこと?」
「いや、あの方には宮家との縁談の噂を聞いたことがあるから、なんとも言えないなあ」
「あら、不誠実なオトコなんて星の数ほどいるわ。うちの父上だって、そのひとりじゃないの」
「二十五歳の男盛りを独り身で過ごされているが、学問を究めたかただからか、浮いたお話は聞いたことがないよ。堅物とのうわさも聞くね。僕は直接お話をしたことはないが、きわめてまじめで誠実なお人柄のようだし、季子の心配するような意図は無いと思う。単なる話のタネではないかな」
「そうかしら。宮家より権大納言家を取ろうとしてるんじゃなくて? 他の有力な家の姫君なんて、みんな生まれたときから相手が決まっているようなモンだもの。フリーなのは志くらいだわ。あの子は実の母君をみていたせいか、女の幸せには頓着しないひねくれ者だけど、まめに愛される暮らしに憧れたっていいと思うのよね」
口の悪さを道親にたしなめられつつ、あたしの妄想はふくらむばかり。
翌日、志子姫があたしの部屋に現れたとき、あたしのこころは完全に式部大輔の片恋を応援する気まんまんになっていた。
だから、志子姫のほうから切り出された話は、渡りに船というものだったのだ。
「このようなお文が届きましたの。それで、季姉さまにご相談をと思ってまいりました」
手渡された料紙には、とても美しい字で、こう書かれていた。
『うちしめり花橘のかをりたつ君が姿をしのびつるかも』
(空気が湿り、橘の花のかおりがたつと、先日、花橘の襲をお召しだったあなたの姿が思われてなりません)
盗作すれすれのお歌だが、意図はぎりぎり伝わってくる。
「式部大輔といえば、正五位下。悪くないお話ですわ。……でもっ、こんな下手なお歌を贈られて、よろこぶ女がいると思いますの、季姉さま?」
同意を求められて、ちょっと思い当たる節があるあたしは、苦笑まじりになる。
「わかるわ。気持ちはとっても、よくわかる。でもね、志。あたし、お歌って、誠意がにじんでいれば、それでじゅうぶんだと思う。テクニックなんて、あとからどうにでもなるわ。けれど、こころは取り繕えないもの」
あたしはすっかり、人の恋路を楽しもうとしていたが、志子姫はそれでは納得しなかった。
「季姉さまこそ、よく考えてくださいませ! 式部大輔ですのよ? 身分も教養もあるかたが、この程度のお歌をよこすだなんて、あたくしのことを軽くお考えなのだとしか思えません」
語気も荒くそう言われると、そんな気もしてくるからいけない。あたしは少しだけ考えて、目を細めた。
「──実はね、道親からも大輔さまの話を聞いてるの。先日の宴席で、兄上にお声がけがあったそうよ。ちょうどいいわ。兄上の伝手を使って、探りを入れてみましょうか」
志子姫は不審そうな顔つきになった。小讃岐は、しかし、心得たように腰を上げ、書き物の支度をしはじめる。
「何をなさるおつもりですの?」
「何って、文を送るのよ? あ、安心して。相手は式部大輔どのじゃないから」
でも、兄上本人でもない。
さあ、どんなふうに書き出そうかしら……? まずは、このあいだの人給にお借りした車のお礼をして、祭で少し面白い目に遭ったことを報告する。そうして、ご機嫌伺いをして、近いうちにお目にかかりたい旨をしたため、書き終える。
相手は暇をもてあましてらっしゃる方だから、この遠回しのお誘いにうまく応えてくれるとは思うんだけど。
「小讃岐、これを」
「わたくしの叔母に届ければよろしゅうございますわね」
さすが、古参女房。よくおわかりで。あたしが口にもしなかった送り先を確認してよこし、小讃岐はそそくさと文を言付けに出ていく。だれか、手空きの者がいれば、ひとっ走りお使いを頼めるはずだ。それでも、時間はだいぶかかるだろう。
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