【完結】彼女が幸せを掴むまで〜モブ令嬢は悪役令嬢を応援しています〜

かわもり かぐら(旧:かぐら)

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モブ令嬢イェーレ

14. もう少し待ってほしい **

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 エリザベスを部屋まで送り届けて、自室に戻る。
 デイジーは伝えた通り休んでいるようだ。ため息を吐いて、バサバサと正装を脱いでいく。本当はこのまま寝たいが、ハンガーぐらいはかけておかないとデイジーに後で怒られるな。

 ふと、姿見に自分が映っているのが目に入った。
 鏡の中にいる自分はいつもどおり、無表情だ。眼鏡は外しているので、本来の目の色が見えている。

 エルと同じ、ルビーのような赤い瞳。
 普段かけている眼鏡はその色を隠す魔道具だ。人前に出るときは手放せない代物。
 エルを受け入れてくれたエリザベスなら、外しても大丈夫だろうか…いや、もう少し様子を見よう。正式に彼らが番となったのを確認してからの方がいい。

 姿見から視線を外し、下着も着替える。もう疲れたからシャワーは明日に、とパンツを脱ぎかけて固まった。し…しみができて…どう考えたって殿下とのキスのときしかない。あとはあれだ。殿下の……ああああああ!!

 思わずしゃがみ込んで、頭を抱えた。
 顔どころか全身が熱い。


「痴女かよ…!」


 ぼんやりとだけど覚えてる。
 レアーヌ愛し子への保護欲求に抗えずにフラフラ行こうとしてた私を、殿下が隣の部屋に引きずり込んだ。殿下が近衛騎士には何か言ってたから、たぶん他言無用か何かを言いつけたんだと思う。
 意識が朦朧としていた私は、傍に番と認めた相手がいて箍が外れたらしい。そのまま殿下の手を掴んでソファに押し倒して、驚いていた殿下にそのまま……あと、たぶん、殿下の殿下に押し付けてた。

 あ、ヤバい。思い出しちゃダメだったやつだったこれ。

 あそこの奥が切ない。足りない。ヒクヒクと勝手に動いて、とろりと中から出てくる。
 殿下のでここを満たしたい。殿下のをここに挿れて、私だけのにしたい。
 番を愛したい、愛されたい。


『エレン、だいじょうぶ?』
『レオナルドよぶ?』
「よ…びたい、けど…ダメ…まだ、つがいじゃない…」


 気力を振り絞り、パンツ一枚のままフラフラとベッドに倒れ込む。
 あとはもう、自分でどうにかするしかないのは回らなくなってきた頭でも理解できていた。


「ちょっと、発散する…から、部屋、出てて。ごめん」
『わかった』
『ひつようだったらよんでね』


 ふ、と普段はそこらへんにいる野良精霊たちの気配が消える。
 私は布団を被ると、そのまま濡れそぼったそこに指を挿れた。きゅう、と自分でも分かるほどに指を締め付ける。ああ、でも、足りない。
 挿れる指を増やして、気持ちよく感じる部分を擦る。反対の手でクリトリスを弄りながら、殿下が私の名前を呼んだ声を思い出す。ゾワゾワと背筋が震えた。


「ひ、ぁっ、でん…でんか…ッ、ぁ、」


 布団の中からぐちゅぐちゅと音がする。
 足りない、足りないけど、ひとまずこの熱を発散するにはイかなきゃ。指を出し入れするスピードを早くする。もう少しやればイけそう、というとき、耳元で幻聴が聞こえた。


『エレン』
「っ、へ、」
『気持ちいい?』


 殿下が耳元で囁いてる。それだけで快感が増した気がした。


「あ、いい、きもちいいの…っ、でんか、でんかぁ…!」
『…っ、エレン、レオって呼んで』
「はひ、れお、レオっ」


 布団の中ではしたなく足を広げて、快感をひろう。奥までほしいのに指の長さが足りない。
 耳元でレオの息遣いが聞こえる。まるでそこにいるかのように。
 膣の中にある、前世ではGスポットと呼ばれていた場所を強く擦ると背筋が震えた。指があるところよりももっと奥深いところが切ない。


『イきそう?』
「ぁ、うっ、うん、イきそ、イきたいッ」
『は、うん、じゃあ一緒にイこうエレン。そのまま、中と一緒に外にある豆も強く擦ってご覧』


 指示通り、クリトリスとGスポットを同時に強く擦った、と同時に強い快感が襲ってきた。きゅうきゅうと自分の指が締め付けられる。


「ンっ、ぁ――ッ」
『ぅっ…』


 全身の力が抜けて、指も膣から自然と抜けた。
 イッたあとのなんとも言えない疲労感でぼーっとしていると「エレン」とまた呼ばれた。
 ……そういえば、なんで殿下の声が聞こえて…?


