27 / 54
第2章 シャクンタラー対ファウスト
第26話 南くんの初恋②
しおりを挟む
文学同好会の教室は本棟にあるものの、東の突き当りに位置し、人通りは極端に少ない。
彼女が人間嫌いなのは昔からだが、だからこそここを選んだのだろうと容易に想像できる。
部室のドアには綺麗な字で文学同好会と書かれた張り紙がしてあり、窓から差し込む日の光が漂う埃を視覚化して、その一角が少し寂しく見えた。
俺は中にいるだろう人物のことを考え、いつも静かに部室のドアを開く。
「あ。今日は来たの?」
彼女はこちらを向かずに本を読みながら声をかけてくる。
「ああ。特に用事もなかったしな。…………久しぶり。」
「ええ。五年ほど会ってなかったような気分だわ。」
俺はいつも通り、彼女の前の席に腰かける。
彼女もまたいつも通り本を読む。
それがゲーテでないのは、まぁ考えれば分かることである。
彼女は五分ほどその本を読み、キリの良いところで海の景色が描かれたしおりを挟んで、パタリと閉じた。
彼女のしおりを持つ手が微かに揺れたとき、いつもなら気にしないその動きが何故か気にかかった。
そうして彼女は俺と話す気になったか、こちらに居直った。
俺は何故か喉がひり付き、痛みを覚えたため、カバンからペットボトルを取り出し、喉を潤した。
その時、ペットボトルに部室の小窓から差し込んだ光が反射して、彼女の額に小さな光を浮かび上がらせていて、少し笑ってしまった。
「ん?なに?」
彼女は話しかけるきっかけを待っていてのかもしれない。
それが彼女にとって話しやすい場を作れたのなら僥倖というものだ。
「いや、なんでもない。」
「そういえば最近は南くんと仲いいみたいね?」
「ああ。まぁ。色々あってな。」
「まあ、友達と仲がいいのは良いことよ。」
「東はいないのか?そういう友達みたいな?」
「んー。……………………南くん?」
「それは俺の友達だ。お前にはやらんぞ。」
「いや、私の友達でもあるでしょ?…………そういえば、この間の悩みは解決した?」
シャクンタラーに加入する前に彼女に不安な自分を吐露して、慰めてもらったことを思いだし、少しばかり気恥ずかしくなって彼女から顔を背けてしまう。
「ああ。…………もう大丈夫だよ。それより、この間の勧めていたアニメ全部見た?」
「ああ。あの日常系ね?見たわ。何故かストーリー性があるわけでもないのに、最終回まで見てしまったわ。きっと疲れていたのね。」
「いや。日常系はそういうもんだよ。社会での疲れを、頭を空っぽにして日常系を観ることで、癒されるんだ。」
「そう?まぁ言いたいことは分かるわ。確かにあれを見ると悩みとかどうでもよくなるわね。」
「そうだろ?また他にお勧めのアニメが見つかったら教えるよ。ああ。そういえば、前に俺が中学校の時に話していた物語覚えてる?」
俺は本題に切り込む。
これは所謂、答え合わせのようなものだ。
「ああ。あの意味の分からない話ね?それがどうしたの?」
「いや。東に話しっぱなしでちゃんと意味を教えてなかっただろ?…………いや。なんていうか。俺とか南はその単語を聞いただけで、おおよそ認識できても一般人はそれを聞いただけではあらぬ方向に誤解をしてしまう内容もあるわけだろ?」
そう。そういった齟齬が生まれるのは分かっていた。しかし東が「そっからどうなるの?」とか「そんな馬鹿な能力意味あるの?」とか聞いてくれるからあの頃の俺はそれが嬉しくていつも彼女に自分の考えた物語を話していた。
「まぁ。それでもいいと思うけれどね。あんなの理解できないし。」
「そうか?普通の男子なら考えそうなことだけどな。授業中とか暇になった時に、教室に殺人犯が攻めてきて、クラスのみんなはパニックに陥るんだ。でも、そんなとき、都合よく俺だけ秘めたる力が目覚めて、そいつを倒して勇者になるとかな。」
