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肉のパン包みフリッターガーリック風味
肉のパン包みフリッターガーリック風味4
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口に入れたパンを無理矢理飲み込むと、アリシャもレオに話しかけた。
「レオさん、ミントを融通してもらえないでしょうか? もしくは生えている場所を教えて下さい」
「かまわんが、料理に使うのか?」
「料理にも使います。でも、まずはベッドの藁に入れたいのです」
レオは髭を擦りながら「藁に……なるほど。虫除けだな」と納得する。
「あらぁ、そうなの? じゃあ私達のベッドにも入れましょうよ」
レゼナが喜々としてドクに提案すると、ドクは両肩を上げて構わないというジャスチャーで返す。
「そうか。川岸の木を切るつもりだったが一度家に戻って乾燥したミントを取ってこよう。生のミントよりいいだろう」
「お代を──」
「高価なものの時は遠慮なく要求するが、求めないときは払わなくていい。ドク、食事を終えたら牛に荷車をつけて家に来てくれ。あっちで木を切っておく」
これにもドクは肩を上げて返事をした。
アリシャはその隙にゴクゴクとミルクを飲み干して立ち上がった。すでに話が終わったとみて、レオは皆に背を向け出ていこうとしていた。
「レゼナさん。お昼過ぎには必ず戻って宿屋の炉を掃除します。あ、ちょっとレオさん待ってください。私も行きます!」
「アリシャ。僕も食べたら石灰を持って行くよ。直接、塔に行くから。その時にスリを連れて行く」
レオを追い掛けてドアに差し掛かっていたアリシャにウィンが言い、アリシャは顔だけ向けて「ありがとう!」と礼をした。
「レオさん、待ってくださいってば!」
出ていったドアを見つめながらレゼナが頬に手を添えて微笑んだ。
「賑やかなこと」
「そうだな。我々も動くとするか」
口ではそう言いつつドクは燻製肉に手をのばす。その手を見ていたレゼナに「腹が減っては動けんし、食べるときは食べておかねば」と言い訳して掴んだ三枚もの肉を口に押し込んでいた。
レオについていき、塔まで来たアリシャは扉以外どこも傷んでいない建物にあらためて感動していた。大きいのに頑丈で、そんな頼もしい建物に住めるなんて夢のようだ。
「狭いが二階以上に穀物を貯蔵することもあったから、階段も直してある。扉はこの前の冬の嵐で少しダメージを受けたがこれもすぐに直せるだろう」
レオやドクの家に比べたら半分ほどしか広さはないが、ベッドさえ置けたらいいのでそこは全く問題なかった。ただ足元が土のままで板が張られていないのが気になった。
しげしげと床を見つめているとレオがそんなアリシャに気づいて、肩を叩く。
「ベッドの足を少し高くしよう。気になるようならベッドの下だけ板を貼ってもいい」
そこでアリシャは上を向いて二階を指差した。階段が西の壁に沿って作られているのでその部分はかなり広めに空間が空いている。西の次は南の壁に、その次は再び西の壁だ。見上げると一番上までその空間は続いていて、光が差し込んでいた。
階段のない側半分は板が張ってあり、そこに穀物を置いていたのだと推測できた。
「あそこにベッドを作ってもかまいませんか? 真上も板がありますし」
うーん。と唸ってレオも顔を仰向かせる。
「まぁ、大丈夫だろう。穀物を載せても耐えたのだし……アリシャなら問題ないだろうな。じゃあ壁板と戸をつけるか。壁板くらいなら今日中に出来るし、部屋の扉はシーツで数日代用して、暇を見てやることにするか」
アリシャはほっと胸をなでおろす。土に近いと藁が早めに湿気てしまうのだ。もちろん、レオもそれはわかっているからベッドの足を高くすると提案してくれたのだが、それより二階の方が断然風通しがいいだろう。
「じゃあ、私は木を切りに行く」
「はい。私は川岸から葦を取ってきてそれで掃き掃除をして待ちます」
