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第一章
日向灘空戦
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地球、日本は宮崎県、新田原航空自衛隊基地。
基地所属の幕僚である3等空佐は、昨日こつぜんと日向灘から姿を消し、20分ほどして無事が確認できた第306飛行隊の処遇に頭を抱えていた。「頭がどうかしちまったのか?」というのはさすがに言い過ぎたとは思ったが、彼ら6人が口をそろえて報告したままをそのまま報告書にしたためて上に上げれば、正気を疑われるのは自分の方になってしまう。しかし、潮崎が提出してきた映像は間違いなく彼の機体から回収されたもので、CGやアニメーションの類ではない...。彼らが言う光の幕は地元の漁師や民間の旅客機のパイロットなどによっても確認されており、ネットで動画が公開されてもいる。バカげた話だが、その光の幕の向こうに偵察を送りこめれば潮崎たちの証言を裏付けることもできた。事実、新田原基地では光の幕の向こうに偵察に出てはどうかという意見も上がった。が、話が基地司令部、地方総監部、防衛省と上がっていくうちに、光の幕は消失してしまった。この辺りは、手続きの遅さに定評のある防衛省、自衛隊ならでわの悪弊と言えた。
彼は自分の手には負えないと判断して。受話器を取る。
「総監部ですか?総監に繋いでいただけませんか?ええ、昨日の件ですが、基地レベルでは扱いかねます。全ての資料を提出させていただきますので、できればそちらから市ヶ谷(防衛省)に上げていただきたく...」
これは結局問題の丸投げ、先送りに過ぎなかった。そして、万事慎重で決断が苦手な日本の官僚たちにこの問題は対処できるものではなかった。そんなこんなで、この件は空自の航空隊が一時的に通信不良になったに過ぎない軽微な問題として、棚ざらしされることになるのであった。
潮崎隆善の人生を簡潔に表現すれば、おそらく多くの日本人と同じでレポート用紙1枚か2枚にまとまってしまうだろう。
現在31歳。航空自衛隊2等空尉。新田原基地は第306飛行隊所属。福島県出身。東京でそこそこ有名な私立大学を卒業して、たたき上げの自衛官の叔母の影響を受けて、幹部候補生として空自に入隊。若い時分にはロボットアニメのプラモのコンクールに応募して賞をとったこともある。なにより、今や空自で花形とされるイーグルファイターなのだ。容姿はイケメンといって差し支えないが、自分に自信が持てない性格と、性的な趣味趣向がやや偏っていることが原因なのか独身。それでも、声をかければなびく女はいくらでもいるだろう。一般論としては勝ち組と言って差し支えない。
ともあれ、本人はそれらのどれ一つ鼻にかけることはない。人生設計としては、嫁をもらい、出世できる限りは出世して(といっても、自衛隊の上級のポストはほとんど防大卒の人間で占められているから限界はあるだろうが)、定年まで勤めあげ、その後は趣味に生きるか自営業でもするか...。といったところだった。
昨日までは。
もう午前10時だというのに、官舎のベッドに寝ころびながら潮崎は考える。昨日のあれは一体何だったのかと。昨日の件に関して基地内では箝口令が敷かれ、第306航空隊の6名には自宅待機が言い渡されているから、考える時間はたっぷりとある。常識で考えればバカげているが、自分たちが行ってきた場所は、ファンタジーで言うところの異世界。あの光の幕は、異世界とこちらとをつなぐ扉なのだろう。そしてそれはもうなくなっている。ならばもう気にする必要もない...。とは、潮崎にはどうしても思えなかった。異世界とこちらの扉が開いたのには何か理由がある。F-15J6機でちょっと向うを覗いてくる程度ではすまない理由が...。