『また、明日』


 聞こえた方向に視線を向ければ、枕元に刻んだ覚えがない魔法陣が描かれた用紙が。効力を失った魔法陣から輝きが失われる。


 …………え。っていうことは、今まで会話してたのって、本物………。


 あの子の「ひつようだったらよんでね」ってそういうことかァ――!!とんでもない置き土産じゃん呼んだよ!殿下呼んじゃったよ!!

 悲鳴を上げたかったけどさすがに深夜ということもあって、堪えた。この部屋は多少防音にはなっているけど、叫べばデイジーがすっ飛んでくるくらいには声は通る。代わりに何度も枕をベッドに叩きつける。

 明日どういう顔して会えばいいんだっていうか殿下も「また明日」って何!?


「………シャワー浴びよう」


 一回シャワー浴びて寝よう。うん。




 ろくに寝られないまま、朝を迎えてしまった。
 朝早くにエル(分体)に叩き起こされたのもある。そろそろ寝れそう、とウトウトしていた頃合いに「エリザベスと城下でデートしたいんだけどどこかいいとこない!?」と叩き起こされた私の心情を察してほしい。デイジーが引き取ってくれなかったら魔法ぶっ放してたと思う。
 そこからなんだか目も冴えてしまって二度寝できなかった。ちくしょう。

 仕方ないので鍛錬したあと、準備を整えて王城へ向かった。服装?騎士団の通常勤務に使う常装だよ。ドレスでなんか行かないよ、夜会でもあるまいし。
 竜騎士団の通常勤務服は徽章などの最低限の装飾が施されている開襟かいきんのジャケット。中はワイシャツとクラバットで、女騎士はふくらはぎまであるフレアスカートだ。ちなみにこの一式、すべて魔法がかかっており多少の攻撃は弾く。ただし高ランクモンスターの場合、ほとんど効かないのでそういった類を相手する場合は軍服に着替えるか鎧を着用する必要がある。

 殿下が事前に連絡してくれていたのだろう、招待状も何もない状態なのに私を見て「お待ちしておりました」と衛兵が繋いでくれた。

 殿下の執務室へと案内され、通される。
 大丈夫、大丈夫。私顔に出ない子だから。代わりに口が出るけどお口チャックすれば問題ない。あとこれは仕事だ仕事!

 椅子に座っている殿下と目が合うと同時に、敬礼した。


「イェーレ・ライズバーグ。招集に応じ参上しました」
「ご苦労、ライズバーグ第二種騎士殿。こちらは今回、君の証言を記録するヤン・ルーチェ裁判補佐官だ」
「お初にお目にかかります。ヤン・ルーチェです。お会いできて光栄です。記録のため、魔道具に発言を記録させていただきます。ご了承ください」
「こちらこそお会いできて光栄です。もちろん、問題ありません」


 握手を交わして応接セットのソファに腰掛けると「早速本題ですが…」と話を切り替えられる。彼の手元には映像を記録する魔道具があり、起動された状態だ。

 そこからは、普通に聞かれたことに対して答えるだけだ。
 今回の聞き取りはイーリス第二王子の横領に関する内容なので、レアーヌの休日の衣装等について答えればいい話。といっても、毎回把握していたわけじゃないし、覚えている限りだけど。
 内容はそれだけだったから、証言の記録はあっさりと終わった。魔道具が停止されて、裁判補佐官が頭を下げる。


「ご協力いただきありがとうございました。いやあ、すんなりお話いただけて助かります」
「協力するのは当然のことですから」
「ですよね…もう…支離滅裂な内容話すのほんとやめてほしい…あ、失礼しました」


 第二王子が支離滅裂な内容でも話してんのかな…?
 ぺこりと頭を下げて、退出した裁判補佐官を見送る。殿下は軽くため息をついて、椅子から立ち上がった。


「ありがとう。助かったよ」
「先ほども彼にお伝えしましたけど、当然のことです」
「うん。ところでエレン、このあと約束通りティータイムはどうだい?」
「殿下がよろしければ」
「それじゃあ、場所を移動しようか」


 執務室じゃなくて場所を移すのか、と殿下の行動を目で追っていれば、彼は私の隣に立ったまま私の手を取った。そのまま、手の甲に口付けられ、ってなんで??
 内心混乱する私を知ってか知らずか、殿下はにこりと微笑んだ。


