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エクストラストーリーズ 全四話
Ex2 海を渡ってきた行商人
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ある行商人が辺境の村にある鍛冶屋へと呼ばれた。
鍛冶師が黙々と赤い鉄を打つ熱気に顔をしかめる男。シワの多い歳のいった猫背で小柄なその男は、鍛冶師に要件を聞く。
「街から来た行商の者です。どのような取引を?」
「俺が作った剣をある場所に届けてほしい。利益が出たらお前が取って構わん」
「どういう事でしょう?それだと対等な取引というものが・・・・」
「こいつも持っていけ」
「これは、ドラゴンの鱗でございますか?」
鍛冶師は立ち上がると行商人へと歩みより肩をガシッと掴んだ。
「中央大陸に向かえ」
そう言うと鍛冶師が大きく口を開ける。行商人は目の前の光景に卒倒しそうになっていた。なぜなら、鍛冶師の口の中から毒々しい色の蠢く触手が覗いていたからだ。
それは行商人の顔へと飛びつき口を無理やりこじ開け入り込んでくる。彼の体にそれが完全に入ると、鍛冶師は意識を失い倒れた。
行商人は虚ろな目で呟く。
「ルーベファンス・・・・、ノドガロス王国・・・・」
彼の姿は港にあった。荷物を抱えた彼はルーベファンス大陸行きの船に乗った。
「この度は竜騎兵団設立おめでとうございます。お祝いの品がございます故、一度お目通し願いたい」
ノドガロス王国の城門前で衛兵にそう話す行商人。暫くして入城の許可が下りると中へと案内された。
一室に通されると、竜騎兵団副団長のバルザザが彼を対応する。
「して、その品というのは?」
「こちらは龍殺しの武器でございます。貴重な品故、二振りしかご用意できませんでしたが」
「そのような剣は初めて見るな。しかし紛い物であるならば罰せられるぞ」
「ですからドラゴンの鱗もご用意しております。こちらでお試しになってください」
「ほう、抜け目のない奴。気が利く」
バルザザは机に鱗を置くと自らの剣で切りつけた。剣は弾かれ刃こぼれを起こした。
「ふむ、鱗は本物の様だ。ではその剣を貸せ」
男はニヤニヤしながら手渡す。
バルザザがそれを振り下ろすと紙でも切ったかのような手ごたえで鱗が真っ二つに切れ、木の机にその刃を食い込ませて止まった。
「素晴らしい。これなら陛下にもご報告出来る」
「では確かに差し上げましたので、私はこれで」
「なんだ?行商人のくせに商売の話の一つでも持ち掛けないのか?」
「あくまで今回はお祝いでございます。それはまたの機会にでも」
男は部屋を後にする。バルザザは去って行く男の後姿を眺めながら呟く。
「名も名乗らんとは変わった行商人も居るもんだ」
その後の彼の行方を知る者は居ない。
鍛冶師が黙々と赤い鉄を打つ熱気に顔をしかめる男。シワの多い歳のいった猫背で小柄なその男は、鍛冶師に要件を聞く。
「街から来た行商の者です。どのような取引を?」
「俺が作った剣をある場所に届けてほしい。利益が出たらお前が取って構わん」
「どういう事でしょう?それだと対等な取引というものが・・・・」
「こいつも持っていけ」
「これは、ドラゴンの鱗でございますか?」
鍛冶師は立ち上がると行商人へと歩みより肩をガシッと掴んだ。
「中央大陸に向かえ」
そう言うと鍛冶師が大きく口を開ける。行商人は目の前の光景に卒倒しそうになっていた。なぜなら、鍛冶師の口の中から毒々しい色の蠢く触手が覗いていたからだ。
それは行商人の顔へと飛びつき口を無理やりこじ開け入り込んでくる。彼の体にそれが完全に入ると、鍛冶師は意識を失い倒れた。
行商人は虚ろな目で呟く。
「ルーベファンス・・・・、ノドガロス王国・・・・」
彼の姿は港にあった。荷物を抱えた彼はルーベファンス大陸行きの船に乗った。
「この度は竜騎兵団設立おめでとうございます。お祝いの品がございます故、一度お目通し願いたい」
ノドガロス王国の城門前で衛兵にそう話す行商人。暫くして入城の許可が下りると中へと案内された。
一室に通されると、竜騎兵団副団長のバルザザが彼を対応する。
「して、その品というのは?」
「こちらは龍殺しの武器でございます。貴重な品故、二振りしかご用意できませんでしたが」
「そのような剣は初めて見るな。しかし紛い物であるならば罰せられるぞ」
「ですからドラゴンの鱗もご用意しております。こちらでお試しになってください」
「ほう、抜け目のない奴。気が利く」
バルザザは机に鱗を置くと自らの剣で切りつけた。剣は弾かれ刃こぼれを起こした。
「ふむ、鱗は本物の様だ。ではその剣を貸せ」
男はニヤニヤしながら手渡す。
バルザザがそれを振り下ろすと紙でも切ったかのような手ごたえで鱗が真っ二つに切れ、木の机にその刃を食い込ませて止まった。
「素晴らしい。これなら陛下にもご報告出来る」
「では確かに差し上げましたので、私はこれで」
「なんだ?行商人のくせに商売の話の一つでも持ち掛けないのか?」
「あくまで今回はお祝いでございます。それはまたの機会にでも」
男は部屋を後にする。バルザザは去って行く男の後姿を眺めながら呟く。
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その後の彼の行方を知る者は居ない。
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