時空を駆ける荒鷲 シーズン2 F‐15J未智の海原へ

ブラックウォーター

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01

パイロットたちの憂鬱

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 04
 隣で戦争が起きている時に、こちらではスポーツの試合やお祭りが楽しく行われていると言うことはよくある。
 ここ、ドゥベ公国の首都バイドラグーンでも、ブローンルック半島での騒乱を横目に平和維持軍主催のお祭りが行われている。
 今回の目玉はF-15JSとSu-57によるアクロバット飛行だった。轟音を響かせて一糸乱れぬ動きで並走する2機の全くシルエットの異なる戦闘機。
 ゴオオオオオオッ ギュウウウウウウウウンン
 並走していた2機は、フレアを発射しながら散開し、本格的にアクロバット飛行に入る。
 タイミングを合わせて同時にクルビット、水平飛行中のピッチアップから機首を前方に戻さず、後方に一回転させ水平姿勢に戻る機動を行う。
 下で見ている観衆から歓声が上がる。機動性重視のロシアのSu-27やMig-29では見慣れたものだったが、設計の古いF-15系統の機体で実行されるのは非常に珍しかったからだ。
 ショーはそれだけでは終わらない。
 再び並走した2機が同時に反対方向にバレルロールを行い、上昇する。そして、上昇軌道の頂点で意図的に失速し、側転のように機体を1回転させる。コブラ・ターンと呼ばれる機動で、これもまた、高度な機動性と失速特性を備えた機体でなければ不可能とされる。
 コブラ・ターンから水平飛行に移行し、アクロバット飛行は継続される。
 そして最後に、2機は一糸乱れぬ動きで同時に滑走路に着陸した。
 『なあ木ノ原、北に500キロ行ったところじゃドンパチが起こってるのに、なんで俺たちアクロバット飛行なんてやってるんだ?』
 「上が踏み切れないでいるんでしょ、どうせ。
 ブローンルック半島の司令部からはまだ正式な救援要請が出てないみたいですからね。うかつに動いてマスコミに叩かれるようなことはしたくないってことでしょ」
 Su-57のパイロット、イワン・オヤマーノフ中尉の言葉に、F-15JSの木ノ原は皮肉交じりに相手をする。最近こちらに派遣されて来たばかりで、こちらの事情は良く知らないが、平和維持軍がかつてとはすっかり様変わりして、官僚主義と事なかれ主義が横行しているという噂は本当だったらしい。
 『情けねえ!反乱を起こしたやつらの気持ちもわかるぜ!』
 『聞こえてるぞ!そのセリフ、人前で言うんじゃないぞ!』
 低い女の声が無線から聞こえる。木ノ原の所属するF-15JSで構成される飛行隊、シグルド隊の隊長、龍坂素子一尉だ。今回のアクロバット飛行の責任者でもある。
 「隊長、そうは言いますけどね、上もずいぶん余裕がありますなあ。半島でやられてる仲間たちを知らん顔して我々にお祭りやれってんだから!」
 『どうしても戦いに行きたいなら止めないぞ。上に話は通してやる。猛者ぞろいの教導団に勝てる自信があるならな』
 混ぜ返された龍坂の言葉に、木ノ原は何も言えなくなってしまう。確かに、歴戦のつわものである教導団相手にうかつに戦いを挑むのは自殺行為であることに変わりはない。
 ともあれ、龍坂とて上層部の無為無策と保身第一のやり方にうんざりしているのは同じだった。
 結局、教導団を中心とした反乱分子が航空機や艦艇、そして貴重な装備を根こそぎ持ち逃げし、ブローンルック半島から姿を消すまで、本格的な対策が打たれることはなかった。