「今日はちょっと帰すのが遅くなるかもね」
「………は?」


 ぐいと手を引かれ、強制的に立たせられる。
 手は掴まれたままずんずんと進んで、執務室から出ると護衛騎士に「部屋に戻る」と言いつけた。護衛騎士は敬礼で答えると、そのまま手を引かれて歩かされる。


「殿下!?」
「ライズバーグ夫人から君の体質…というか、精霊族の体質についてを教えてもらったよ。キスだけじゃ本来は足りないんだろう?」
「そっ、れはそうなんですが…っ」


 お母様!!何教えてるんですか!!
 すれ違う侍女や使用人たちが何事かとこちらを見ている。殿下の執務室から、寝室まではそれなりに距離はあったが早足で歩けばすぐのようなものだった。
 部屋の前でピタリと足を止めた殿下は、振り向いた。


「嫌なら手を振り払うといい」
「…っ」
「30秒だけ待つ」


 殿下が私の手を掴む力を緩めた。これなら、少し手を動かせばすぐに振り払えるだろう。振り払っても殿下は変わらずいてくれるだろう。

 でも、手を動かせなかった。これから何があるのか分かっているからこそ、動かせなかった。


「―― 30秒経ったよ、エレン」


 私を見て愛おしそうに微笑むと、殿下が私の手を握り直し、ドアを開けて部屋の中に入る。
 初めて殿下の寝室に入った。審美眼がない私でも分かる、シンプルだけど職人が腕によりをかけて作られた上品なインテリアで統一された落ち着いた部屋。入った瞬間に殿下の匂いに包まれたようで思わず生唾を飲み込んだ。
 そのまま、ソファに連れられてそこに座らせられる。隣に座った殿下の顔が見れない。ここまで心臓が煩いのは人生で初めてな気がする。命のやり取りがあるモンスター退治ですらこんなことはなかったぞ。


「まあ、とりあえずお茶を飲もうか。積もる話もあるし」
「え、あ、ハイ」


 控えていた使用人と侍女が手早くテーブルの上にティーセットやお菓子を用意していく。
 湯気が立った紅茶を口に含むと、張り詰めていた部分が緩んだ気がしてホッとする。

 殿下が隣に座っているという点を除けば、そこからは普通の会話だった。最近辺境のモンスターたちが活発化している問題についてだとか、身を守る魔道具の改良についてとか、美味しいお菓子の話だとか。まあ部屋の中に侍女さんいるからそんな変なことはしないか。
 ただ、野良精霊たち。殿下には聞こえてないだろうけど「レオナルドへたれ」「おしたおせ!」とかちゃちゃ入れるんじゃない。

 あっという間に時間は経って、気づけば窓の外は夕暮れ時。「そろそろ…」と切り出したタイミングで、殿下はにっこりと笑った。


「昨夜、あんなにかわいい声を聞かせてくれてありがとう」


 ……ボッと顔が熱くなった。
 え、や、ちょ、ちょっと待って。


「あ、れは、不可抗力というかなんというか精霊が勝手にやらかしたことというか」
「うん、驚いたよ。イェソンから手渡された紙からエレンの声が聞こえてきたから」
「兄様のせいか!!」


 あの野郎!!と思わず叫びそうになったタイミングで殿下に手を握られた。
 ぐいと顔が近くなって、思わず「ひぇ…」と声が漏れ出てしまう。いやだって殿下の顔ってさすが攻略対象者ってなるぐらい美形なんだよホントに。兄様は武闘派イケメン的なキリッとした美形だけどこっちはTHE王子様的なイケメン。


「エレン、気づいてるかい?」
「な、なにを?」
「他人の前だと表情は変わらないけど、気を許した相手の前だと笑ったり、怒ったりしてるのが分かるぐらいには表情が出ているんだよ。ほら、今も顔を真っ赤にして驚いてる」


 そらこんなイケメンに迫られたら誰でも顔は赤くなるでしょ!!
 さすがに目を合わせられないので視線を彷徨わせた挙げ句、殿下の鎖骨付近を見ることにした。だって今服をかっちり着てるから、そこを見ても問題ない。うん。


「もう半年経った」


 耳元で囁かれてビクリと体が震える。
 そう。入学(正確には編入だけど)してから半年はレアーヌが誰を攻略するか分からなかったから、ルートが確定するまでは殿下の想いに応えるつもりはなかった。途中からレアーヌの目的がイーリス第二王子だってのも分かったけど、昨夜のレアーヌの反応からしてイーリス第二王子を一途に想っているわけじゃない。

 …いま、生きているこの世界が私にとっての現実であることは理解している。エルも、兄様も、エリザベスも、いつの間にか私を抱きしめている殿下も生きていることも理解している。
 それでも前世の、この世界に類似したゲームが忘れられない。


