きぃちゃんと明石さん

うりれお

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この先、イチャつくだけです(番外編Ⅰ?)

→おまけ

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 おまけ
 
「お皿洗い終わったよ。」

フライパン一つと少し大きめのお皿とスプーンを二つずつをさっと洗い終わって、声を掛けると、季衣がパタパタとこちらにやってきて、

「ありがとうございます。」

と少しよそよそしげに言う。

間違いなく俺が朝まで抱く宣言をしたからであるのだが、あの後ほとんど言葉を交わすことなく黙々と食べ進め、今に至る。

今まで何回も抱かれているのに、まるで初めてかのように緊張している季衣に、思わず笑みが零れてしまう。

俺の前に立ってもじもじしているのを見て、何か言うまで待ってみようかと思っていると、

「……ん。」

言わなくても分かるだろと言わんばかりの顔で、両手を広げて抱っこをせがんできた。

何このせがみ方、可愛いすぎでしょ。
たまに赤ちゃんみたいになるきぃちゃんがたまんないんだよね。

何を求められているのか、分からない訳がないのだが、もっと可愛い姿が見れる気がして、分からないフリをしてみる。

「なに?どうしたの?」

「…………ん!」

おぉ、さっきより主張が強くなった。
やっぱり意地になった子供のようで可愛い。

「口で言ってくれないと分かんないよ。」

「んぅ。…………だっこっ。」

はい可愛い。世界一可愛い。

「抱っこ?」

「うん。だっこしてぇ。」

駄目だ。ヤバい。
俺の頭の中で可愛いの洪水が起きている。

朝まで抱くとは言ったものの、そこまで激しくするつもりは無かったが、これは加減するのが難しいかもしれない。
てか加減なんて出来ない気がする。

「首に掴まって……しっかり掴まっててよ。
  よいしょっと。」

首にぎゅっと掴まって、俺の匂いを嗅ぎながら、脚を腰に絡ませてくる季衣を落とさないように大事に抱えながら寝室に向かう。

毎回思うけど、めちゃくちゃ軽いんだよなぁ。
華奢だし。
こんなにすぐ壊れちゃいそうな身体に、いつも俺のを咥えこんでると思うと、どうしようもなく興奮してしまう自分は大分変態なのだろう。
こうやって寝室に連れ込む度に自分が悪役のような気がしてくる。

ベッドに辿り着いて、季衣を降ろそうとすると、

「もうちょっとだけこのままがいい」

と、しがみつかれる。
もう、なんなんだよこの赤ちゃん。
可愛すぎて、俺爆発しちゃうよ?
(何がとは言わない)

「いいけど、そのまま寝ないでね?」

このまま、すやぁ、なんてされたら、生殺しが過ぎる。
しかも季衣は、俺の匂いを精神安定剤のようにしている節があるため、余計に心配になる。

「寝ぇへんもん。
  ……だって、きぃも、ひぃ着いちゃったもん。」

柊真の耳にぽってりとした唇を寄せた季衣が、
相変わらず無自覚に、柊真に火を着けた。























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