 木ノ原慎治26歳。三等海尉。航空自衛隊より海上自衛隊に出向し、空母艦載機のパイロットを拝命している。現在は海上自衛隊からさらに平和維持軍に派遣されている身だ。
 無頼漢、横紙破りという印象を常に頂戴している。まあ生まれは良くても育ちが悪いからとは本人の弁。
 10代前半に思い出したくもない出来事があって、10代後半は荒れていた。武器の密輸や闇賭博、いくつもの金融犯罪などいろいろ悪さもやって来た。
 世間に対する復讐心や、個人的な趣味もあって、人妻に手を出すことをゲームのように楽しんでいた時期もあった。
 だが、自分に向き合って愛してくれる人と、自分を厳しく鍛えてくれる人に出会えたのは幸運だった。世の中なんてこんなものだと思い込まずに済んだのだから。悪事から足を洗って、まじめに生きようと思えたのだ。
 ともあれ、その後も思い出したくもないことがあって逃げるように故郷を後にして、やけ気味に自衛隊の門を叩いた。
 陸で泥にまみれるのもぞっとしないし、いつも同じに人間と接している護衛艦の暮らしにも興味を持てなかったからという理由で空自に志願した。特に理由があったわけではない。
 それが何の因果か、適正テストでサイコセンサーとサイコトランスミッターに対する適合率が高いという理由で、幹部候補学校を卒業した足でエリート部隊である飛行教導群に配属された。そして、気が付いたら異世界に派遣されて最強の制空戦闘機と名高いF-15JSを任されている。
 それでいて、やることと言えば訓練ばかり。やっと任務が舞い込んだと思えば、お祭りでアクロバット飛行という有様だ。いい加減、自分はなんのためにF-15JSを預かったのかという疑問を抑えられなくなっていた。

 05
 ブローンルック半島沖に、巨大な空母とその護衛艦隊の威容が居並ぶ。 
 中心にあるのは、DDC-195空母”ほうしょう”。全長320.6メートル、満載排水量 8万2,655トン。かつて、米海軍でジョン・F・ケネディと呼ばれた空母を日本が安く下取りし、大幅な改造を加えたものだった。
 ことの始まりは、”自由と正義の翼”動乱において、アメリカが自国の都合だけ考えて反乱組織である”自由と正義の翼”を支援していた証拠が、秘密裏につかまれたことによる。
 地球も異世界も、アメリカの軍事力と経済力なしには立ち行かない。それは事実だが、震度9以上の地震を2つの世界に起こすことを企んだテロに加担し、アメリカが漏洩した情報のせいで多数の将兵が犠牲になったという話は、看過できるものではなかった。
 結局、アメリカは軍縮を口実とし、実質的な損害賠償として、兵器を格安で被害を受けた各国に払い下げる、あるいはリースするという方向で責任を取ることとなった。
 ともあれ、古い空母をそのまま運用するわけにも行かない。そんな事情で、一大魔改造が始まるのだった。
 蒸気機関は全て撤去され、代わりにガスタービン8機と電動機4機が装備された。ガスタービンは常に高温の排気を逃がす必要があり、煙突のレイアウトの問題がついて回るが、そこは思い切った措置がなされた。
 そもそも、なぜ現代の軍艦のほとんどが、機関部を前と後ろに分散する”シフト配置”を採用しているのか?それは、一発の被弾で機関が全滅しないようにという配慮のためだ。
 だが、これには議論の余地があった。シフト配置を採用するということは、機関部が冗長となり、被弾面積が増えると言うことでもある。それに、長すぎるスクリューシャフトも弱点となる危険がある。
 マレー沖海戦で、健全なシフト配置を採用していた、戦艦”プリンスオブウェールズ”がスクリューシャフトに被弾して、ねじ曲がったシャフトが太鼓のバチのように周囲を叩き、破壊の限りを尽くしたという前例もある。
 それも踏まえていろいろ試行錯誤した結果、大日本帝国海軍の象徴であった大和型戦艦の設計に範を取ることとしたのだ。要するに、装甲に制約のある小型艦だからこそ、シフト配置を採用せざるを得ない。なら逆に、装甲を充分に取れる大型艦であれば、むしろ機関を集中配置して周りを分厚い装甲で覆うのもありじゃね?ということである。
 機関部を船体中央に集中配備し、ガスタービン、減速機、電動機を別々の区画に収めたものをワンセットとする。そしてそれを4つ並列に配置するという、集中防御の策が取られたのだ。各機関部には徹底して装甲が施され、別々の水密区画が用意されているという贅沢ぶりで、機関部の容積そのものはコンパクトにまとまったものの、装甲の重さで重量はほとんど変わらないという状態だった。
 コンピューターのシュミレーションでは、艦側面に対艦ミサイル数発を食らっても、装甲により機関にダメージは及ばない。さらに魚雷が側面に直撃したとしても、外側の機関部が盾となって、内側の二つの機関部は無傷という結果が出た。
 かつて、大日本帝国海軍の戦艦である武蔵と大和が、多数の敵航空機の猛攻を受けながらも最後まで機関停止はしなかった事実を鑑みれば、これは十分に現実的な話と言えた。
 そして、その集中配置のおかげでガスタービンの高温の排気を通す排気管を冗長とせずに済んだのはありがたいことだった。これがシフト配置を採用していたら、イギリス海軍の空母のように、煙突と一体化したアイランドを前後に設けることになっていただろう。
 蒸気タービンの時に比べて多少馬力は落ちて、最高速度も31ノットから30ノットまで落ちたものの、電動機のおかげで燃費、加速性能、静粛性全てが向上していた。
 ガスタービンの高熱の大量の排気を逃すために、アイランドの改修工事が行われ、煙突とアイランドそのものが多少大きくなった。しかし、ガスタービンの排熱を逃がすにはそれでも十分ではなく、煙突と隣接した区画は高速運転時には高温となり、旧海軍の空母”赤城”や”加賀”になぞらえ、”人殺し長屋””焼き鳥製造機”と揶揄された。
 解決策として、配管周辺の断熱材をさらに厚くするとともに、配管周辺に水を循環させるパイプを配置させることとなった。被弾した場合に高温の蒸気が周辺に被害を与える危険はあったものの、風呂や暖房などの熱を余剰熱から回収できるというのはありがたい話ではあった。合わせて、煙突にもケブラーやセラミックなどで装甲が施された。
 また、燃料をジェット燃料に統一できたことで、重油を持ち歩く必要がなくなり、さらに、機関部がコンパクトになったことで燃料タンクと弾薬庫の容積も増大し、航空機運用能力は大きく向上したと言えた。後継艦のニミッツ級原子力空母と比べて半分程度と揶揄された燃料、武器弾薬補給能力は、大きく向上したのだった。
 そして、蒸気カタパルトは全て撤去され、異世界の技術で高度に完成を見たリニアカタパルトが4機装備されていた。容積はコンパクトで、保守点検にも手間いらず、出力の調整も容易。正に、蒸気カタパルトとは一線を画するものだった。 
 旧式のレーダーは一切合切撤去され、自衛隊の最新式レーダーであるFCS-3が装備された。これで、対空索敵性能にも不安はない。
 ソナーも、退役した護衛艦から撤去したものとは言え、いまだ一戦級のものが装備された。
 これにより、継子扱いされたまま老朽化し、退役した空母は、完全にとは言わないまでも、21世紀においても通用する正規空母として生まれ変わったのだった。