「俺はもう、すでに6年半待ってるから。もう少し待つことは苦ではないよ」
「…殿下」
「レオって呼んで」
「え、いやそれは」
「この部屋に俺とエレン以外は誰も居ないよ」


 その言葉に思わず周囲を見渡せば、部屋に控えていたはずの侍女と使用人がいない。いつの間にかティーセットは最低限のものだけ残されて、あとは片付けられていた。さすがプロ…。
 ふわふわと浮かぶ野良精霊たちが、ニコニコと笑う。


『ぼくたち、外にいる!』
『声もきこえないようにしなくちゃ!』


 ううん!?何しようとしてんの!?
 なんだこれ。なんでこんな外堀急に埋まった。


「エレン」
「ぅ…」


 それでも殿下の乞う声に逆らえきれず、恐る恐る繋がれていない手を伸ばして殿下の服の裾を掴む。うん、チョロいって分かってるよ。自分でもビックリなぐらい殿下に甘いのは分かってる。頭では分かってるけど自制できないっていうか。殿下は中毒性があるなにかか。


「……レオ」


 でもやっぱり顔が見れないから、俯いたまま愛称を呼んだ。絶対顔真っ赤だ。熱いもん。

 ふと顎に手を添えられてぐいと上げられると、目と鼻の先にあったレオの瞳と目が合った。間抜けにも驚いて口を開けてしまったために、そのままぬるりと舌が入ってくる。
 逃げようにもがっちりと背中に腕を回されている。舌を引っ込めようとしたものの、追いかけられて絡め取られた。舌と舌が触れ合うと、下腹部が切なくなる。


「んぅ、ふ…っ、ぁ」


 もう既に両手で数えきれないほどこのキスを繰り返した。だから自然とどうすればお互い気持ちいいのか分かっている。
 私からも舌を伸ばして、レオの舌を吸う。するとレオがわずかに声を漏らした。その声が良くて、もっと聞きたいとレオの方へ重心を傾けていく。

 不意にレオが唇を離した。と、同時にぐらりと後ろに倒れて天井とレオが見える。レオが私に跨っていた。レオが舌舐めずりしながら襟なしシャツのボタンを緩め、リボンタイをとく姿が色っぽくて腰がゾワゾワする。しかも、レオのあそこは少し盛り上がってて……
 あれ、でもちょっと待ってこのままだとR18コースでは?


「でん、かっ、ちょっと待「レオ」~~っ、レオ待って!」


 ジャケットのボタンを外され、フレアスカートを捲し上げらそうになった辺りでなんとか手を止めさせた。
 小首を傾げて「どうした?」なんてとぼけても流されないからな!


「婚約もしてないのにそれはダメ!」
「じゃあ婚約しよう、エレン」
「そっ…れは…」
「…何が不安?」


 不安しかない。だって王太子妃なんてできない。人には向き不向きがあって、私は社交系は不向きだ。
 勉強だって得意じゃないし、どっちかっていうと体を動かしたいし。


「そう?座学の講師は褒めていたけれど」
「へ?」
「また口に出ていたよ。その癖は直した方がいいだろうね」


 唇を指でなぞられる。レオはうっとりとしながら私の唇に触れながら「他には?」と聞かれた。
 言ってもいいんだろうか。自分は前世持ちで、この世界のゲームがあって、それをプレイしたことがあるって。

 思わず口を噤むと、レオがふと息を吐いて私の首筋に顔を埋めた。ソファに押し倒されているので私に覆いかぶさってきた感じだ。いつの間にかフレアスカートの裾を腰まで上げられた状態でぐり、と下着越しにレオのが当たって身体が震える。


「…本当はエレンが言うまで黙っていようと思っていたんだけど、エレンが前世持ちって知ってるよ」
「え」
「ライズバーグ夫人から教えてもらったんだ。この世界や俺たちとほぼ同じ人間が”おとめげーむ”とやらに出ているんだろう?」
「お母様…!」


 どこまで手を回してるんだあの人…。
 若干遠い目になりながら天井を見ていると、首に吐息がかかる。背筋から腰に走ったぞくりとした感覚に思わず腰を上げてしまい、レオのに擦りつけてしまった。ちょっと腰を上げただけなのに、レオがぴったりくっついてるせいだ。
 それが悪かったのか、首筋を舐められながら下着越しに擦りつけられる。ちょ、まって、これヤバい。


