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凛としたイケメン女子だって可愛い女の子
ウィンウィンの音色
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02
「こいつの出番だ」
パトリシアは一つ深呼吸をすると、腰のさやから剣を引き抜く。
やたらと柄が長いダガーのように見えるそれは、きらびやかに装飾が施されているだけではない。柄にトランペットのようなバルブが並んでいる。
実は、剣の形はただの見せかけだった。刃は着いていないし、刀身に当たる部分も剣として使えるような強度はない。
パトリシアが町の楽器職人に依頼して作らせた、剣の形をした管楽器だった。
名付けて奏獣剣。
(まさにオッサンホイホイ)
パトリシアは思う。
剣の形をわざわざさせたのは、純粋に自分の趣味と、外見にはったりを利かせるためだった。
大げさなデザインのつばの片方に口を当て、演奏を始める。
この剣の元ネタである昔の特撮の劇中、ドラゴン型の守護獣を呼び出す時の音楽だ。
シンプルだがいいメロディと思える演奏が響き渡る。
ドラゴンがこちらに目を向ける。どうやら音楽に反応したらしい。
「だ…大丈夫かな…」
「襲いかかっても来ないし、威嚇もしてこない。
脈はあるって」
今にも泣き出しそうな表情のターニャに、パトリシアは答える。
もちろん余裕などない。逃げ出したいくらいだ。
だが、一度決めたことは最後までやり遂げなければならない。
牧場を、ひいてはターニャの家を救うのだと決めたのだ。
もちろん、ターニャにいいところを見せたいという虚栄もあったが。
「よし、ターニャ。あれ出して」
「了解」
ターニャが樽が乗った荷車を押して、演奏を続けるパトリシアと並んでドラゴンに向かって歩いて行く。
ドラゴンは特に反応を見せない。二人の人間が何をするつもりなのか、判断を保留しているようだ。
「よし、予定通り。お口に合うといいけどね」
「せーの!」
二人は樽のふたを開けると、樽をひっくり返して中身をぶちまける。
それは、ターニャと使用人たちが近くの林で狩ってきたノブタだった。
内臓を抜き、まるごと牛乳につけこんで臭みを抜いてある。乾燥イチジクで育てた豚に比べれば味は落ちるが、それでも食えないことはないはずだ。
ドラゴンなら特に。
「さ、どうぞ。食べて。あなたにあげるよ。
お腹空いてるんでしょう?」
パトリシアはノブタを手で示しながら、ドラゴンに呼びかける。
ドラゴンは訝しんではいるが、ノブタには興味を引かれたらしい。
ノブタに顔を近づけて、においを嗅ぐ。
(毒を盛られる可能性を警戒しているか)
ドラゴンをしてもっともなこととパトリシアは思う。
農家から恨まれている自覚はあるかも知れない。
「あ、食べた!」
ターニャが驚いた声を上げる。
ドラゴンがノブタを口に入れ、かみ砕いて呑み込んだのだ。
骨がばりばりと砕かれる音は、肝が冷えた。
なにせ、ノコギリのような歯一つ一つが15センチ以上の長さだ。
「デザート食べる?」
そう言って、パトリシアは林檎を袋から取り出す。
食べられると示すためにまずは自分が一口かじる。
ドラゴンはりんごを目で追っている。食べる気がありそうだ。
「ほら」
投げてやると、ドラゴンはりんごを口でキャッチした。
「ねえ、もっとノブタが食べられるところあるんだ。
案内しようか?」
ドラゴンは明確なリアクションを起こさない。
だが、パトリシアにはドラゴンが興味を示したように見えた。
「こっちだよ。
ターニャ、行くよ!」
「う…うん!」
ターニャが御者を務める馬車にパトリシアが乗り込み、奏獣剣を演奏し始める。
驚いたことに、ドラゴンは羽を広げると飛び立ち、ついて来る。
目の前にあった農場の家畜を襲うことなくだ。
「作戦成功だね」
「まだだ。彼がノブタに興味を示さないと元の木阿弥だからね」
高揚している様子のターニャをパトリシアがたしなめる。
だが、心配は無用だった。
ノブタの生息地に着くや、ドラゴンは狩りを始める。
まるでレーダーでもついているかのように、速く正確にノブタを捕らえ、捕食していく。
ノブタは一般に臭みが強いが、肉食寄りの雑食であるドラゴンは気にしている様子はない。
まあ、腐肉でも食って生きる者たちだから、味にうるさくてはやって行けないだろうが。
「すごいね…こんなに暗いのに」
「夜目が効くだけじゃない。オオトカゲや蛇みたいに、相手の体温を感じられるのかもね」
洗練されたドラゴンの狩りに、ターニャとパトリシアは素直に感心していた。
やがてドラゴンは満腹になったのか、一休みとばかりにうつぶせになる。
そこにパトリシアとターニャは近づいていく。
「お腹いっぱいになった?