 「こちらシグルド隊。これより着艦シークエンスに入る!」
 シグルド隊隊長の龍坂が”ほうしょう”に無線で呼びかけ、着艦体制に入っていく。飛行甲板すれすれでアプローチし、アレスティングフックでアレスティングワイヤーをつかまなければならないという作業はなかなかに難しいが、訓練を重ねてきた龍坂には造作もないことだった。
 が、経験の少ないシグルド隊の若者たちはそうはいかない。オーバーランしてやり直しになったり、艦尾に頭をぶつけそうになったりするものが続出した。
 「シグルド6、着艦体勢に入る」
 一番最後になった木ノ原は、訓練通りにF-15JSをアプローチさせていく。陸上と違って、海上で揺れ動く空母への着艦は、いまだ全自動とするめどが立っていない。それぞれのパイロットの技量と経験で着艦させるしかないのだ。
 ふと飛行甲板を見ると、アイランドの横で笑顔で手を振っている見知った女性が目に入る。まったく、誰も規律が乱れる元だとは思わないのかね...。木ノ原は呆れながら着艦シークエンスを進めていく。向かい風が思ったより強い。予定通りには行かない。一番最後のワイヤーを狙うことにする。
 コックピットに着艦の凄まじい衝撃が走る。フックがきちんとワイヤーを捕らえられたか自信がなかったが、すぐに目玉が飛び出そうな加速度がかかり、機体が静止するのを感じる。無事にワイヤーを捕らえられたのだと安心する。

