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肉のパン包みフリッターガーリック風味
肉のパン包みフリッターガーリック風味7
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レゼナはどんなふうに値切ったかを武勇伝のように語りつつ、その間アリシャの為に三階で掛け布団作りを進めてくれた。
口もかなりの高速で動くが、一緒に作業も高速でこなすから、レオから何か言われることもなかった。アリシャがシーツを掛ける間に半分も藁を詰めたのだから、圧巻の仕事量だ。途中からアリシャも藁詰めに加わり、最後にミントを仕込むと二人で二階に運んで塔での作業は一段落ついた。余ったミントをレゼナに渡すと、レゼナは丁寧にバッグにしまって嬉しそうに礼を述べてくれた。
「では、次よ! 掃除とお料理の準備。あとそのおチビさんは腹ペコみたいだからウサギの肉を煮てあげましょ」
二人が三階と二階を行き来していたものだから、子犬は寂しかったのかレオの近くでクンクン鳴いていた。
「私は夜までここで作業する。夕飯の時に会おう」
アリシャは子犬を抱きかかえた。この子は小さ過ぎて階段の上り下りは無理なのだ。持ち上げると短い手足をばたつかせるが、胸にしっかり収めれば大人しくなった。
「いい子ね」
アリシャの呟きに子犬の尻尾が二回揺れた。そんなことでアリシャは喜び、犬を飼える喜びに浸っていた。
このぷにぷにした毛むくじゃらの生き物が今日からたった一人の家族になる。大きな喜びが押し寄せる。そして同じくらい悲しみが湧き上がりせめぎ合って、やはり喜びが圧勝する。それはやはりどうしてもアリシャには腑に落ちない点だった。悲しみがこんなに直ぐに収まるなんて、誰かに蓋をされて押し込められているみたいだった。
レゼナと二人、宿屋に向かう。塔からは真北にあり、周りには廃屋と整えられた倉庫が二つ並んでいた。これはアリシャにもなんだかわかる。扉がついているほうが食料庫、扉のついてない大きい建物が資材倉庫だ。
「薪はあそこから取ってきて使って頂戴ね。たきつけ用の小枝なんかはアリシャが暇をみて集めてくれると助かるわ」
ルゼナが先導して資材倉庫に入ると片隅に積まれた薪を腕に抱えた。立て掛けてある板は新しそうなものと古いものが一緒くたになっていた。きっとこの村にあった使えそうな板を集めて取っておいたのだろう。藁やカゴもあるし、石灰石やその粉なんかもあった。
アリシャも犬を抱いたままでも持てる薪と小枝を左手に持つと、二人揃って宿屋へと入っていく。
外観からもその圧巻の広さには気がついていたが、中に入ると更に驚いて思わずポカンと口を開けていた。
入ると直ぐに大広間があって、大広間の壁には扉のない小部屋が四つもあるのだ。扉がつけば王様みたいに贅沢に一部屋使って休むことが出来る。
「領主も居るようなちゃんとした大きな村だったのよ。でも疫病で人が亡くなり、何もしなかった領主に怒りの矛先が向いて追い出されたらしいわ。その後は相当長いこと放置されていたみたい」
アリシャは自分の口が開いたままなのを忘れて頷き、腕の中でモゾモゾ動き出した犬を石の敷かれた床に下ろしてやった。子犬でも本能が疼くのか、下ろされるとヨチヨチ歩いて臭いを嗅ぎ回る。その拙さに力が抜けたように頬が緩んでいた。
「二階もあるわよ。ただ、二階は板で区切っていたらしくて、今はただのがらんどう。あと、天井まで近いからここに比べたら窒息しそうなほど狭いの」
さぁ、こっちよ。とレゼナに言われて入口から左、方角的には西側にある部屋へと案内された。
「わぁ、料理用のこんな大きな炉が同じ建物にあるなんて!」
