ワールドメイク 〜チート異能者の最強くん〜

プーヤン

文字の大きさ
44 / 54
第2章 シャクンタラー対ファウスト

第43話 異能者の蠢き⑧

しおりを挟む
「西京、どうしたんだ?いきなり呼び出して。」

俺は放課後、空き教室に南を呼びだしていた。

もう彼にすべてを話す時期がきたのだ。

南は少しだが記憶も戻ったようだし、ここらで内情を話しておいた方がいいだろう。それが何の役に立つのかは分からないが。

もしかしたら、元の木阿弥になるかもしれない。しかし、現在ここにいる親友にすべてを話すことで南はどう思うのか聞きたかったのかもしれない。
そして、西山さんの願いを聞くために。

「いや。少しばかり長い話になりそうだったからな。今日は本部の会議もないし、いいだろ?」

「まあいいぜ。それに最近じゃあ、あちこちでシャクンタラーとファウストの抗争が勃発しているわけだしな、会議なんて開いている暇もないだろ。植木の旦那も忙しそうにしていたしな。」

俺が本部からの帰りに襲われたように、最近ではシャクンタラーの面々がファウストに襲われる件数が確実に増えていた。なぜに彼らの行動が激化したのか俺の予想が正しければファウストの創始者の意向によるものだろう。
シャクンタラーの創始者でもいいが。

「そうだな。まぁそれも関係のある話だ。」

「なんだ?前に言えないって言っていた話を話す気になったのか?」

「まぁそうだな。」

「でも、またそりゃ急な話だな?何か最近、変わったことでもあったか?」

「あったよ。最近のファウストだのシャクンタラーの動きもそうだが、なによりも西山さんの件だ。」

「香の件?」

南はその名前が出ると、眉間に深く皺を寄せた。未だ彼の中では消化できていない問題なのかもしれない。

「そうだな。どこから話せばいいだろうか。…………まず、南はこのシャクンタラーだのファウストについて変に思ったことはないか?入った頃からでもいい。異能関係で変だと思った点だ。」

「それは…………あるにはあるが、なんだか朧げなんだよな。何かがおかしいことは分かるんだが。言葉にできない。」

「そうか。…………じゃあ、順を追って説明していこう。」

「おう。」

俺と南は教室の後ろの席に座しており、放課後の部活の活気ある声やら、吹奏楽部の楽器の音、放課後の生徒の話し声を聞きながら、お互いに対面して話を始める。

こういった日常での雑談として話した方が良いのかもしれない。なにせそれは突拍子もない話なのだから。

手元にあった水を飲み、少し気を落ち着かせて今から話す内容を頭で整理しながら、俺は説明を始める。

 

 

 

「まずは…………。」

「おい。その神妙な顔つきやめろよ。こっちまで緊張してくるだろうが。バイトの面接じゃあるまいし。」

「おお。悪かった。いつも通り話す。」

「いや。ちょっと待って。俺、トイレ行ってくるわ。」

「おう。」

彼が緊張したことで一度席を立ち、戻ってきたところで話を再開する。

「んーお前が話の腰を折ったせいで、何を言おうとしていたか忘れた…………えっと。そうだ。まず、シャクンタラーっていつ出来た組織か分かるか?」

「えっと北条が言うには5年ほど前とかなんとか。それがどうしたんだ?」

「ああ。彼女はそう言っていたな。しかし、瀬川の部屋に入ったときの資料に目を通したが二年ほど前のものしかなかったんだ。」

「ああ…………。んー。瀬川が書き損じていたとか、ファウストの本部にそれより前の物があるとかか?」

「どうだろうな。多分それは無いと俺は思う。北条の写真集もちゃんと番号を振ったり、きちんと管理していたやつのことだ。その几帳面さが伺えるだろう。それに、シャクンタラーの書類すべてをファウストに移す理由もないしな。」

「なんだ。お前、あいつの部屋にあった書類全部確認したのか?」

「ああ。確認した。」

おい。南、驚くのはそこじゃないぞ。と言いたいがまた話が脱線しそうになるので、ここは黙っておこう。

南はこのスケベ野郎と言ったように、馬鹿にした顔をしてくる。別に北条さんの写真の余りを探していたわけではない。断じてない。

「つまりはあの組織が作られたのは五年前ではない。ここ最近のことだ。ちなみに二年前の資料もなんだかえらく抽象的に書かれた資料ばかりだった。その場しのぎのでっち上げのようなものかもしれないな。」

「ん?だからなんなんだ?組織が出来た年数なんてどうでもよくないか?まぁその組織の件はそれだけで北条の言っていることが間違っていると決めつけるのは性急な気がするが。」

「まぁ待て。順を追って話すから。…………。それでだ。もう一つ。おかしな点があるだろ?」

「おかしな点?北条が処女なことか?確かに、あいつは裏で金持ちパパと夜の街に出かけてそうだよな。」

「クソ野郎。そんなことじゃない。」

「え!?違うの?あの子、本当は。」

「違う。そこじゃなくて、もっと他にあるだろ?」

「うーむ。分からん。」

南はわざとらしく首をひねる。

「じゃあ。まず、今起こっている組織同士の抗争についてだ。おかしくないか?」

「何が?普通だろ?あいつら敵対しているわけだし。」

「異能ってのはどうしたら消滅するんだ?今のとこ思いつくのは二つだ。俺の異能で消滅させるか、もう一つは保持者の時計を破壊するんだ。保持者を傷つけたり、失神させて何の得があるんだろうな?」