「ん、ぁっ、それやだ…っ」
「どれのこと?」
「ひっ」


 かぷ、と耳たぶを噛まれる。「ねぇエレン」と吐息混じりに囁かれるともうダメだった。あそこが寂しい。下着越しに擦るだけじゃなくて、直接触ってほしい。
 そんな言葉がまた口から出ていたのか、レオが下着のクロッチをずらした。もうすでに下着はグショグショで役に立っていない。つぷりと膣に指が入る。自分の指じゃない、レオの指だ。それだけでイきそうになって、レオに縋り付く。


「はは…すごく歓迎されてるね。エレン、イきそうになっただろ?」
「あァっ、ま、うごかっ、はぅ」
「エレン、俺の声が好きなの?喋る度に締め付けられるのだけど」
「ん、うん、すきっ、すきィッ」
「昨夜も俺の声で自慰してたけど、気持ちよかった?」
「ひゃぅ!あ、くび、や…ァんっ」


 いつの間にか指が増えてて、グチュグチュと音を立ててレオが指を抜き差ししたり、中を強く擦ったりしている。耳から首筋を唇でなぞられて、不意に吸い付かれた。場所をずらしながら何度も吸われ、その度に腰が勝手に揺れる。
 中を擦られながらクリトリスも同時に擦られて、目の前がチカチカした。子宮の辺りがきゅうと震える。


「ァっ、イく、イくっぅ~~~ッ」


 ぎゅうとレオの指を締め付けながら、はしたなく声を上げた。と同時に何かが漏れたような感覚もあってそれに身体を震わせる。イった直後で視界も思考もぼんやりとする中、覆いかぶさっていたレオが私から退いた。
 何をするのだろうとレオの動きを目で追っていれば、彼は私を抱き起こすとそのままソファの背もたれに手をつかせて私を立たせる。言われるがままその格好になった私は「なんだかレオに尻を突き出している体勢だな」と思ったところで我に返った。


「レオ、何すっひぇ!」


 ずるり、と下着を少し下ろされるとほぼ同時に、下着と秘部の間に何かが入ってきた。尻の部分にはレオの腰だろう部分が当たっている。あとグチャグチャなそこに触れているなにかが熱くて、ピクピクしてる。

 えと、つまりこれって素股!?下着つけたままとか変態か!


「はぁ、早くエレンに挿れたい」
「あ、や、」
「婚約していないから我慢するさ。本当は精霊の愛し子対策ではセックスして俺の子種を子宮ここに注ぐのがいいって聞いたけど、これだけでも一時的に効果はあるらしいから」
「ぁ、あっ、それ、だめッ」
「ほらエレン、手はここだよ。腰は動かさないように。動くと入ってしまうからね」
「ひ、むりぃッ、んっ」


 下着越しにレオのものがそこからずれないように抑えるため、私の右手が使われる。その上からレオの手を重ねられたから離せなくなった。
 レオが腰を動かすと、秘部とクリトリスがこすれる。そこから生み出される快感に腰が引けると、逃げるなと言わんばかりにレオの左手が私の腰を抑えた。その拍子にレオの亀頭が私の中に入りかけて、その感覚に頭の中がグチャグチャになる。

 中が寂しい。欲しい。
 強い快感はもらえているけど、やっぱり中に挿れてほしい。

 ふ、とレオが笑った気がした。


「エレンが俺の妃になるって言ってくれたら挿れてあげる」
「ぇ、あ…~~~ッ」


 耳元で囁かれ、今までで一番強く擦られた。そんなことされたらイくしかない。ついレオのも強く押さえてしまうと、レオも呻く。下着の中で何かがドロリと吐き出されていた。恐らく精液だろう。
 訓練や戦闘とはまた違った疲労感と呼吸にぼんやりとしていると、レオが身体を離した。支えられていた力がなくなると、膝ががくりと折れてその場に膝を付きそうになったが、レオが慌てたように支えてくれた。


「大丈夫かい?」
「……うん」
「とりあえずこれで当面は大丈夫…らしいけど、その場凌ぎでしかないから。またしばらくしたらする必要があるそうだよ」


 物足りない感はあるけど何か満たされている感覚がある。
 確かにこれならだ。


「そろそろもう寮に戻らないといけない時間だね。一緒に戻ろうか」
「…うん」


 満たされている感覚が嬉しくて、ぼんやりしたまま答えを返す。
 すると盛大な溜め息が聞こえたので思わずレオを見上げた。レオは片手で顔を覆っている。どうしたんだろう。


「レオ?」
「……いますぐ襲いたい」
「は?」
「いや、なんでもないよ。行こう」


 なんか聞き捨てならないことを言ったような。まあ、いいか。
 今はちょっと気分がいいので聞かなかったことにしよう。

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