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第2章 始めての育成を経て、危険人物として知れ渡る
60話 ユウトとマサトの災難4
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その後、俺たちが一神三徒教の施設を出ると、久しぶりにデュオの街並みを見る事になった。
「おおー、懐かしー」
「ずっと雑居房の中だったしな」
「ああ、本当に俺たちを再召喚してくれたーー」
するとそのマサトの言葉の途中で割り込むようにして、俺たちに話しかけてくるやつがいた。
「あれ、お前らって確か勇者パーティーのユウトとマサトだよな? 確か魔王城で消されたって話じゃ……」
こいつの事は知らないが、俺たちは冒険者の中じゃ有名だから、まあ知られていても不思議ではない。
そのモブ冒険者の言葉にマサトが答える。
「ああ、一度消されたが戻ってきてやったぜ」
「魔王城にいる敵の強さは把握したから次は大丈夫だ」
「へー、って事は他の消されたやつも戻って来れるのかもしれないのか。……ん? 消されたのに戻ってきたってどういう……?」
何やら考えているようだが、説明が面倒だな。
こいつの話にでも持っていけばいいか。
「それで、あんたは神殿に用事か?」
「そうそう。そうだった、今日ようやく順番が回ってきてな。衛兵からの伝言で、転移系統が使えるのと上位魔法使いの異世界人を呼ぶから神殿に来るように言われたんだよ」
それは残念だな。
どうやら俺たちが変わりに来たみたいだから、そいつらは来ないぞ。
ついでだし、こいつから何か情報を得られればいいが。
「それは良かったな。ところで、俺たちがいない間に何か変わったことはあったか?」
「敵の目撃情報とかな!」
「敵か、いるにはいるんだが」
お?
あまり期待しないで聞いたが、まさかの当たりか。
「どこだ?」
俺は装備と一緒に手に入れた地図を取り出して、モブ冒険者に見せる。
「えっと、ここから少し遠いけど、北東に行ったここの森の奥地……確かこの辺りのはずだ。上空からの映像じゃ確認できなかったのに、そこにオークの里が隠されてたんだ」
おいおい、当たりどころか大当たりじゃないか。
これは急ぐべきか。
……ハヤク、イコ、ダレカニトラレルマエニ、ハヤク、イコ!
そうだな善は急げとも言うしな。
「オークの里か! それなら今の俺達でも行けるな。いいことを聞いた。さっさと行こうぜユウト!」
「ああ、まずは経験値稼ぎだ」
「あっ、おいちょーー」
何やら焦っている様子だったが、大方俺たちがサンドバッグどもを全部狩り尽くしてしまうとでも思ったのだろう。
まあ、その通りなんだが。
少し遠いが軍資金も一神三徒教からもらった事だし、さっさと準備をして向かうとするか。
里なら相当稼げそうだし、今までの鬱憤を晴らすのにも十分な数のサンドバッグがいそうで、実に楽しみだ。
情報を元に森に入った俺とマサトは、モブ冒険者に聞いた辺りの場所に来ていた。
それからマサトと共に、少し離れた状態で探索範囲を広めて探したところ、本当にオークの里が見つかった。
「うおお、滅茶苦茶いるじゃん!」
「今はあまり騒ぐなよ。様子を見てるんだから」
「わかってるって!」
それにしても、あのオークの里を覆っている赤い半透明の膜はなんだろうか。
まさか、あれのせいで空から探せなかったのか?
「あの赤いやつがもしかして空からの目をごまかしてたのかな」
「あー、なるほど。ユウトは相変わらず頭いいよな」
いや、そうと決まったわけじゃないんだが、まあ他に考えられないしな。
形状から見たら結界に見えなくもないけど、あんな色の結界は見たこと無いからな。
「じゃあ、さっそく行こうぜ。……おらおら、オーク共! お前らこんな所に集まってやがったんだなー!」
あっ、マサトが先に行きやがった。
まあオーク程度ならなんとでもなるか。
マサトに追いつくと、里の奥からわらわらとオーク共が集まってくるのが見える。
おいおい、どれだけいるんだよ。
これだけいるなら、1匹をちまちま痛めつけなくて済むどころか狩り放題じゃないか。
そんな中、俺たちを見た1匹のオークが腰を抜かして、震えた様子で俺たちを指さしている。
サンドバッグが生意気にもだ。
決めた、まずはあれからだ。
「あ、ああああ! あの2人の人間はあの時の!」
あ? サンドバッグに知り合いは居ないが……ああ、前にボコった時にいた他のサンドバッグかな、もしかして。
……なんだ、やっぱりあの偽善者タクシー君は魔王軍のやつらを逃していたのか。
じゃないと俺はあいつらを逃した覚えもないから、俺の事を知っているサンドバッグがいるわけないし、それだと説明つくからね。
ん? なにやら腰を抜かした奴にそれぞれ大小サイズの2つのサンドバッグが話しかけてる?
……と思ってたら、その2つがこっちに向かって来たな。
「お、やる気か……なんだこれ、硬えぞ」
するとマサトが相手をしようとしたらしく前に出るが、一応警戒してなのか赤い半透明の膜に武器で触れるとガンガンと固いものをぶつけるような音が聞こえてくる。
あれ、視覚阻害の何かじゃなくて、赤い……結界なのか?
