女体化元男子たちとの日常 学園唯一の男子生徒になったけど

ブラックウォーター

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第一章 女しかいない街と学園で

05 慎みゼロの少女たち

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「な……。おどかすなって……。君たしか同じクラスの……」
「大多喜命だしー。つかさっち、ちょっち一緒させてねー」
 命は無遠慮に、湯船のふちに寄りかかってくつろぎ始める。
 ギャルっぽい美少女だが、髪が濡れて化粧を落とすとだいぶ印象が変わる。
「いやいや! 一緒させてって言われてもなんで?」
 司には、命の羞恥心のなさが理解できなかった。こちらは恥ずかしさで心臓がパンクしそうなのに、あちらはまるで余裕なのが少し悔しい。
「だってーあっちギュウギュウで狭いんだもん……。両脚伸ばせやしない。あーこっちは広いー生き返るー」
 少女は美しい裸体を隠そうともしない。形のいい胸の膨らみも、キュッとくびれた腰も、大きいが張りのある尻も、むっちりとした太ももも全部見えている。
「あのさー……一応団体生活なんだし……。女の子が男と入浴ってまずくないか?」
 命の方を見ることもできないまま、一応抗議してみる。
「ま、白井さんには内緒ね? 一応規則で男女はお風呂別ってことになってっから」
 いたずらっぽい笑みを浮かべて命が答える。
(いや……そういう問題では……)
「つかさっちもさー。あんまり気にしないでいいよー。あたし元は男だったわけだしー。こうして一緒に入っててもあんま気にならないっていうかさー」
 自由な命は、男の視線をまるで意に介さず湯加減を楽しんでいた。
「あれ? ていうかさ、どうやってあっちからこっちに入ってきたわけ?」
 今になって、命が湯船の中から現われたことに疑問を感じる。
「そりゃ簡単だしー。こっち来て潜ってみー?」
 命に促されるまま、仕切り板に近づいて潜ってみる。
(げ……!)
 驚きで、危うく溺れそうになる。
 目の前にかわいいお尻と美しい脚がいくつも並んでいたからだ。
 仕切り板は、湯船の底まで伸びていなかった。というか、お湯の表面のすぐ下くらいの深さしかない。
 仕切られているのは、普通に入浴していて見える部分だけ。お湯に潜ればあちらが丸見えだし、自由に行き来することもできる。
「お……俺もう上がるよ……」
「あらそうー? 背中流してあげようかと思ったのにー」
「からかうなって。ごゆっくり」
 もう少し浸かっていたかったが、司はその場を辞した。命の裸体と仕切り板の向こうの光景に股間は臨戦態勢を整えてしまい、隠すのに苦労した。

 自室に戻った司は、ベッドに寝転がって悶々としていた。
(まさか……女体化した元男がここまで恥じらいがないとは……)
 担任の鴨川から言われた言葉が身に染みる。『普通の女の子に比べるとかなりアレ』。正にその通りだ。
 しかも、男である司にとってはいい意味で、下品で慎みがないから困る。
(普通の男なら……ああいう女の子たちには抵抗あるものかね……? 俺がスケベで変な意味で寛容なのか……?)
 そんな疑問がわいてくる。
 恥じらいのない女の子たちの立ち振る舞いが、全く嫌ではない。むしろ、見ていて変な気分になってしまう。かわいくさえ思えてしまう。
 そんなことを思った時だった。
「ああ……あああん……!」
 壁越しに変な声が聞こえる。
(なんだ……怪我でもしたか? あるいは生理が重いとか……)
 気になって耳を澄ませてみる。
「やん……ああ……あああーーっ……!」
 だが、聞こえる声は妙に甘く色っぽい。
(これってもしかして……)
 司は壁に耳を当てる。完全に出歯亀だが、好奇心を抑えられなかった。
「だめっ……感じる……! ああ……気持ちいい……! あああんっ!」
 ひときわ大きく響いた声に、予測は確信へと変わる。隣の部屋の住人がオナニーをしている。間違いない。
 一瞬、女同士で戯れているのかと思った。が、声はひとりのものしか聞こえない。
 童貞ではあるが、ネットのエロ動画で知識くらいはある。セックスをしているなら、二人分の声がしなければおかしい。
「だめだめっ……もう……もう……! あっあああああっ!」
(声大きいなー……)
 そんなことを思いつつ、司はズボンとパンツを下ろして猛り狂ったものをしごき始める。ただでさえ、風呂場で命のあられもない姿を見て興奮していたのだ。こんな声を聞かされて我慢できるはずがない。
 それに、向こうが勝手に大きな声を上げながらしているのだ。オカズにしてもバチは当たらないだろう。
 そんなことを思っている間に、気がつけば果てていた。
 出した後は、トイレに行きたくなる。ドアを開け、廊下に出る。
「あ、こんにちはー……」
「やあ、どうも……」
 偶然にも、今オカズにした隣室の住人と鉢合わせる。見覚えがあった。
 ふわっとした髪が美しい、ゆるふわ系と言っていい美少女だった。紺色のシックな修道服を着ている。学園の敷地内にある教会の、見習いシスターだと聞いている。
「君は確か同じクラスの……」
「八千代優輝ですー。市原司さんでしたねー」
 そう言って微笑む美少女は、若干様子が変だった。
 目が潤んでほおは赤く染まっている。身体になんとも言えないにおいをまとっている。多分愛液のにおいだろう。
 昔、新婚の従姉の家にお邪魔したことがある。夜の営みをした翌日のシーツから漂っていたにおいが、正にこれだった。
(シスター服でオナニーしてたのか……? なんか背徳的……)
 つい想像してしまう。修道服とシスターキャップをまとった優輝が、自分で慰めているところを。
「そのー……もしかしてうるさかったですかー……?」
 ゆるふわ系少女がためらいがちに聞いてくる。
「え……? いや……なにがかな……?」
 切磋にとぼけるが、目が泳いでしまう。
 彼女の嬌声をオカズに抜いていたことを、見透かされたような気分になったのだ。少なくとも優輝は、声が隣室に聞こえていたことを確信していた。
「これからは気をつけますのでー……」
「う…うん……」
 そんなやりとりをしながら、並んでトイレに向かう。
 優輝はビデでオナニーの後始末をするつもりなのか、あるいは女の子も事後はトイレに行きたくなるものなのかも知れない。
(考えてみれば、女の子だってオナニーはするわけで……。寮の他のみんなも……岬や命も……)
 用を足しながらそんなことを想像してしまう。
 もうすぐ消灯時間だが、もう一度抜かなければ眠れなそうだった。
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