「ああ、わかった」
「時間が余ったら必要なカゴを葦で編んでおきます」
いい心掛けだといい、レオは石斧を持って塔を後にした。
実際、生活するにはカゴがないのは不便すぎる。たきつけ用の枝を入れて運ぶのも、野草や木の実を入れるにも必要だった。
ふと、アリシャが編んだカゴを褒めてくれる父を思い出して、自然と手が胸にいく。キリキリと胸が痛くなるが、少しジッとしているとそれは徐々に消えていった。
(私……忘れているわけではないのに、どうしてこんなに普通にしていられるのだろう。二人が亡くなってまだ日が経っていないから現実を受け止めてないの? どうして……)
「おーい、アリシャ。スリを連れてきたよ」
ハッとして我に返る。
「ウィン! ありがとう」
外で大声を張るウィンに返事をし、ぐっと力を入れて拳を握ると気持ちを引き締めて駆けていった。
屋外に出るとスリが立っていて、耳をパタパタ嬉しそうに揺らしてアリシャを迎えた。栗毛色の艷やかな身体をアリシャに近付けて精一杯の喜びを表現する。
「スリ! 会いたかった。あの時は……本当にありがとう。怪我はない?」
アリシャはスリの首を撫でる。横でウィンが「どこも怪我はしてないよ。疲れていたけど、ゆっくりしていたから今は元通りじゃないかな?」と、アリシャと同じようにスリの首を掻いてやった。
ウィンはスリの両脇に下がっていたカゴを下ろして、ニつを結んであった紐を解いた。
「母さんがラードと皿を持ってけって。あと火打ち石も持ってきたよ。それとこれ」
話しながらカゴに手を突っ込むと、革で出来た水筒を引っ張りだした。
「水筒と鞄」
次は肩から斜めに下げて使える大きな革の鞄を出す。
「こういうのは得意だから、ぜひアリシャにあげてくれってさ。料理はホントちょっと残念だけど……」
受け取った革製品はどれも綺麗な出来栄えで、レオが言った通り人間には得手不得手があるのだとつくづく感じた。
「嬉しいわ。本当にお代はいいのかしら?」
ウィンは父親そっくりな仕草で肩を上げて見せる。
「たとえ金に困っていても母さんはアリシャからはとらないと思う。女の子を育てたかったってずっと言っていたからね。甘やかされておいて」
「レオさん、ミントを融通してもらえないでしょうか? もしくは生えている場所を教えて下さい」
「かまわんが、料理に使うのか?」
「料理にも使います。でも、まずはベッドの藁に入れたいのです」
レオは髭を擦りながら「藁に……なるほど。虫除けだな」と納得する。
「あらぁ、そうなの? じゃあ私達のベッドにも入れましょうよ」
レゼナが喜々としてドクに提案すると、ドクは両肩を上げて構わないというジャスチャーで返す。
「そうか。川岸の木を切るつもりだったが一度家に戻って乾燥したミントを取ってこよう。生のミントよりいいだろう」
「お代を──」
「高価なものの時は遠慮なく要求するが、求めないときは払わなくていい。ドク、食事を終えたら牛に荷車をつけて家に来てくれ。あっちで木を切っておく」
これにもドクは肩を上げて返事をした。
アリシャはその隙にゴクゴクとミルクを飲み干して立ち上がった。すでに話が終わったとみて、レオは皆に背を向け出ていこうとしていた。
「レゼナさん。お昼過ぎには必ず戻って宿屋の炉を掃除します。あ、ちょっとレオさん待ってください。私も行きます!」
「アリシャ。僕も食べたら石灰を持って行くよ。直接、塔に行くから。その時にスリを連れて行く」
レオを追い掛けてドアに差し掛かっていたアリシャにウィンが言い、アリシャは顔だけ向けて「ありがとう!」と礼をした。
「レオさん、待ってくださいってば!」
出ていったドアを見つめながらレゼナが頬に手を添えて微笑んだ。
「賑やかなこと」
「そうだな。我々も動くとするか」
口ではそう言いつつドクは燻製肉に手をのばす。その手を見ていたレゼナに「腹が減っては動けんし、食べるときは食べておかねば」と言い訳して掴んだ三枚もの肉を口に押し込んでいた。