 やはり、F-15JSを無理に艦載機としたのは問題だったな。と木ノ原は思う。
 着艦した時の感触が、非常に危なっかしいのだ。
 機体はほとんど原型機であるF-15JSそのもの。変更点と言っては、前脚をダブルタイヤとし、主脚もカーボンファイバーなどで補強。それに加えて、FA-18Eと同じアレスティングフックを装備しただけだ。
 主翼折りたたみ機構がないから場所を取るし、空中給油の方式も、簡易な機体でできるプローブアンドドローグ方式ではなく、専用の本格的な給油機を必要とするフライングブーム式のままだ。
 陸上からの支援を受けることを想定しない空母艦載機において、これは非常に危険なことと言えた。
 なぜこんな強引な用兵がなされたのか。それは、日本が空母を運用するに当たり、調達可能な優秀な制空戦闘機と言える機体が、F-15JSくらいしかなかったことによる。
 なにしろ、”ドゥベ戦争”と”自由と正義の翼”動乱を経て、中途半端な性能の機体ならない方がまし。という冷酷な戦訓が全ての将兵に刻み付けられたのだ。ステルス性能とマルチロール性能を追求したために空戦性能において妥協した機体が、純然たる制空戦闘機に手も足も出ないまま落とされていく状況を誰もが目にしていた。
 正規空母運用決定と合わせて調達されたF-35CJでは空戦において力不足は明らかだったし、米軍から安くリースされたFA-18Eも同様。かと言って今さらロシアやフランスあたりから勝手の違う戦闘機を輸入したり、ライセンス生産したりする時間も余裕もない。
 なら、運用実績が長く、信頼性の高いF-15J系統の機体を艦載機にしよう。そんなノリで、F-15JSに最低限を改造を施して艦載機とする無茶苦茶な用兵が選択されたのだった。
 今まで事故が起きなかったのは、現場のたゆまぬ努力のおかげだな。
 マスクを外し、ヘルメットを脱ぎながら、木ノ原はそんなことを思った。

 「慎坊、おかえり!」
 F-15JSから飛行甲板に降りた木ノ原を、満面の笑みで迎えたのは、木ノ原の従姉、自称彼の”妻”雨宮静乃だった。
 一応海自の作業服を着ているが、自衛官でないのは一目瞭然だった。一応自衛隊に雇用され、平和維持軍に出向している民間協力者という立場ではある。
 ”護衛艦乗りにしては美人過ぎるし、おっぱいも大きい”とは古参の海曹の間で囁かれる皮肉交じりの冗談。
 まあ、実際美人ではあるのだが。やや茶色のかった黒髪は美しく、腰まである。頭が小さく顔立ちは整っていて、女優と言っても通じそうだ。実際地球で芸能活動をしていた時期もあったが、木ノ原が異世界へ派遣されると聞き、芸能活動を休業して平和維持軍の嘱託職員に志願し、この”ほうしょう”に配属されたという経歴を持つ。
 ”それなんてエロゲ?””いくら生まれた時から姉弟みたいに育てられたからって、弟君好きすぎだろ!”失笑とやっかみを兼ねて、そんな声が”ほうしょう”艦内からはひそひそと聞こえる。
 「あの...静乃...慎坊はやめてくれよ...。それと、あんまりみんなのいる前でベタベタするのは...」
 「うん...わかったよ。ここは護衛艦の中だしね、ごめん。じゃあ、後でみんなのいないところで♡」
 木ノ原は周りから”爆発しろ!”という殺気が突き刺さるのを感じて困り果てる。
 ちなみにこう見えて、2人に男女の関係はない。知らない人間にとっては意外かもしれないが、いわゆる友達以上恋人未満の関係なのだ。
 木ノ原も静乃の気持ちには気づいているのだが、いろいろあって恋愛恐怖症とでも言うべき状態にあり、踏み切れないでいる。
 まあそんなこんなで、”ほうしょう”とその指揮下の空母海上護衛群は平和なのだった。
 今はまだ。
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