「うん。いつもそんな馬鹿みたいなこと言ってたね。」
「まぁ。南は海に行って美女と出会って、イチャイチャする妄想をしていたらしいがな。」
「南くんらしいね。まぁ肇はそんなことよりも中二病全開の妄想ばかりだったね。いつもそんな話ばかりして、この人はこの先、大丈夫なのかと心配になったわ。」
「いや、ロマンがあるだろ?」
「まぁ今も変わってないから本当にこの人はどうしようもない人なんだって諦めもついたけれど。」
彼女は飽きれた様子で本のしおりの端をいじりながら、困ったように眉を下げていた。
「まぁ。どうだろう。変わった部分もあるにはあるのかもしれないな。」
俺は照れ臭くなって、彼女から目線を外す。
昔からの知り合いに面と向かって自分のことを言われるのはやはり恥ずかしいものなのだ。
「そういえば、なんであの肇の考える話の主人公はいつも意味の分からない枷があったの?そんなに最強、最強と言うならそんな物ない方が良いでしょ?」
「ああ。それはその方がカッコいいからだな。枷があったほうが燃えるんだ。」
「そんなものかしら?」
「そんなものだよ。それでその枷を乗り越えると真の最強になるわけだな。」
俺が自慢げに垂れる空想の話を東はジト目で聞いていた。それからはしょうがないから質問してやるかと彼女の質問タイムが始まるのはいつものことだ。
「後、なんでいつも一人だけが主人公なんだろうって。普通、そんな世界の危機とかに陥ったら他にも名乗りを上げて、一緒に戦うみたいな展開があるんじゃないの?その主人公だけが強いってのも疑問ね。」
「誰しもが物語の主人公になりたいんだよ。自分だけが強いってのはやっぱり特別感があっていいだろ?…………現実世界では特に自分が特別でもなんでもないから、物語でくらい特別な人になりたいんだよ。」
「そんなものかしら?普通の人でも本人が知らないだけで特別な部分はあると思うけれど?」
「往々にしてそういう人は自分の魅力には気が付かないものなんだよ。」
「そういうものなのね」と東は未だ納得していない様子で、本の表紙を指でなぞっていた。
俺は小休止にペットボトルに手を伸ばす。
「でも、あの話の悪魔とか鬼の力とか。天使がどうとか。自分は救世主だとか。今考えても頭が悪そうよね。なんでそんなものと戦うのがカッコいいのか未だに理解できないわ。」
ふと彼女が漏らす。
「そうそう。その話だよ。いいか東。あの鬼の手の棘あるだろ?あれは…………」
俺は飲もうと思ったペットボトルを手元に置き、彼女の話に食いつき、そこからまた妄想の話を始める。
それはいつもどおりの俺たちの会話だ。
全部、昔から俺が彼女に話してきた中二病的な話だ。
内容は俺が救世主で、終わりかけた世界を救う話。こんなことが有ったら俺はこうするといった途方もなく馬鹿な話だ。
それを俺は彼女に吹き込んできたのかもしれない。
だからそんな話から齟齬が生まれたことは、しょうがないことなのかもしれない。
俺たちが下らない会話をしていたら、もう外は赤色に燃え上がっており、夕日が射していた。
「もう、帰ろっか。」
「そうだな。」
俺が先に部室をでて、彼女を待つ。
彼女は部室の点検をし、忘れ物がないか見て、部室を出る。いつもこのチェックを怠らないところが彼女らしい。
「なぁ。」
「ん?」
「なにか俺に隠していることないか?」
「はい?なにを?」
「いや。ないならいい。」
俺の突然の問いに彼女は一瞬困った顔をしていたが、すぐに俺が真剣に問うていることを悟ると、その表情を変えた。
そして、何か決心がついたのか、その大きな双眸が俺を捕えた。
「…………今はまだ言えないけど。でも時期がきたら言うね。…………肇は?何か困っていることない?」
「俺もそれは時期がきたら言うよ。」
「そっか。」
「うん」
また俺たちは下らない話を始めて帰路に就く。
お互いに大事な言葉は胸にしまって、またどうでもいい話でお互いの時間を埋めていくのだ。
