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番外編Ⅱ
季衣のお願い③※
しおりを挟む「ホンマにすき」
あ、やらかした。
考えてた事口に出ちゃった……っ。
恥ずかしい死ぬっ。
急な告白をしてしまった事に、自分でもびっくりしていると、柊真が心底嬉しそうな顔をする。
「なんで自分で言ったのに季衣がびっくりしてんの。
あははっ、照れてるの?……かぁわいいなぁ。
俺もすきだよ。」
なんでそんなサラッとかわいいとかすきとか言えんねん、ムカつく。…………けど、やっぱそういうとこすき。
「…………ありがと。」
「こちらこそ。」
季衣の指が完全に離れると、つかの間のぽやぽやした雰囲気はどこかへ行ってしまって、閉じた脚を開かれてショーツをじっくりと見られてしまう。
「絶景だねぇ。
白地に赤い刺繍入ってるの、
いちごミルクみたいで可愛い。
脱がすの勿体ないなぁ。美味そ。」
そう言って柊真は、舌なめずりをしてから季衣の太ももをがっしりと固定した。
さらにはまだ紐パンを脱いでいないのに、蕾があるであろうところに顔を近づけようとしている。
「あっ、柊真もしかしてこの姿勢っ、まって」
「待たない。」
気付くのが遅いとでも言うように、速攻で拒否されて逃げ道を塞がれる。
「パンツ汚れちゃうぅ。せめて脱がしてっ。」
実は花芯を吸われて潮を吹き、季衣がむくれたあの日の後、柊真はあの行為の何かがお気に召したようで、度々風呂場に連れ込まれては執拗に舐められて、吸われて鳴かされたのである。
おかげで元から刺激に弱かった蕾が、少し捏ねられただけですぐにイって潮を吹いてしまう程、よわよわになってしまった。
ベッドの上であの日と同じようにされる事は無かったが、ぐちゃぐちゃになる事はとっくに分かりきっていて、見せるつもりは無かったとはいえ結構お気に入りのショーツであったから、汚したくなくて抵抗する。
「ユナのメンバーカラーだから?
足掻いてるところ申し訳ないけど、
もう濡れちゃってるよ?」
ッ!?ほんまに言ってる?
まだキスしかされてないのにぃっ……ふぇんっ。
さらに柊真は、ここが濡れているんだと言わんばかりに、指で擦ってくる。
「やぁっ……」
そうですよっ、ユナカラーの赤い下着なんかそれしか持ってないですよっ。
だから洗えるとはいえ、汚したくなかったのにぃ。
この半年でこの身体のポテンシャルの高さを何度恨んだ事か。
ただ、季衣の反応を見て柊真が喜んでくれる事を考えると複雑な気持ちになる。
「ねぇ、きぃちゃん。
自分からシたいって言ったんだから、
今更「まって」はなしだよ。」
「えっ、」
なんてことだ。
自分から誘った結果、いつも以上に主導権がない。
なんでやっ。
誘うという事が、柊真のすること全部受け入れますっていう宣言をしたのと同じ事になってしまっている。
え……、これが常識なん?
こっちから誘うってそんな覚悟いるもんなん??
恋愛初心者であるが故に、理不尽な理由で丸め込まれていることに気づかない。
「わかったっわかったからっ。
まってって言わへんからっ、おねがぃ脱がしてっ。」
「ほんとに?
じゃあ今からまってって言う度に痕付けるから。」
「は?
……もー、いじわるぅ。」
「そんぐらい今日は余裕無いの。
悪いけど諦めて。」
なんなん、もー。
最近いじわるが過ぎるって。
じゅっ、
「あっ、なんでっ、なんも言ってないやんかっ!」
いつも通り季衣が圧倒的に不利な状況に、柊真を心の中で詰っていると、抱えた太ももの内側に吸いつかれて赤い痕をつけられる。
「これは今日敬語使ったのと、さん付けで呼んだぶん。
ホントは四回だけどこれで勘弁してあげる。」
やっぱりお仕置きあったぁ…………。
しかもちゃんと回数数えられてる……。
なんでそんなにキスマ付けたいわけ?
