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日常編
第70話「決意とすれ違い」
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最近、ミッドナイトマートに頻繁に訪れる若い青年がいた。
買い物はいつも簡単なもので済ませるのに、今夜は棚の間を何度も行き来して落ち着かない。時折、レジのニナをちらりと見ては視線をそらし、また棚の陰に隠れる――そんな動きを繰り返していた。
やがて、青年は深呼吸をひとつして意を決し、カゴを持ってレジへと向かう。
「いらっしゃいませ」
いつも通りのニナの声に、青年の背筋が少し伸びた。
ニナがバーコードをスキャンする間、青年は何度も口を開きかけては閉じ、ついに声を上げた。
「……あのっ!」
ニナが手を止める。
「前から……気になっていました。今度、デートして下さい!」
青年は深々と頭を下げた。
ニナは一拍置いて、再び無言でスキャンを再開する。
ピッ、ピッ……「――300ストーです」
青年は代金を支払い、釣り銭を受け取る。
「ごめんなさい。今は仕事と魔法の修行で一杯です」
はっきりとした拒絶に青年が一瞬しゅんとしたその時、すぐそばで袋詰めをしていたレンが、聞こえていたのか苦笑いを浮かべた。
青年はそれに気づき、少し照れくさそうに笑い返す。
「……“今は”ってことは、いつか可能性がありますね」
そう言い残し、軽く手を振って店を出て行った。
青年の背中が消えていくのを見届けてから、ニナは小さくため息をついた。
「お断りしたつもりなんですが……」
レンは肩をすくめ、「まぁ、悪い印象は与えてないからね」と笑う。
二人はまたそれぞれの作業に戻った。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」――その声が、外に出た青年に届いたかどうかは分からない。
買い物はいつも簡単なもので済ませるのに、今夜は棚の間を何度も行き来して落ち着かない。時折、レジのニナをちらりと見ては視線をそらし、また棚の陰に隠れる――そんな動きを繰り返していた。
やがて、青年は深呼吸をひとつして意を決し、カゴを持ってレジへと向かう。
「いらっしゃいませ」
いつも通りのニナの声に、青年の背筋が少し伸びた。
ニナがバーコードをスキャンする間、青年は何度も口を開きかけては閉じ、ついに声を上げた。
「……あのっ!」
ニナが手を止める。
「前から……気になっていました。今度、デートして下さい!」
青年は深々と頭を下げた。
ニナは一拍置いて、再び無言でスキャンを再開する。
ピッ、ピッ……「――300ストーです」
青年は代金を支払い、釣り銭を受け取る。
「ごめんなさい。今は仕事と魔法の修行で一杯です」
はっきりとした拒絶に青年が一瞬しゅんとしたその時、すぐそばで袋詰めをしていたレンが、聞こえていたのか苦笑いを浮かべた。
青年はそれに気づき、少し照れくさそうに笑い返す。
「……“今は”ってことは、いつか可能性がありますね」
そう言い残し、軽く手を振って店を出て行った。
青年の背中が消えていくのを見届けてから、ニナは小さくため息をついた。
「お断りしたつもりなんですが……」
レンは肩をすくめ、「まぁ、悪い印象は与えてないからね」と笑う。
二人はまたそれぞれの作業に戻った。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」――その声が、外に出た青年に届いたかどうかは分からない。
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