してみると、自分たちはまた異世界に関わることもありうるのではないか?潮崎のそんな予測は、1週間後、最悪の形で的中することになる。
201X年1月18日早朝
新田原基地に警報が鳴り響いた。領空侵犯に備えよという命令が下る。警戒当直であるミョルニル隊も、準備を整えいつでも出撃できる状態にあった。が、いざF-15Jに乗り込んで出撃という段階になって、情報が混乱してなかなか発進許可が下りないという奇妙なことになってしまう。
『なにぃ!?急に飛行物体が日向灘海上に現れた!?対象は空飛ぶ木造の帆船!?貴様ぁ!任務中に酒でも飲んどるのかぁ!』
無線がオープン回線になっていることに気づいていないらしい基地司令のわめき声が、虫本たちミョルニル隊にも聞こえてくる。潮崎と及川は笑いをこらえるのに苦労していた。
『司令部、具申します。我々に発進許可を願います。何者かわからないが、とりあえずなにかがそこにいる。我々が様子を見てきます。責任は自分が取ります』
しびれを切らした虫本の言葉に、司令部は飛びつき、発進を許可した。自衛隊を税金泥棒と呼び、国防そのものが悪であると断じる空気がいまだ強い日本においては、こういう状況に対して素早く的確な決断など望みようがない。戦闘機を飛ばす燃料とてただではない、もし出撃が空振りに終わったら誰が責任を取るんだ、という非難は誰しも怖い。現場指揮官の虫本が責任を取ってくれるなら、将来中央の幕僚や将官を目指す人たちにとってはとてもありがたいことなのだ。
『ミョルニル1、発進する。後続、後れを取るな!』
虫本を先頭に、轟音を響かせて6機のF-15Jが飛び立っていく。
『現在、高度5000フィート、速力300ノット。目標到達まで2分』
領空侵犯者はすぐに見つかった。報告通り、空飛ぶ木造船。ようするにこの間見た異世界の乗り物のようだ。2隻いるが、潮崎と及川の記憶が正しければ、大きい方はこの間見た船と同一のもののようだ。ミョルニル隊は、編隊を維持したまま2隻の船の左側、1000フィート上につける。失速速度が心配だったが、異世界の空飛ぶ船は意外に速く、なんとか並走することができそうだ。
「隊長、見て下さい!連中、交戦中のようです!」
潮崎の指摘に、虫本は2隻の船に目をこらす。確かに、2隻の船は互いに矢を射かけ合い、投石器で石をぶつけあっているようだ。虫本は取りあえず大きい方を「でかぶつ」小さい方を「ちび公」と命名した
『ちっ、人の家の庭でどんぱちやりやがって!』
及川が不快そうに舌打ちする。
『落着け、クラウンはでかぶつ、プリーチャーはちび公を誘導しろ!とりあえず基地まで同行願おう」
『クラウン了解』『プリーチャー了解です』
クラウンこと、副隊長の一尉と及川が編隊を離れ、鮮やかな軌道でそれぞれの船の右舷につけると、バンク(翼を振って味方だと合図する行為)で敵対の意思がないことをしめす。異世界の人間相手に通じるかはわからないが。ついで、ハンドシグナルで、高度を下げろ、新田原基地に進路を取れと伝える。
が、ここで困った事態が起こる。”でかぶつ”は素直に誘導に従ったものの、”ちび公”は誘導を無視して速度を上げ、大きい船の進路をふさぎ、攻撃を続行しようとする。
『くそっ!やつらどいういうつもりだ!」
『隊長!攻撃命令を!このままじゃでかぶつが危険です!』
誘導に従ったために、まともに攻撃を受けてしまっている”でかぶつ”の被害を見た及川と副隊長が訴える。
『だめだ!我々が攻撃を受けたわけじゃない!軽挙妄動は慎め!』
虫本の言葉に、潮崎は歯噛みした。理屈は確かにそうだ。2隻の船とも、まだ敵か味方かもわからない。日本国民と日本国の領土に危害を加えたわけでもない。だが、日本の領土にずかずか上がってきてこちらの誘導を無視した挙句、戦闘行為を続けるやつらを放っておけというのか?