おんなじ会社でもないのに会社できぃを恥ずかしがらせて何がしたいわけ?
長谷川に朝イチから眉を顰められるのはもう懲りごりである。
美沙にニヤつかれるのももう懲りごりである。
今回に到っては誰にも見られないところで、それはそれで助かるが、わざわざ付ける意味が分からない。
「なんでそんな見えへんとこに……。」
「んー?俺しか見れないっていう優越感?
みたいな感じかな。
なに、見えるとこが良かった?」
「んなわけあるか、ばぁかっ」
「んふっ、あははっ。」
何がおもろいねん。
心做しか柊真が喜んでいるようにも見えて、ますます意味が分からない。
「口悪いなぁ。もっかいばかって言って?」
「~~っッ、柊真のあほっ、
ばかっ、……ん''うッ、ん''~~っ。」
いつの間にか腰骨の上で結ばれた赤い紐が解かれ、ショーツごと引き抜かれて、花芯を吸われている。
じゅうぅぅぅーーーっッ、ちゅりゅ、ちゅく、
ざりじゃりざりぢゅり、
「ふあぁーっ、んぅーーッ!…ンんっ、んっ、
…んあっあっあっふんぅッ、」
何度経験しても慣れない直接的な快楽に、思わず爪先をぎゅっと丸めてしまう。
口が離されたと思ったら、溢れ出た蜜を指ですくわれてクリにぬりゅぬりゅと塗りつけられて、再び熱い粘膜に覆われる。
ぬちゃぬちゃっ、カリッ、くにくにこりゅっ、
ちぃゆぅーーーっッ
「ひいっ、あーッ、…んあ''っ、とっまそれやぁ、
いィんーーーーッ!」
ぷしゃっ。
あーー~~~っッ、今日も出ちゃったぁ…。
頼むから出ないでくれと思いながら絶頂を迎えて、願いむなしく今日も潮を吹いてしまった。
明らかに柊真による調教のせいである。悔しい。
季衣がまるで言う事を聞かない自分の身体に顔を覆っていると、ぐいっと太ももを押されて、秘所が天井を向くような姿勢にされた。
「はぁーっ、はぁーっ、えっ、ちょっ、」
まってと言って、待ってくれた事などほとんどないのだが、言うなと言われると何だか困る。
まってと言いかけた口はギリギリで踏みとどまって、あっという意味のない音を出すだけになってしまった。
じゅるるっ、ずッ、じゅうぅぅーッ、じゅるっ。
「…なあぁっ!ん''っ、いぃ~ーーーっ、あぁァッ、んっ」
今度はシーツに伝うほど溢れた蜜を、割れ目から直接啜られる。
「はぁーーっ、……甘。」
そんなはずはないのだが、季衣も柊真の唾液が甘く感じる事があるのも事実で、子孫繁栄のために異性の体液が甘く感じるように身体が出来ているのでは、なんていう馬鹿みたいな発想に辿り着いたりするほど季衣の思考は溶けていた。
「これなら大丈夫そうだね。」
いつもであれば、何が大丈夫なん?と言うところなのだが、今の季衣の意識は完全にジクジクと熱をもつ恥部に集中しており、
「うん…。」
と無意識に肯定の言葉を口にしてしまう。
「手、貸して?両手。ありがとう。」
手?と思って両手を差し出すと、手首を軽く握られた。
あれ、知らん間に腰がちょっと浮いてる……?
ずりゅっ、ぱちゅんッ。
「…………?………ー~~~ッひっ!?」
なに!?
何が起こっているのか理解が出来なくて、ただ絶頂感がせりあがってくる感覚だけが脳に警笛を鳴らしている。
嫌や、イきたくないイきたくない、イきたくないっ!
「嫌やっ、まってッ。」
早くも涙目になりながら柊真を見ると、ニヤッと笑うのが見えた。
やられたっ!
「待たない。」
ずッ、
体勢を整えるように、さらに奥に押し込むように柊真が動くと、乱雑にバックル部分だけが外されたベルトからカチャンッという音が鳴り、それが引き金となった。
「んくぅ~~~ーーーーーーーーーーーっ、あッ。
はぁっはぁっ、はぁーーっ、んっ、
はぁーーっ、はぁーっ。」
身体が無意識に上に逃げようとするも、手首をつかまれているせいで、快感が逃せなくて背中が弓なりになった。
やっぱり、挿入ってる。
多分、ていうか確実にゴムもしてくれてる。
いつの間に?