彼女が人間嫌いなのは昔からだが、だからこそここを選んだのだろうと容易に想像できる。
部室のドアには綺麗な字で文学同好会と書かれた張り紙がしてあり、窓から差し込む日の光が漂う埃を視覚化して、その一角が少し寂しく見えた。
俺は中にいるだろう人物のことを考え、いつも静かに部室のドアを開く。
「あ。今日は来たの?」
彼女はこちらを向かずに本を読みながら声をかけてくる。
「ああ。特に用事もなかったしな。…………久しぶり。」
「ええ。五年ほど会ってなかったような気分だわ。」
俺はいつも通り、彼女の前の席に腰かける。
彼女もまたいつも通り本を読む。
それがゲーテでないのは、まぁ考えれば分かることである。
彼女は五分ほどその本を読み、キリの良いところで海の景色が描かれたしおりを挟んで、パタリと閉じた。
彼女のしおりを持つ手が微かに揺れたとき、いつもなら気にしないその動きが何故か気にかかった。
そうして彼女は俺と話す気になったか、こちらに居直った。
俺は何故か喉がひり付き、痛みを覚えたため、カバンからペットボトルを取り出し、喉を潤した。
その時、ペットボトルに部室の小窓から差し込んだ光が反射して、彼女の額に小さな光を浮かび上がらせていて、少し笑ってしまった。
「ん?なに?」
彼女は話しかけるきっかけを待っていてのかもしれない。
それが彼女にとって話しやすい場を作れたのなら僥倖というものだ。
「いや、なんでもない。」
「そういえば最近は南くんと仲いいみたいね?」
「ああ。まぁ。色々あってな。」
「まあ、友達と仲がいいのは良いことよ。」
「東はいないのか?そういう友達みたいな?」
「んー。……………………南くん?」
「それは俺の友達だ。お前にはやらんぞ。」
「いや、私の友達でもあるでしょ?…………そういえば、この間の悩みは解決した?」
シャクンタラーに加入する前に彼女に不安な自分を吐露して、慰めてもらったことを思いだし、少しばかり気恥ずかしくなって彼女から顔を背けてしまう。
「ああ。…………もう大丈夫だよ。それより、この間の勧めていたアニメ全部見た?」
「ああ。あの日常系ね?見たわ。何故かストーリー性があるわけでもないのに、最終回まで見てしまったわ。きっと疲れていたのね。」
「いや。日常系はそういうもんだよ。社会での疲れを、頭を空っぽにして日常系を観ることで、癒されるんだ。」
「そう?まぁ言いたいことは分かるわ。確かにあれを見ると悩みとかどうでもよくなるわね。」
「そうだろ?また他にお勧めのアニメが見つかったら教えるよ。ああ。そういえば、前に俺が中学校の時に話していた物語覚えてる?」
俺は本題に切り込む。
これは所謂、答え合わせのようなものだ。
「ああ。あの意味の分からない話ね?それがどうしたの?」
「いや。東に話しっぱなしでちゃんと意味を教えてなかっただろ?…………いや。なんていうか。俺とか南はその単語を聞いただけで、おおよそ認識できても一般人はそれを聞いただけではあらぬ方向に誤解をしてしまう内容もあるわけだろ?」
そう。そういった齟齬が生まれるのは分かっていた。しかし東が「そっからどうなるの?」とか「そんな馬鹿な能力意味あるの?」とか聞いてくれるからあの頃の俺はそれが嬉しくていつも彼女に自分の考えた物語を話していた。
「まぁ。それでもいいと思うけれどね。あんなの理解できないし。」
「そうか?普通の男子なら考えそうなことだけどな。授業中とか暇になった時に、教室に殺人犯が攻めてきて、クラスのみんなはパニックに陥るんだ。でも、そんなとき、都合よく俺だけ秘めたる力が目覚めて、そいつを倒して勇者になるとかな。」
「うん。いつもそんな馬鹿みたいなこと言ってたね。」
「まぁ。南は海に行って美女と出会って、イチャイチャする妄想をしていたらしいがな。」