「おおー、懐かしー」
「ずっと雑居房の中だったしな」
「ああ、本当に俺たちを再召喚してくれたーー」
するとそのマサトの言葉の途中で割り込むようにして、俺たちに話しかけてくるやつがいた。
「あれ、お前らって確か勇者パーティーのユウトとマサトだよな? 確か魔王城で消されたって話じゃ……」
こいつの事は知らないが、俺たちは冒険者の中じゃ有名だから、まあ知られていても不思議ではない。
そのモブ冒険者の言葉にマサトが答える。
「ああ、一度消されたが戻ってきてやったぜ」
「魔王城にいる敵の強さは把握したから次は大丈夫だ」
「へー、って事は他の消されたやつも戻って来れるのかもしれないのか。……ん? 消されたのに戻ってきたってどういう……?」
何やら考えているようだが、説明が面倒だな。
こいつの話にでも持っていけばいいか。
「それで、あんたは神殿に用事か?」
「そうそう。そうだった、今日ようやく順番が回ってきてな。衛兵からの伝言で、転移系統が使えるのと上位魔法使いの異世界人を呼ぶから神殿に来るように言われたんだよ」
それは残念だな。
どうやら俺たちが変わりに来たみたいだから、そいつらは来ないぞ。
ついでだし、こいつから何か情報を得られればいいが。
「それは良かったな。ところで、俺たちがいない間に何か変わったことはあったか?」
「敵の目撃情報とかな!」
「敵か、いるにはいるんだが」
お?
あまり期待しないで聞いたが、まさかの当たりか。
「どこだ?」
俺は装備と一緒に手に入れた地図を取り出して、モブ冒険者に見せる。
「えっと、ここから少し遠いけど、北東に行ったここの森の奥地……確かこの辺りのはずだ。上空からの映像じゃ確認できなかったのに、そこにオークの里が隠されてたんだ」
おいおい、当たりどころか大当たりじゃないか。
これは急ぐべきか。
……ハヤク、イコ、ダレカニトラレルマエニ、ハヤク、イコ!
そうだな善は急げとも言うしな。
「オークの里か! それなら今の俺達でも行けるな。いいことを聞いた。さっさと行こうぜユウト!」
「ああ、まずは経験値稼ぎだ」
「あっ、おいちょーー」
何やら焦っている様子だったが、大方俺たちがサンドバッグどもを全部狩り尽くしてしまうとでも思ったのだろう。
まあ、その通りなんだが。
少し遠いが軍資金も一神三徒教からもらった事だし、さっさと準備をして向かうとするか。
里なら相当稼げそうだし、今までの鬱憤を晴らすのにも十分な数のサンドバッグがいそうで、実に楽しみだ。
情報を元に森に入った俺とマサトは、モブ冒険者に聞いた辺りの場所に来ていた。
それからマサトと共に、少し離れた状態で探索範囲を広めて探したところ、本当にオークの里が見つかった。
「うおお、滅茶苦茶いるじゃん!」
「今はあまり騒ぐなよ。様子を見てるんだから」
「わかってるって!」
それにしても、あのオークの里を覆っている赤い半透明の膜はなんだろうか。
まさか、あれのせいで空から探せなかったのか?
「あの赤いやつがもしかして空からの目をごまかしてたのかな」
「あー、なるほど。ユウトは相変わらず頭いいよな」
いや、そうと決まったわけじゃないんだが、まあ他に考えられないしな。
形状から見たら結界に見えなくもないけど、あんな色の結界は見たこと無いからな。
「じゃあ、さっそく行こうぜ。……おらおら、オーク共! お前らこんな所に集まってやがったんだなー!」
あっ、マサトが先に行きやがった。
まあオーク程度ならなんとでもなるか。
マサトに追いつくと、里の奥からわらわらとオーク共が集まってくるのが見える。
おいおい、どれだけいるんだよ。
これだけいるなら、1匹をちまちま痛めつけなくて済むどころか狩り放題じゃないか。
そんな中、俺たちを見た1匹のオークが腰を抜かして、震えた様子で俺たちを指さしている。
サンドバッグが生意気にもだ。
決めた、まずはあれからだ。
「あ、ああああ! あの2人の人間はあの時の!」
あ? サンドバッグに知り合いは居ないが……ああ、前にボコった時にいた他のサンドバッグかな、もしかして。
……なんだ、やっぱりあの偽善者タクシー君は魔王軍のやつらを逃していたのか。
じゃないと俺はあいつらを逃した覚えもないから、俺の事を知っているサンドバッグがいるわけないし、それだと説明つくからね。
ん? なにやら腰を抜かした奴にそれぞれ大小サイズの2つのサンドバッグが話しかけてる?
……と思ってたら、その2つがこっちに向かって来たな。
「お、やる気か……なんだこれ、硬えぞ」
するとマサトが相手をしようとしたらしく前に出るが、一応警戒してなのか赤い半透明の膜に武器で触れるとガンガンと固いものをぶつけるような音が聞こえてくる。
あれ、視覚阻害の何かじゃなくて、赤い……結界なのか?
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