挿れられるまで何の音も聞こえなくて、全く気づかなかった。
息が整わないまま脚元を見ると、柊真はトラウザーの前だけ寛げて季衣の太ももを膝に載せていた。
白いシャツの袖は緩く巻かれて、季衣の手首を掴む腕には血管が浮き出ていて、それだけで、『あーかっこいい好き』と頭が溶ける。
自らの希望が叶って恋人の姿に見惚れていると、お揃いの腕時計を着けた方の手首を持ち上げられて、時計のベルトを少しずらしたと思ったらそのまま、じゅうッとちょっと痛いと思うほど吸われた。
そういえば思いっきりまってと言ってしまったのを思い出して、やってしまったと思った。
ただ、柊真の事だから、ぼーっとしている季衣を見てわざといきなり挿入したのではないかと考えてしまう。
だってあんな意地悪そうな顔してるの見たら、誰でも確信犯やんっておもうやろ。
チロッと柊真と目を合わせると、さっきほど意地悪では無いが、季衣を揶揄う時によくする顔をしていた。
「季衣、今ベルトの音でイった?」
「………………………………………………うん。
だってッ、 しかも柊真がいきなりっ……するから。」
何で恋人にほとんど全部の性癖がバレてるんですかね。
「似合ってる」だとか「かっこいい」はよく言うものの、どこが好きとかあまり言った事はないはずなのに。
今のだって、奥に押し込まれたからだと思うのが普通なのに、ベルトが引き金だと平気な顔で言ってくる。
「うん、素直でよろしい。
それに、最近挿れたらすぐイッちゃうもんね。」
「ッ誰のせいやと思って」
「俺のせい。」
言い切る前に即答された。
そうですよ、紛れもなくあなたのせいです。
ここのところずっと
『今ここにいるの誰?』ってお腹を押しながら聞かれて、『挿ってるの意識して』とぐりぐりされて、ゆっくり出し挿れされながらイキっぱなしにされて。
最近ほんまにひどいなぁ。
ゲームの追加コンテンツのように、柊真に弱いところがバレる度に新しい快感をダウンロードされていく。
くっ、思い出して締まるなっ私の身体っ!
「これからも、俺だけに抱かれて、俺のせいで、
俺のためだけに、イって?」
こてんっと首を傾げて、可愛こぶるように柊真が言う。
いや実際可愛いけどっ!
割と激ヤバ発言なの気づいてます?
ヤンデレみたいやぁ……。
きゅうぅぅぅ~っ。
だから締まるなっときめくなッ!
やはり心よりも身体が先に悦んでしまうのは変わりなくて、チョロさと雑魚さが嫌になる。
でも執着されてるのは嫌じゃなくて、いつも余裕そうに見える柊真のこんな顔がもっと見たいと思った。
「きぃも柊真じゃないと嫌や。
いや…やから、……きぃ以外見んとって。」
そっちがそんなこと言うなら、こっちだって独占欲出したるもんねー。
ハイハイどうせバカップルですよぉーだっ。
「馬鹿っ」
「へ?」
カチャ、カチャンッ、……カツンッ、
…カチャンッ、
「反則、なんなのもう、当たり前だよ、
季衣のばぁかっ。」
「えっ、あぁっ、ちょっとッ!」
謎にイラつきながら、二回も馬鹿と言われる。
しかも、柊真が動かないと、当然カチャカチャという音は鳴らない訳で。
「んっ、…んっ、あっやっ、ねぇ、ひっ、
……あッ、もうむりぃッ」
「無理じゃないでしょ、もうちょっと頑張って。」
相変わらず手首は握られたままで、突かれる度に身体に走る『気持ちいい』を、どこにも逃がせなくて、すぐにイきそうになる。
「……っや、ほんまにッ、もっ、……おねがっ、
いっしょにイッてっ。」
必殺おねだり作戦決行。
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