家の中に小さな炉があるのはそこまで珍しくないが、パンが焼ける大型の炉は火事の恐れがあるから独立した建物になっているのが普通なのだ。それが壁を隔てただけの同じ建物にあるのは正直驚きだった。
「石造りだし、火事の心配なかったんだと思うわ。でも素敵よね。嵐の日にだってパンが焼けるのよ」
レゼナは大きな炉の横に抱えてきた薪を下ろして、炉の中を覗き込んだ。
「あら? ウィンかしら。掃除がしてあるわ。あの子は気が回るし、きっとウィンだわ。ドクのはずはないもの」
独り言のように口にして、炉の中に薪を並べ始めた。
それにしても炉まで桁違いな大きさだし、ここの料理部屋もアリシャが家族で住んでいた家より広い。それはたぶん料理用テーブルがなくて今はスッキリしているからだろうが、それでもやはり広い。
アリシャは自分の口が開いたままなのを忘れて頷き、腕の中でモゾモゾ動き出した犬を石の敷かれた床に下ろしてやった。子犬でも本能が疼くのか、下ろされるとヨチヨチ歩いて臭いを嗅ぎ回る。その拙さに力が抜けたように頬が緩んでいた。
「二階もあるわよ。ただ、二階は板で区切っていたらしくて、今はただのがらんどう。あと、天井まで近いからここに比べたら窒息しそうなほど狭いの」
さぁ、こっちよ。とレゼナに言われて入口から左、方角的には西側にある部屋へと案内された。
「わぁ、料理用のこんな大きな炉が同じ建物にあるなんて!」
家の中に小さな炉があるのはそこまで珍しくないが、パンが焼ける大型の炉は火事の恐れがあるから独立した建物になっているのが普通なのだ。それが壁を隔てただけの同じ建物にあるのは正直驚きだった。
「石造りだし、火事の心配なかったんだと思うわ。でも素敵よね。嵐の日にだってパンが焼けるのよ」
レゼナは大きな炉の横に抱えてきた薪を下ろして、炉の中を覗き込んだ。
「あら? ウィンかしら。掃除がしてあるわ。あの子は気が回るし、きっとウィンだわ。ドクのはずはないもの」
独り言のように口にして、炉の中に薪を並べ始めた。
それにしても炉まで桁違いな大きさだし、ここの料理部屋もアリシャが家族で住んでいた家より広い。それはたぶん料理用テーブルがなくて今はスッキリしているからだろうが、それでもやはり広い。
口もかなりの高速で動くが、一緒に作業も高速でこなすから、レオから何か言われることもなかった。アリシャがシーツを掛ける間に半分も藁を詰めたのだから、圧巻の仕事量だ。途中からアリシャも藁詰めに加わり、最後にミントを仕込むと二人で二階に運んで塔での作業は一段落ついた。余ったミントをレゼナに渡すと、レゼナは丁寧にバッグにしまって嬉しそうに礼を述べてくれた。
「では、次よ! 掃除とお料理の準備。あとそのおチビさんは腹ペコみたいだからウサギの肉を煮てあげましょ」
二人が三階と二階を行き来していたものだから、子犬は寂しかったのかレオの近くでクンクン鳴いていた。
「私は夜までここで作業する。夕飯の時に会おう」
アリシャは子犬を抱きかかえた。この子は小さ過ぎて階段の上り下りは無理なのだ。持ち上げると短い手足をばたつかせるが、胸にしっかり収めれば大人しくなった。
「いい子ね」
アリシャの呟きに子犬の尻尾が二回揺れた。そんなことでアリシャは喜び、犬を飼える喜びに浸っていた。
このぷにぷにした毛むくじゃらの生き物が今日からたった一人の家族になる。大きな喜びが押し寄せる。そして同じくらい悲しみが湧き上がりせめぎ合って、やはり喜びが圧勝する。それはやはりどうしてもアリシャには腑に落ちない点だった。悲しみがこんなに直ぐに収まるなんて、誰かに蓋をされて押し込められているみたいだった。
レゼナと二人、宿屋に向かう。塔からは真北にあり、周りには廃屋と整えられた倉庫が二つ並んでいた。これはアリシャにもなんだかわかる。扉がついているほうが食料庫、扉のついてない大きい建物が資材倉庫だ。