ねえ、ノブタなら好きなだけ食べていいから、家畜は襲わないで。お願い」
そう言って、パトリシアはりんごを差し出す。
是であれば食べて。否であれば拒否して。というつもりで。
ドラゴンの目は、燃えるような色で、爬虫類のようでありながら理知的だった。
こちらの意図を察したらしい。
口を開ける。
パトリシアが林檎を放り込んでやると、飴のようにしばらく舐めたあとでかみ砕いて呑み込む。
そして、しばらく食休みをすると、羽を広げて飛び立つ。
「またねー!」
「またりんご用意しておくからー」
パトリシアとターニャは、手を振ってドラゴンを見送る。
「作戦成功みたいだね」
「今後、家畜に手をつけてくれなければ完璧だけどね」
ドラゴンを見送りながら、パトリシアとターニャはそんな会話を交わす。
取りあえず、二人が立てた作戦は当たった。
本を読みあさったところ、ドラゴンに対していろいろと興味深いことがわかったのだ。
ドラゴンは非常に知能が高い。
社会性もある。
そうであれば、うまく交渉すれば家畜を襲わないようにする事も可能かも知れない。
だが、当然危険はある。
ドラゴンは人間を食わないが、敵として排除しようとしてくる可能性は充分あった。
(そんなとき、奇しくも興味深い学説を見つけた)
ドラゴンが家畜を襲っても人間を食わないのはなぜか。
単に口に合わないこともあるかも知れない。
だが、人間との決定的な対立を避けているのではないか、という説だ。
人間を食えば、いよいよ完全に敵対することになる。
知恵の回る人間が本気になれば、なにをされるかわからない。
そう分別を働かせているという見解だ。
(これを信じるなら、相互に得をする取引を持ちかければ?
飼い慣らすことまでは不可能でも、信頼関係を築けるのでは?)
パトリシアはそう考えた。
とは言え、ドラゴンは腹を減らして家畜を襲いに来る。
家畜の代替となるえさをどうするかという問題が残った。
ともあれ、解決策は意外に簡単に見つかった。
最近増えまくって、農作物に深刻な被害を与えているノブタだ。
要するに、逃げ出して野生化したり、イノシシと交雑したりして増えている豚のことだ。
(ドラゴンは幸い豚が好きなようだし)
パトリシアはそこに目をつけた。
ノブタは、下手なイノシシよりも獰猛で、恐れを知らない分危険な存在だ。
だが一方で、イノシシに比べて警戒心が弱く、知恵も回らない。悪く言って愚鈍なのだ。
(他の野生動物に比して、ドラゴンが捕まえやすいはず)
そう読んだパトリシアは正しかったことが証明された。
ドラゴンは危機管理能力に欠け、ただ逃げ回るだけのノブタを次々と捕食し、瞬く間に満腹になったらしい。
「パトリシア、本当にありがとう。
これでおじいさまの牧場は救われた。なんてお礼を言えばいいか」
「礼には及ばないよ。
豚の香草焼きが食べられなくなったら私が困るもの。
それに、ターニャが苦労して必要な物を調達してくれたからこそだよ」
ターニャとパトリシアは笑いあう。
(いつも凛としているけど、笑うとこんなにかわいいんだ)
パトリシアは、ターニャの無邪気な笑顔に魅了される一方、よこしまな感情も芽生えたのだった。
その気持ちが、前世の男の感性によるものか、はたまた現世の自分がもともと百合っけがあるのか。
パトリシア自身にもわからなかった。
「こいつの出番だ」
パトリシアは一つ深呼吸をすると、腰のさやから剣を引き抜く。
やたらと柄が長いダガーのように見えるそれは、きらびやかに装飾が施されているだけではない。柄にトランペットのようなバルブが並んでいる。
実は、剣の形はただの見せかけだった。刃は着いていないし、刀身に当たる部分も剣として使えるような強度はない。
パトリシアが町の楽器職人に依頼して作らせた、剣の形をした管楽器だった。
名付けて奏獣剣。
(まさにオッサンホイホイ)
パトリシアは思う。