「ああ!言われてみれば確かにそうだな!」

「なのにあいつら頑なに保持者を狙うだろ?なんだあいつら大人のくせに頭わるいのか?いや、多分違うだろう。普通ならそのターゲットの家に忍び込んで時計を破壊すればいい。その方がリスクも少ないしな。まぁその保持者を特定して、家も特定。そいつがいない時間を狙ってと考えると苦労しそうだが、あのテレパシストの瀬川がいたんだ。やろうと思えば簡単なことだっただろう。」

「まぁそうだな。時計を破壊した方が早いだろうな。それこそ、あんな化け物みたいな異能を持っている奴までいるんだから、その方が逆に安全かもしれないな。」

「そうだろ?それで一度、北条に聞いたことがある。なんで時計を狙い打ちしないのか。なんでも創始者様はそれを禁じたらしいぞ。それがシャクンタラーのルールだと。ファウストもそうだ。沙代里もそう言っていた。」

「は?そうなのか?なんか気持ちが悪いな。それだったら、どちらも異能者同士で戦いたいだけに思えてくる。」

南は言語化することで、おかしな点に気が付き始める。それは気が付けた時点でもうこの異能の説明は終わらせてもいいことであった。しかし友人として最後に話さなくてはならない。事の真相を。

「そうだろうな。その創始者様はそれを望んでいるんだろう。そして、気持ちの悪い点は組織に属している奴がみんな、その命令に普通に従っていることだな。考えればこんな簡単なことは分かるだろ?でも、不思議なことにそれで良しとされている理由はなんだろうな?」

「ん。確かにな。ぶん殴っても異能が消せないんじゃあ意味がない。なのに、それで今の今まで何の不信感も抱かずに組織は成り立っている理由か。」

「考えられることは一つだ。誰かが、この異能者たちを管理しているんだ。アホな組織を二つも創ってな。」

「…………待て。待て。じゃあ香はどうなんだ?あいつは…………だって。そいつが異能を管理しているなら、そいつの所為で香は苦しんでいたのか!?」

南の怒りも分かる。そんな者の所為で自分の好きな人間が苦しんでいたというが許せないのだろう。

しかし、違うだろうな。

まず彼女は組織に属していない。そして野良の異能者をあいつがどれほど管理できていたか分からない。

あいつは多分、良かれと思ってやっていたのだろう。

そう思った。

あまりに俺が異能という夢のような力を称賛するから、それが良いことだと思い込んでいたのかもしれない。

あくまでも予想に過ぎないが。

「まぁ待て。ことを急ぐな。順を追って話すから。そうしないといけないんだ。そうしないとお前も異能の中に入って出られなくなる。」

「は?どういう意味だ?」

南は苦虫を噛み潰したような顔で黙って俺の話を聞く。

「話を続けるぞ。…………全員が時計を拾って、組織を作って戦う。一方は悪い組織で、もう一方は善の組織。どうだ?おかしいだろ?」

「ん?何が言いたい?」

「異能なんてものがあれば、こんな町で競い合わずに、世界にでも出て金儲けを企めばいい。なにをこんな町にこだわってやつらは異能戦争みたいことをしているんだろうな?バカなのか?それに加えて、どうだ?あいつらが大事にしているその異能の譲渡手段すら知らないんだ。普通はその力のすべてを知りたくなるだろ?なんでだ?答えは簡単だ。譲渡は禁止されているからだ。全てのルールが存在している。
可笑しくて吐き気がするな。そんなルールを絶対遵守であいつらの組織は成り立っているわけだ。」

「でも。俺はあの日吉とか言うやつの異能を受け継いだだろ?それはルール違反じゃないのか?」

「その日吉の奴の体から直接、時計を取ったのか?」

「いや。違うが。」

「偶然だ。それは。南の異能は日吉の異能じゃない。というより、日吉のレベルBの異能なら、あのオタク五人の攻撃を撃退できなかっただろう。そもそもレベルの概念も瀬川が勝手に付けたものかもしれないしな。その南が持っている時計は日吉の物じゃない。別の時計だったんだ。」

「ん?だから何が言いたい?」

「奴らは譲渡を禁止されており、戦うことを強制されて、それでいて相手の異能を消去できない。戦いはそいつ次第では一生続けることも可能だな。これは?」

「一種の飽和状態だな。」

「ああ。そうだ。これは何かを待っているんだ。所謂、舞台づくりみたいなものだ。」

「いや。意味が分からない。お前は何を言っている?…………悪い。西京。俺、またトイレ行きたいんだけど?」

「なぁ。南。さっき行ってからまだ5分しか経ってないぜ。お前、頻尿だったのか?」

「いや。そんなことはなかったんだが。」

「あと、さっきからえらく否定的だな。お前も俺も好きな組織同士の異能バトルの話をしているのに。」

「…………それは。」

「ああ。とりあえず聞けよ。そのまま帰ろうとしているだろ?まずカバンを置け。」

南は何故かトイレに行くはずがカバンを持って、帰ろうとしていた。彼は人が話しているときに無言で立ち去ったりするような奴ではないし、明らかに今の行動は不自然だ。何かが妨害している。何がかはもう分かっているが。
これが彼らがルールを守る不思議な力の片鱗なのかもしれない。

