僕がこうなった理由

愛色紫街

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初めての世界

この世界

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 僕はルルアについて行く。すると、さっきまで木で出来ていたような小さな家は、どんどん どんどん大きくなって、まるで豪邸のようになった。

「さぁ、入ってちょうだい!」

 少し頬を赤らめたルルアが言った。僕とフォロは中へ入る。ルルアも一緒に入ると中にあった、何かよくわからない柔らかくてプリプリした木?のようなもので出来た椅子を指すと、そこに座れと指示した。
 そして僕はそこに座ると、ルルアに訪ねた。

「僕、何もわからないんだ。気がついたらここに・・・」

「うんうん、ユウはなんにもわかんないだろうね。」

リリアは僕をユウと呼んだ。

「ねぇユウ、もしかしてっていうか絶対土管の中にいたでしょ?」

僕は驚いた。それはそのとおりだったから。

「う、うん、土管の中にいた。」

「ユウみたいな、人間という動物がこの世界に来るために必要な条件は限られてるのよ。」

「その一つが土管?」

「そう。それも桐山公園のね。」

「桐山公園?」

「わかってないの?ユウが入った土管があった場所。」

 あ、桐山公園って言うのか。

「わかった。ほかの条件は?」

「条件は全部で4つあるの。そのうちの1つが桐山公園の土管で、もう1つは『死んでもいいや』って思ってる人。そしてもう1つは、小学生であること、そして最後は夜の3時から5時の間だけって決まっているの。ユウはそのすべての条件に当てはまったのよ。だからここにこれたの。」

「そ、そういうことなのか・・・。」

「ねえユウ、帰りたい?」

「・・・うーん。」

 わかんないのだ。怖いけど、不思議だけど。帰って何がある?帰る意味はあるのか。それともこのわけのわからない世界で生きていくのには元の世界に戻るのよりも、よっぽど価値があるのではないか。

「わかんない・・・。」

「そっか。わかったよ。」

「え?」

ルルアとフォロが消えた。あたりは暗闇に覆われて、僕の意識はなくなった。



           ★*゚



 ピーチクチク。鳥の鳴き声が聞こえる。

「うーん・・・。」

眠っていた僕は、目を覚ます。

「あれ?」

見覚えがある場所。ここは僕の家のベッドではないか。

「さっきのは?」

 まさか、夢だったのか?あんなにリアルに感じたのに。しかし服装はパーカーを着ていた。

「夢なら土管にいるはずだよね。」

わけがわからない。しかし学校へ行く時間だ。反射的にランドセルを持つと、学校へ向かった。

「お!優人、おはよう。」

怜央が声をかけてきた。

「お、おはよう。」

 挨拶を返すが、なぜ今僕は学校にいるのかが不思議で仕方なかった。家出をしたはずじゃないか?僕はもうこの街に戻ってくる気はなかったのではないか?良くないけれどまぁ仕方がないのかな。僕は素直に授業を受けたが、全く頭に入らない。よくわからないことが多すぎるからだ。先生に、

「お、お前顔色悪いぞ?大丈夫なのか?」

「い、いや、早退させてもらいます・・・。」

と言って帰ることにした。

 そしてまだ、一時間目が始まったばかりなので学校を出ると昨日向かった桐山公園へ行った。昨日と違い、電車を使ったのですぐに着くことが出来た。少し怪しい人かもしれないけれど、土管に入った。

 すると、世界が・・・、変わらなかった。

「そうだ、条件があるんだっけ・・・。」

色々めんどくさそうだなと、僕が思った時だった。後ろから聞き覚えのある声がした。

「青山、ごめん、アンタ監視されてるよ。」

「へ?」

 振り返ると、そこに秋野瀬が立っていた。

「な、何言ってるの?っていうかどうしてここに?」

「それは私も言えるんだけどっていうかあんた首の後ろに変な魔法陣貼られてるよ?」

「え、ど、どういうこと・・・?」

「だからルルアのイタズラが過ぎたってこと!」

「へ?ルルア?ルルアを知ってるの?」

「はぁ・・・。いいよ青山、あの世界へ行きたい?っていうかその魔法陣この世界でいうカメラだから、アンタの行動全部取られてるよ?」

「は?る、ルルアが何でそんなこと・・・。」

「ルルアに謝らせに行くから、ほら、このペンダント持って。」

「へ?」

秋野瀬が渡してきた、紫のペンダントを持つ。

「私達をあなたの世界へ連れて行って!」

秋野瀬がそう叫ぶと、目の前が真っ白に光った・・・。
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