剣の形をわざわざさせたのは、純粋に自分の趣味と、外見にはったりを利かせるためだった。
大げさなデザインのつばの片方に口を当て、演奏を始める。
この剣の元ネタである昔の特撮の劇中、ドラゴン型の守護獣を呼び出す時の音楽だ。
シンプルだがいいメロディと思える演奏が響き渡る。
ドラゴンがこちらに目を向ける。どうやら音楽に反応したらしい。
「だ…大丈夫かな…」
「襲いかかっても来ないし、威嚇もしてこない。
脈はあるって」
今にも泣き出しそうな表情のターニャに、パトリシアは答える。
もちろん余裕などない。逃げ出したいくらいだ。
だが、一度決めたことは最後までやり遂げなければならない。
牧場を、ひいてはターニャの家を救うのだと決めたのだ。
もちろん、ターニャにいいところを見せたいという虚栄もあったが。
「よし、ターニャ。あれ出して」
「了解」
ターニャが樽が乗った荷車を押して、演奏を続けるパトリシアと並んでドラゴンに向かって歩いて行く。
ドラゴンは特に反応を見せない。二人の人間が何をするつもりなのか、判断を保留しているようだ。
「よし、予定通り。お口に合うといいけどね」
「せーの!」
二人は樽のふたを開けると、樽をひっくり返して中身をぶちまける。
それは、ターニャと使用人たちが近くの林で狩ってきたノブタだった。
内臓を抜き、まるごと牛乳につけこんで臭みを抜いてある。乾燥イチジクで育てた豚に比べれば味は落ちるが、それでも食えないことはないはずだ。
ドラゴンなら特に。
「さ、どうぞ。食べて。あなたにあげるよ。
お腹空いてるんでしょう?」
パトリシアはノブタを手で示しながら、ドラゴンに呼びかける。
ドラゴンは訝しんではいるが、ノブタには興味を引かれたらしい。
ノブタに顔を近づけて、においを嗅ぐ。
(毒を盛られる可能性を警戒しているか)
ドラゴンをしてもっともなこととパトリシアは思う。
農家から恨まれている自覚はあるかも知れない。
「あ、食べた!」
ターニャが驚いた声を上げる。
ドラゴンがノブタを口に入れ、かみ砕いて呑み込んだのだ。
骨がばりばりと砕かれる音は、肝が冷えた。
なにせ、ノコギリのような歯一つ一つが15センチ以上の長さだ。
「デザート食べる?」
そう言って、パトリシアは林檎を袋から取り出す。
食べられると示すためにまずは自分が一口かじる。
ドラゴンはりんごを目で追っている。食べる気がありそうだ。
「ほら」
投げてやると、ドラゴンはりんごを口でキャッチした。
「ねえ、もっとノブタが食べられるところあるんだ。
案内しようか?」
ドラゴンは明確なリアクションを起こさない。
だが、パトリシアにはドラゴンが興味を示したように見えた。
「こっちだよ。
ターニャ、行くよ!」
「う…うん!」
ターニャが御者を務める馬車にパトリシアが乗り込み、奏獣剣を演奏し始める。
驚いたことに、ドラゴンは羽を広げると飛び立ち、ついて来る。
目の前にあった農場の家畜を襲うことなくだ。
「作戦成功だね」
「まだだ。彼がノブタに興味を示さないと元の木阿弥だからね」
高揚している様子のターニャをパトリシアがたしなめる。
だが、心配は無用だった。
ノブタの生息地に着くや、ドラゴンは狩りを始める。
まるでレーダーでもついているかのように、速く正確にノブタを捕らえ、捕食していく。
ノブタは一般に臭みが強いが、肉食寄りの雑食であるドラゴンは気にしている様子はない。
まあ、腐肉でも食って生きる者たちだから、味にうるさくてはやって行けないだろうが。
「すごいね…こんなに暗いのに」
「夜目が効くだけじゃない。オオトカゲや蛇みたいに、相手の体温を感じられるのかもね」
洗練されたドラゴンの狩りに、ターニャとパトリシアは素直に感心していた。
やがてドラゴンは満腹になったのか、一休みとばかりにうつぶせになる。
そこにパトリシアとターニャは近づいていく。
「お腹いっぱいになった?