「よし、とりあえず話の続きをしようか。」

「あ。ああ。手短に頼む。膀胱大パニックなんだ。」

「わかった。…………直接的な言い方をすれば、これは全部、異能の仕業だ。」

「は?」

「何か分からないか?これは異能なんだよ。いや、もともと異能なんてものはないんだ。だが、あったんだ。異能はあったんだ。」

「どういう意味だ?」

「お前、俺が橋の上から飛び降りたの見てただろ?」

「待て待て!…………あれは夢じゃないのか?」

「ああ。夢じゃない。俺は死のうとしてたんだ。その時、時計を拾った。その時計を使えば、過去を変えられる。そういう異能があったんだ。今となっては誰も彼もが異能を使うが、あの世界にはその異能しかなかった。平常時なら俺もそんな馬鹿な異能を信じたりしなかっただろう。でも、もうあの時は限界だった。もし、本当に変えられなくても、最後に縋ってしまったんだな。死ぬか異能が発動するのか?どちらかだった。」

「何を言っている?」

「この世界は異能者が創った、その異能者のための世界なんだよ。話が飛躍しすぎたか?なんでって不思議そうな顔をしているな。大丈夫だ。もう異能もここまで来たら南に隠しようがない。こんなことはあいつも想像していなかっただろうからな。俺と南が記憶を取り戻すとは考えていなかっただろう。」

そう。この異能がはびこる世界は異能者である人間が、過去を改変して作ったのだ。その異能は過去を改変し、世界を作り変える異能。

「ワールドメイク」だ。

だが、こんなバカげた世界を創ったということは、もう限界まで来ている可能性があるな。それはそうだ。あの異能は創り変える異能であって、自分の意思に従う異能ではない。想像するすべてを現実に置き換えることができても、人にその未来をすべて想像することはできない。未来は今、現在創られるものだから。

「誰が…………誰が。そんな馬鹿げたことをしている?」

「俺もお前も知っている奴だ。もう分かっているだろ?」

「なんで?」

「おかしいよな。他の奴はみんな時計を保持して異能を開花する。なのに、俺は時計を拾ってもなければ、持ってもいない。俺だけが時計を持っていない。それでいて異能を消去するチート異能だ。おかしいだろ?そんなものこの異能で敵を倒してきてねって言ってるようなものだ。ってことは俺の周辺の人間の仕業じゃないか?それでいて異能の知識に乏し人間だ。まぁ俺以外にチート異能を持っている奴がいれば、この仮説は崩れるが、瀬川の資料にも、沙代里に聞いてもそんな異能の奴はいなかった。」

「それがなんなんだ?何の意味があるんだ?」

「知らない。でもそいつにとっては意味のあることだったんだろう。」

「なんだそれ…………じゃあ。香は何のためにあそこまで苦しんだんだ。あんなに苦しんで、それでも何も得られなくて。あいつは何のために…………。」

南は苦しそうに声を出す。彼の西山さんへの想いは何一つ消えていないのだ。彼が苦しんでいるということ。それを彼女に伝えたのは俺だ。そうして、今、このように時を急ぐように抗争は勃発しているのだろう。 
終わりに向かって。

「それはあいつの想像力がなかったのか、それともどうでもよかったのか。でもまぁ、それで心を揺さぶられたんだろうな。もう、終わりが近い。早めたのかもしれないな。すでに舞台装置は揃っていたから。」

「終わり?」

「これはあるシナリオの通り進んでいるということだ。俺がいつも話していただろ?」

「は?」

「敵が世界を滅ぼそうとする。そこに救世主が現れて、すべてを救うんだ。それで終わりだ。そういうシナリオの元に今回、その管理者はワールドメイクを使ったんだろう。」

「どういう意味だ?」

「ファウストっていう馬鹿げた組織が解体するときにすべて分かるさ。俺は自分の仕事をこなしつつ、ここからどうなるのか?また、どうしてこんなことをしているのかをあいつに問いただすだけだ。」

「そうか…………。それが終わればどうなる?」

「さぁな、まだ分からない。だから今から、その話をしに行くよ。」

「そうか。結局、何一つ分からなかったが、謎が解けたような気がする。ほんの一部だが。」

「大丈夫だ。もう終わる。じゃあな。長い時間拘束して悪かった。トイレいけよ。」

「いや。引っ込んだ。」

「そうか。」

俺はそのまま文学同好会の部室に向かった。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを 

青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ 学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。 お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。 お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。 レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。 でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。 お相手は隣国の王女アレキサンドラ。 アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。 バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。 バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。 せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

処理中です...