しかも、状況はさらに悪くなりそうだ。”ちび公”の船首でにわかに船員たちの動きが慌ただしくなり、砲台のようなものが準備されていくように見える。望遠鏡だか測距機の類に見えなくもないが、それならこのタイミングで敵の船に向けることの説明がつかない。潮崎の不安を裏付けるかのように、砲台が怪しく光り始める。十中八九あれは武器だ。
不安になり、ふと”でかぶつ”に目を向けると、上部甲板の上に意外な人物を見つけた。先だって異世界で、船の上に見かけたあの金髪美女だ。見れば、きょろきょろと周囲を見回し、何かを必死で探しているように見える。そして、なぜかこちらの方を見上げ、救いを求めるように手を差し出す動作をする。
ドクン。それを見た瞬間、潮崎の心臓が大きく一拍を刻み、頭に雷が落ちたように何かがフラッシュバックする。
全てが、全てが海に呑み込まれ、押し流されていく。あの日、大地がまるで崩壊していくかのように激しく揺れ、次いで津波があらゆるものを呑み込んだ。家も、森も、人も。
”助けて、お願い助けて”今にも流されそうな家の屋根の上で、泣き叫びながら手を伸ばすブラウンブロンドの少女。もう少し、あと少しで手が届く。
だが、その時負荷をかけ続けられてきた家の柱がついに倒壊し、傾いた屋根から滑り落ちた少女はそのまま濁った流れにさらわれ、見えなくなる。後には何も残らなかった。彼女は死んだのではなく消えたのだ。
「ゆかりが...、ゆかりが死んじまう!」
体の内から湧き出る爆発的な衝動に突き動かされ、潮崎はエンジンを吹かして舵を右に切り、編隊を離れる。
『おい、セイバー!何をやってる?戻れ!』
無線から聞こえる虫本の命令を意に介さず、潮崎はF-15Jを急旋回させて捻りこみから”ちび公”の右上方に遷移すると、20ミリガトリング砲で攻撃を開始する。作りは頑丈とはいえ所詮木造船。マストや上部構造物、甲板の床までがパルプのように粉砕され、おまけとばかりに曳光弾による火災まで発生させていく。
潮崎はそのまま機首を引き起こして旋回し、ミサイルのセーフティーを外すと船の中央部をHMDの真ん中に捕らえ、兵装の中からサイドワインダーを選択し、トリガーに指をかける。が...。
『セイバー!聞こえないのか!?攻撃をやめて編隊に戻れ!これは命令だ!』
いつも冷静で温厚な虫本らしくない怒鳴り声に、思わずトリガーから指を放す。同時に、ふと今自分は何をしたのかと思う。全身に汗がにじみ、飛行服の中の温度が上昇していく。やっちまった。命令違反に独断での発砲...。クビどころか、最悪逮捕される...。
『セイバー!一体どうしちまったんだ?どういうつもりだ!帰ったら懲罰を覚悟して...』
だが、虫本はその言葉を最後まで言うことができなかった。突如として”ちび公”の船首からまばゆい一条の光がほとばしり、周囲の空間を薙ぎ払ったからだ。
大気そのものが燃えて、プラズマ化していく。もしミョルニル隊が外の空気を吸うことができたなら、強烈なオゾン臭がしていたことだろう。エクスカリバーの熱量はそれほどにすさまじかったのだ。
アリオト伯国軍はもはやなりふり構っていられない状態にあった。ベネトナーシュ王立軍は先だってのザハン渓谷での戦いに勝利して以降、自信をつけ、指揮を高め各地の戦場で勢いづいていたからだ。そして畳みかけるように、王立軍は戦争を早期に集結させるため、異世界の軍隊に助力を願うつもりだという情報が入った。伯国軍の将兵。特にザハン渓谷の生き残りたちは戦慄した。戦場に突如現れたあの鉄の龍が敵になる?轟音を響かせ、凄まじい速さで空を疾駆する鉄の龍と戦わなければならない?それだけはなんとしても阻止しなければならない。鉄の龍云々に関しては半信半疑だった伯国軍上層部も、王立軍が強力な味方を得て自分たちに襲い掛かってくるのはまずいということは理解していた。
そんなわけで、ザハン渓谷から海上に出て光の幕、異世界への扉である時空門へ向かう王立軍を叩くべく網を張ったのだ。が、王立軍の抵抗は激しく、旗艦である飛行船が時空門を超えることを許してしまう。やむなく時空門を超えてこちらまで追跡してきたが、今度は複数の鉄の龍に取り囲まれてしまった。こうなってはやむを得ない。どんなことをしても王立軍と異世界の軍との接触を阻止せねばならない。伯国軍の船長は強硬な兵たちからの突き上げに抗しきれず、エクスカリバーの使用許可を出したのだった。もし異世界の軍人や民を傷つけることがあれば、異世界の軍が敵になってしまうと想像する神経は、彼らには残っていなかった。ひっ迫する戦況の中、勝てば官軍と思い込んでいた、いや、思い込もうとしていた彼らには、自分たちの行動の結果に想像力を働かせることなどとっくにできなくなっている。
ところが、エクスカリバーの準備ができたちょうどその時、想定外の事態が起こる。鉄の龍の1頭が急に襲い掛かってきて、見たこともないような魔法で攻撃をかけてきたのだ。衝撃でエクスカリバーが固定された台座から外れ、狙いを定めていた技術兵が撃たれて戦死し、エクスカリバーの筒に倒れこんだ。このため、敵の船に狙いを定めていたはずのレーザーは不安定に明後日の方向を薙ぎ払う形になってしまった。
幸いにしてミョルニル隊も”でかぶつ”もレーザーの射線には入らなかったが、陸地の方はそうもいかない。斜めに薙ぎ払われた光の剣は、海沿いにあるリゾートマンションを直撃する。最上階から逆に数えて3階分がごっそり斜めに切り裂かれ、地滑りよろしく滑落していく。数10トンのコンクリートと鉄の塊は、マンションの庭を挟んで20メートルほど横にあったコンビニを押しつぶし、がれきの山に変えた。
『な...。ばかな...!』
虫本はそれだけのどから絞り出すので精いっぱいだった。その破壊力におののいたこともそうだが、警告もなしに突然あんな威力をもつ武器を使用する人間の正気を疑ったのだ。戦慄はすぐに激しい怒りに変わった。あれでどれだけの人が死んだのか?けじめはつけさせてやる!