ねえ、ノブタなら好きなだけ食べていいから、家畜は襲わないで。お願い」
そう言って、パトリシアはりんごを差し出す。
是であれば食べて。否であれば拒否して。というつもりで。
ドラゴンの目は、燃えるような色で、爬虫類のようでありながら理知的だった。
こちらの意図を察したらしい。
口を開ける。
パトリシアが林檎を放り込んでやると、飴のようにしばらく舐めたあとでかみ砕いて呑み込む。
そして、しばらく食休みをすると、羽を広げて飛び立つ。
「またねー!」
「またりんご用意しておくからー」
パトリシアとターニャは、手を振ってドラゴンを見送る。
「作戦成功みたいだね」
「今後、家畜に手をつけてくれなければ完璧だけどね」
ドラゴンを見送りながら、パトリシアとターニャはそんな会話を交わす。
取りあえず、二人が立てた作戦は当たった。
本を読みあさったところ、ドラゴンに対していろいろと興味深いことがわかったのだ。
ドラゴンは非常に知能が高い。
社会性もある。
そうであれば、うまく交渉すれば家畜を襲わないようにする事も可能かも知れない。
だが、当然危険はある。
ドラゴンは人間を食わないが、敵として排除しようとしてくる可能性は充分あった。
(そんなとき、奇しくも興味深い学説を見つけた)
ドラゴンが家畜を襲っても人間を食わないのはなぜか。
単に口に合わないこともあるかも知れない。
だが、人間との決定的な対立を避けているのではないか、という説だ。
人間を食えば、いよいよ完全に敵対することになる。
知恵の回る人間が本気になれば、なにをされるかわからない。
そう分別を働かせているという見解だ。
(これを信じるなら、相互に得をする取引を持ちかければ?
飼い慣らすことまでは不可能でも、信頼関係を築けるのでは?)
パトリシアはそう考えた。
とは言え、ドラゴンは腹を減らして家畜を襲いに来る。
家畜の代替となるえさをどうするかという問題が残った。
ともあれ、解決策は意外に簡単に見つかった。
最近増えまくって、農作物に深刻な被害を与えているノブタだ。
要するに、逃げ出して野生化したり、イノシシと交雑したりして増えている豚のことだ。
(ドラゴンは幸い豚が好きなようだし)
パトリシアはそこに目をつけた。
ノブタは、下手なイノシシよりも獰猛で、恐れを知らない分危険な存在だ。
だが一方で、イノシシに比べて警戒心が弱く、知恵も回らない。悪く言って愚鈍なのだ。
(他の野生動物に比して、ドラゴンが捕まえやすいはず)
そう読んだパトリシアは正しかったことが証明された。
ドラゴンは危機管理能力に欠け、ただ逃げ回るだけのノブタを次々と捕食し、瞬く間に満腹になったらしい。
「パトリシア、本当にありがとう。
これでおじいさまの牧場は救われた。なんてお礼を言えばいいか」
「礼には及ばないよ。
豚の香草焼きが食べられなくなったら私が困るもの。
それに、ターニャが苦労して必要な物を調達してくれたからこそだよ」
ターニャとパトリシアは笑いあう。
(いつも凛としているけど、笑うとこんなにかわいいんだ)
パトリシアは、ターニャの無邪気な笑顔に魅了される一方、よこしまな感情も芽生えたのだった。
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