「薪はあそこから取ってきて使って頂戴ね。たきつけ用の小枝なんかはアリシャが暇をみて集めてくれると助かるわ」
ルゼナが先導して資材倉庫に入ると片隅に積まれた薪を腕に抱えた。立て掛けてある板は新しそうなものと古いものが一緒くたになっていた。きっとこの村にあった使えそうな板を集めて取っておいたのだろう。藁やカゴもあるし、石灰石やその粉なんかもあった。
アリシャも犬を抱いたままでも持てる薪と小枝を左手に持つと、二人揃って宿屋へと入っていく。
外観からもその圧巻の広さには気がついていたが、中に入ると更に驚いて思わずポカンと口を開けていた。
入ると直ぐに大広間があって、大広間の壁には扉のない小部屋が四つもあるのだ。扉がつけば王様みたいに贅沢に一部屋使って休むことが出来る。
「領主も居るようなちゃんとした大きな村だったのよ。でも疫病で人が亡くなり、何もしなかった領主に怒りの矛先が向いて追い出されたらしいわ。その後は相当長いこと放置されていたみたい」
アリシャは自分の口が開いたままなのを忘れて頷き、腕の中でモゾモゾ動き出した犬を石の敷かれた床に下ろしてやった。子犬でも本能が疼くのか、下ろされるとヨチヨチ歩いて臭いを嗅ぎ回る。その拙さに力が抜けたように頬が緩んでいた。
「二階もあるわよ。ただ、二階は板で区切っていたらしくて、今はただのがらんどう。あと、天井まで近いからここに比べたら窒息しそうなほど狭いの」
さぁ、こっちよ。とレゼナに言われて入口から左、方角的には西側にある部屋へと案内された。
「わぁ、料理用のこんな大きな炉が同じ建物にあるなんて!」
家の中に小さな炉があるのはそこまで珍しくないが、パンが焼ける大型の炉は火事の恐れがあるから独立した建物になっているのが普通なのだ。それが壁を隔てただけの同じ建物にあるのは正直驚きだった。
「石造りだし、火事の心配なかったんだと思うわ。でも素敵よね。嵐の日にだってパンが焼けるのよ」
レゼナは大きな炉の横に抱えてきた薪を下ろして、炉の中を覗き込んだ。
「あら? ウィンかしら。掃除がしてあるわ。あの子は気が回るし、きっとウィンだわ。ドクのはずはないもの」
独り言のように口にして、炉の中に薪を並べ始めた。
それにしても炉まで桁違いな大きさだし、ここの料理部屋もアリシャが家族で住んでいた家より広い。それはたぶん料理用テーブルがなくて今はスッキリしているからだろうが、それでもやはり広い。
アリシャは自分の口が開いたままなのを忘れて頷き、腕の中でモゾモゾ動き出した犬を石の敷かれた床に下ろしてやった。子犬でも本能が疼くのか、下ろされるとヨチヨチ歩いて臭いを嗅ぎ回る。その拙さに力が抜けたように頬が緩んでいた。
「二階もあるわよ。ただ、二階は板で区切っていたらしくて、今はただのがらんどう。あと、天井まで近いからここに比べたら窒息しそうなほど狭いの」
さぁ、こっちよ。とレゼナに言われて入口から左、方角的には西側にある部屋へと案内された。
「わぁ、料理用のこんな大きな炉が同じ建物にあるなんて!」
家の中に小さな炉があるのはそこまで珍しくないが、パンが焼ける大型の炉は火事の恐れがあるから独立した建物になっているのが普通なのだ。それが壁を隔てただけの同じ建物にあるのは正直驚きだった。
「石造りだし、火事の心配なかったんだと思うわ。でも素敵よね。嵐の日にだってパンが焼けるのよ」
レゼナは大きな炉の横に抱えてきた薪を下ろして、炉の中を覗き込んだ。
「あら? ウィンかしら。掃除がしてあるわ。あの子は気が回るし、きっとウィンだわ。ドクのはずはないもの」
独り言のように口にして、炉の中に薪を並べ始めた。
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