レオについていき、塔まで来たアリシャは扉以外どこも傷んでいない建物にあらためて感動していた。大きいのに頑丈で、そんな頼もしい建物に住めるなんて夢のようだ。
「狭いが二階以上に穀物を貯蔵することもあったから、階段も直してある。扉はこの前の冬の嵐で少しダメージを受けたがこれもすぐに直せるだろう」
レオやドクの家に比べたら半分ほどしか広さはないが、ベッドさえ置けたらいいのでそこは全く問題なかった。ただ足元が土のままで板が張られていないのが気になった。
しげしげと床を見つめているとレオがそんなアリシャに気づいて、肩を叩く。
「ベッドの足を少し高くしよう。気になるようならベッドの下だけ板を貼ってもいい」
そこでアリシャは上を向いて二階を指差した。階段が西の壁に沿って作られているのでその部分はかなり広めに空間が空いている。西の次は南の壁に、その次は再び西の壁だ。見上げると一番上までその空間は続いていて、光が差し込んでいた。
階段のない側半分は板が張ってあり、そこに穀物を置いていたのだと推測できた。
「あそこにベッドを作ってもかまいませんか? 真上も板がありますし」
うーん。と唸ってレオも顔を仰向かせる。
「まぁ、大丈夫だろう。穀物を載せても耐えたのだし……アリシャなら問題ないだろうな。じゃあ壁板と戸をつけるか。壁板くらいなら今日中に出来るし、部屋の扉はシーツで数日代用して、暇を見てやることにするか」
アリシャはほっと胸をなでおろす。土に近いと藁が早めに湿気てしまうのだ。もちろん、レオもそれはわかっているからベッドの足を高くすると提案してくれたのだが、それより二階の方が断然風通しがいいだろう。
「じゃあ、私は木を切りに行く」
「はい。私は川岸から葦を取ってきてそれで掃き掃除をして待ちます」
「ああ、わかった」
「時間が余ったら必要なカゴを葦で編んでおきます」
いい心掛けだといい、レオは石斧を持って塔を後にした。
実際、生活するにはカゴがないのは不便すぎる。たきつけ用の枝を入れて運ぶのも、野草や木の実を入れるにも必要だった。
ふと、アリシャが編んだカゴを褒めてくれる父を思い出して、自然と手が胸にいく。キリキリと胸が痛くなるが、少しジッとしているとそれは徐々に消えていった。
(私……忘れているわけではないのに、どうしてこんなに普通にしていられるのだろう。二人が亡くなってまだ日が経っていないから現実を受け止めてないの? どうして……)
「おーい、アリシャ。スリを連れてきたよ」
ハッとして我に返る。
「ウィン! ありがとう」
外で大声を張るウィンに返事をし、ぐっと力を入れて拳を握ると気持ちを引き締めて駆けていった。
屋外に出るとスリが立っていて、耳をパタパタ嬉しそうに揺らしてアリシャを迎えた。栗毛色の艷やかな身体をアリシャに近付けて精一杯の喜びを表現する。
「スリ! 会いたかった。あの時は……本当にありがとう。怪我はない?」
アリシャはスリの首を撫でる。横でウィンが「どこも怪我はしてないよ。疲れていたけど、ゆっくりしていたから今は元通りじゃないかな?」と、アリシャと同じようにスリの首を掻いてやった。
ウィンはスリの両脇に下がっていたカゴを下ろして、ニつを結んであった紐を解いた。
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話しながらカゴに手を突っ込むと、革で出来た水筒を引っ張りだした。
「水筒と鞄」
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「こういうのは得意だから、ぜひアリシャにあげてくれってさ。料理はホントちょっと残念だけど……」
受け取った革製品はどれも綺麗な出来栄えで、レオが言った通り人間には得手不得手があるのだとつくづく感じた。
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