「南くんらしいね。まぁ肇はそんなことよりも中二病全開の妄想ばかりだったね。いつもそんな話ばかりして、この人はこの先、大丈夫なのかと心配になったわ。」
「いや、ロマンがあるだろ?」
「まぁ今も変わってないから本当にこの人はどうしようもない人なんだって諦めもついたけれど。」
彼女は飽きれた様子で本のしおりの端をいじりながら、困ったように眉を下げていた。
「まぁ。どうだろう。変わった部分もあるにはあるのかもしれないな。」
俺は照れ臭くなって、彼女から目線を外す。
昔からの知り合いに面と向かって自分のことを言われるのはやはり恥ずかしいものなのだ。
「そういえば、なんであの肇の考える話の主人公はいつも意味の分からない枷があったの?そんなに最強、最強と言うならそんな物ない方が良いでしょ?」
「ああ。それはその方がカッコいいからだな。枷があったほうが燃えるんだ。」
「そんなものかしら?」
「そんなものだよ。それでその枷を乗り越えると真の最強になるわけだな。」
俺が自慢げに垂れる空想の話を東はジト目で聞いていた。それからはしょうがないから質問してやるかと彼女の質問タイムが始まるのはいつものことだ。
「後、なんでいつも一人だけが主人公なんだろうって。普通、そんな世界の危機とかに陥ったら他にも名乗りを上げて、一緒に戦うみたいな展開があるんじゃないの?その主人公だけが強いってのも疑問ね。」
「誰しもが物語の主人公になりたいんだよ。自分だけが強いってのはやっぱり特別感があっていいだろ?…………現実世界では特に自分が特別でもなんでもないから、物語でくらい特別な人になりたいんだよ。」
「そんなものかしら?普通の人でも本人が知らないだけで特別な部分はあると思うけれど?」
「往々にしてそういう人は自分の魅力には気が付かないものなんだよ。」
「そういうものなのね」と東は未だ納得していない様子で、本の表紙を指でなぞっていた。
俺は小休止にペットボトルに手を伸ばす。
「でも、あの話の悪魔とか鬼の力とか。天使がどうとか。自分は救世主だとか。今考えても頭が悪そうよね。なんでそんなものと戦うのがカッコいいのか未だに理解できないわ。」
ふと彼女が漏らす。
「そうそう。その話だよ。いいか東。あの鬼の手の棘あるだろ?あれは…………」
俺は飲もうと思ったペットボトルを手元に置き、彼女の話に食いつき、そこからまた妄想の話を始める。
それはいつもどおりの俺たちの会話だ。
全部、昔から俺が彼女に話してきた中二病的な話だ。
内容は俺が救世主で、終わりかけた世界を救う話。こんなことが有ったら俺はこうするといった途方もなく馬鹿な話だ。
それを俺は彼女に吹き込んできたのかもしれない。
だからそんな話から齟齬が生まれたことは、しょうがないことなのかもしれない。
俺たちが下らない会話をしていたら、もう外は赤色に燃え上がっており、夕日が射していた。
「もう、帰ろっか。」
「そうだな。」
俺が先に部室をでて、彼女を待つ。
彼女は部室の点検をし、忘れ物がないか見て、部室を出る。いつもこのチェックを怠らないところが彼女らしい。
「なぁ。」
「ん?」
「なにか俺に隠していることないか?」
「はい?なにを?」
「いや。ないならいい。」
俺の突然の問いに彼女は一瞬困った顔をしていたが、すぐに俺が真剣に問うていることを悟ると、その表情を変えた。
そして、何か決心がついたのか、その大きな双眸が俺を捕えた。
「…………今はまだ言えないけど。でも時期がきたら言うね。…………肇は?何か困っていることない?」
「俺もそれは時期がきたら言うよ。」
「そっか。」
「うん」
また俺たちは下らない話を始めて帰路に就く。
お互いに大事な言葉は胸にしまって、またどうでもいい話でお互いの時間を埋めていくのだ。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる