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転生
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元(?)サラリーマンの俺こと岩神真也でございます。前回名乗り忘れてたよねめんごめんご。
……って冗談を言える空気ではないのは承知の上である。
でもさ、気付いたら王座ってなに!?いやこれは現実逃避したくなるだろ!奇跡かわかんないけど周囲に誰もいないから叫び声聞かれなかったのはめちゃくそ助かった!!
ところでさ、こんな庶民の俺が何言ってんだって感じなのだが、この王座、何処か見覚えがあるんだよな…。既視感というか、何と言うか…。
ーまぁ、言うまでもないよな。
そう、この王座、ゲームの中の俺の王座そっくりなのである。
この赤いいかにも高級品ですよって感じの布地に金色に縁どられた派手派手しい王座はやはり、ゲームの中の俺が座っていたやつだ。唖然とその王座を眺めている姿は端からみれば変質者である。ってちょっとまてよ!?ということは…。
急いで自室に戻る。ゲームの城と同じ構造なのはとても助かった。廊下でメイドらしき人や騎士らしき人が俺に首を垂れているのが視界に入ったが、今は気にしてられない。
ゲームの中の俺の自室の前まで来た。王の部屋は扉からして荘厳じゃないと、という安直な考えのもと、いかにも王の部屋ですよということがアピールできるような扉を厳選し、その中から特に気に入ったデザインの扉を設置したのだが、その扉が今、目の前に、忠実に再現されている。ほわあ、と間抜けな声が口から洩れてしまった。…誰も聞いてないよな。
その扉に手をかけ中に入ると、そこには…。
……大量の書類が。
「……………は?」
扉を入ってすぐは執務室になっていたはずだ。そこには金をかけて手に入れた様々な家具が置かれていた…はずだ。しかし、云千万のソファーも、云百万のチェアも、云億するデスクも、すべてが書類にまみれ、その威光を半減どころか99パーセントオフと言う激安お手頃価格な家具に早変わり……って意味わからん。
「なにやってんだおれえええええええ!!??書類は貯めない!その日のうちに!これ常識いいいい!!」
社畜根性で書類に手を掛けようとして、その手を強制シャットダウンさせる。危ない危ない。ゲームの中でも社畜やってられるか!!それよりも確認したいことがあるんだよ!
その高層ビルがごとく何連も高く積み重なった書類どもを見なかったことにし、執務室を抜け、王の自室に向かう。俺が今必要としているもの、それは…
「やっば、俺、イケメンやん…」
そう、鏡である。
俺が3時間かけてデザインしたキャラデザは、最年少の王でありながら、誰もが王と認めざるをえないような威厳を放っており、整った顔貌がその威厳に拍車をかけているようであった。リアルで目の前にすると、なおさらそれを実感できる。
金色の髪に緑の瞳。その髪はキラキラと輝きを放ち、少し吊り上がった眼はすべてを見通す心眼が如く透き通っており。こういう美形の無表情ってすんごく怖いよなーという感想を抱く。というのも、この顔、イケメンなのは言いのだが、表情筋が死んでるのだ。さっきから鏡の前で笑おうとしているのだが、硬すぎでピクリともしない。こんな表情で叫んでいた俺まじシュール。
鏡を見て黙っている俺を、いや、王座の間からの俺の一連の不審な行動を、なんとも言えない表情で見ている者がいたことも知らず、俺はただただ自分がゲームの世界に転生したということを身に染みて感じ入っていたのだった。
……って冗談を言える空気ではないのは承知の上である。
でもさ、気付いたら王座ってなに!?いやこれは現実逃避したくなるだろ!奇跡かわかんないけど周囲に誰もいないから叫び声聞かれなかったのはめちゃくそ助かった!!
ところでさ、こんな庶民の俺が何言ってんだって感じなのだが、この王座、何処か見覚えがあるんだよな…。既視感というか、何と言うか…。
ーまぁ、言うまでもないよな。
そう、この王座、ゲームの中の俺の王座そっくりなのである。
この赤いいかにも高級品ですよって感じの布地に金色に縁どられた派手派手しい王座はやはり、ゲームの中の俺が座っていたやつだ。唖然とその王座を眺めている姿は端からみれば変質者である。ってちょっとまてよ!?ということは…。
急いで自室に戻る。ゲームの城と同じ構造なのはとても助かった。廊下でメイドらしき人や騎士らしき人が俺に首を垂れているのが視界に入ったが、今は気にしてられない。
ゲームの中の俺の自室の前まで来た。王の部屋は扉からして荘厳じゃないと、という安直な考えのもと、いかにも王の部屋ですよということがアピールできるような扉を厳選し、その中から特に気に入ったデザインの扉を設置したのだが、その扉が今、目の前に、忠実に再現されている。ほわあ、と間抜けな声が口から洩れてしまった。…誰も聞いてないよな。
その扉に手をかけ中に入ると、そこには…。
……大量の書類が。
「……………は?」
扉を入ってすぐは執務室になっていたはずだ。そこには金をかけて手に入れた様々な家具が置かれていた…はずだ。しかし、云千万のソファーも、云百万のチェアも、云億するデスクも、すべてが書類にまみれ、その威光を半減どころか99パーセントオフと言う激安お手頃価格な家具に早変わり……って意味わからん。
「なにやってんだおれえええええええ!!??書類は貯めない!その日のうちに!これ常識いいいい!!」
社畜根性で書類に手を掛けようとして、その手を強制シャットダウンさせる。危ない危ない。ゲームの中でも社畜やってられるか!!それよりも確認したいことがあるんだよ!
その高層ビルがごとく何連も高く積み重なった書類どもを見なかったことにし、執務室を抜け、王の自室に向かう。俺が今必要としているもの、それは…
「やっば、俺、イケメンやん…」
そう、鏡である。
俺が3時間かけてデザインしたキャラデザは、最年少の王でありながら、誰もが王と認めざるをえないような威厳を放っており、整った顔貌がその威厳に拍車をかけているようであった。リアルで目の前にすると、なおさらそれを実感できる。
金色の髪に緑の瞳。その髪はキラキラと輝きを放ち、少し吊り上がった眼はすべてを見通す心眼が如く透き通っており。こういう美形の無表情ってすんごく怖いよなーという感想を抱く。というのも、この顔、イケメンなのは言いのだが、表情筋が死んでるのだ。さっきから鏡の前で笑おうとしているのだが、硬すぎでピクリともしない。こんな表情で叫んでいた俺まじシュール。
鏡を見て黙っている俺を、いや、王座の間からの俺の一連の不審な行動を、なんとも言えない表情で見ている者がいたことも知らず、俺はただただ自分がゲームの世界に転生したということを身に染みて感じ入っていたのだった。
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