『日本国に対する敵対行動と認定!全機、セイバーに続け!ちび公を攻撃せよ!』
虫本の命令を合図に、ミョルニル隊は”ちび公”に群がり、ガトリング砲と対空ミサイルのシャワーを浴びせていく。ミサイルの噴煙が、20ミリの曳光弾の光が交錯し、スズメバチの群れのごとく容赦のないつるべ打ちとなって降り注ぐ。木造船に過ぎない”ちび公”からすれば、それは抵抗さえ許されない無慈悲な集団リンチだった。船のあちこちで火の手が上がり、燃える帆柱が倒壊して船員や兵たちを押しつぶし、20ミリの直撃を受けたものは原型をとどめない、血みどろのハンバーグの種のような塊になり果てる。
サイドワインダーの直撃でついに竜骨を砕かれた”ちび公”は浮力を維持することもできず、真っ二つになって日向灘へと落下していった。
「勝ったのか?」
『一応な。だが大変なのはこれからだぜ。あんたは特にね』
自分のつぶやきに親切に応じてくれた及川の言葉に、潮崎は胃が急速に収縮していくような感覚を覚えたのだった。
新田原基地に誘導された”でかぶつ”は、ヘリポートにふわりと着地した。周囲はたちまち64式小銃で武装した警衛に取り囲まれる。まだ”でかぶつ”が味方と決まったわけではないのだ。しばらくすると、船体横の扉が開き、手すり付きの階段が降ろされてくる。下りてきたのは、すっきりしたデザインだがノーブルな印象の白いドレスをまとった金髪美女だった。後ろには、シェイクスピアのオペラから飛び出してきたような、中世かルネサンス期の欧州風の装いの者たちを従えている。
「自分は、新田原基地司令、増子一等空佐であります。よくおいでくださいました!」
増子一佐はとりあえず日本語で名乗りを上げ、敬礼する。言葉が通じる保証がなくとも、まずは話しかけてみること。これが彼の信条だ。
金髪美女は柔らかい笑みを浮かべると、スカートを両手で軽くつまみ上げ、お辞儀をする。その動作のあまりの優雅さに、増子はつい見惚れてしまう。警衛たちでさえ、その美しさ、優雅さに見入っている。彼女は従者らしい人間に紙とペンを用意させると、なにごとかしたためていく。文面を描き終えた紙を手渡された増子は困惑した。アルファベットの組み合わせでなにかを表現する言語には違いない。が、英語とも、スペイン語やドイツ語ともちがい、さっぱり内容がわからないのだ。が、金髪美女が何かの詠唱を始めると、増子は唐突に相手の意図を理解した。どういう原理か見当もつかないが、彼らの言語の下に、日本語の表記が炙り出しのように浮きあがっていくのだ。それはこう読めた
”閣下におかれましてはごきげんよう。
わたくしはベネトナーシュ王国第一王女、ルナティシア・フレイヤ・フェルメールと申します。
お会いできて光栄です。
また、先ほどは助けていただき、ありがとうございました。
本日こちらにうかがったのは、貴国との国交を結ぶため。また、窮地にある我が国を救うため、貴国にご助力をお願いするためです。”
文面を呼んだ増子は内心頭を抱えた。話が大きすぎて、自分の権限を越えていたのだ。
かくして、日本と異世界のファーストコンタクトは波乱に満ちたものとなった。いや、これからさらに波乱に満ちると言うべきか。
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