僕がこうなった理由

愛色紫街

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初めての世界

再び

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 「あ、あれ・・・」

僕が目を開けると、そこは見覚えのある場所だった。

「ここは・・・、って秋野瀬は!?」

隣に座っていた。

「わっ、秋野瀬大丈夫?」

「私は大丈夫よ。」

そっか、というと僕は疑問をぶつける。

「っていうか秋野瀬!なんでここにこれたの!?っていうかこの世界知ってたの?そもそも何!?この世界って!」

 「くくっ」

 と、秋野瀬に笑われた。どうでもいいことかもしれないけど、僕が秋野瀬の笑顔を見たのはこれが初めてだった。

「この世界のことも知らないのに、もうルルアのお気に入りってすごいわね、アンタ。」

「どういうこと?」

「なんでもない。」

と言うと、秋野瀬は、ついてきて。と言ってきた。仕方ないから僕はついていく。すると、ルルアのいたあの小屋についたのだ。

「ルルア、わかってるのよ。出てきなさい。」

 ・・・、秋野瀬がそう言った。ルルアは出てくるのだろうか・・・。

「アーキーノーっ!」

「ルルア!青山の魔法陣を取りなさい!」

「なんでよっ、なんでアキノがそんなに怒るの?」

ルルアは秋野瀬をアキノと呼んだ。

「いいから、魔法陣を取りなさい。」

「取ることだったらアキノにもできるんじゃない!」

「はぁ・・・。取って謝りなさい!監視してたことを!」

「なんでなんで?なんでそんなに必死なの?」

「早くしなさい。」

「別にいいけど、今日のアキノなんか怖いよ・・・。」

 そう言いながらも、ルルアは僕のうなじに手を当てる。そして、

「ルーンルルン、ルルアの魔法を削除して。」

リズムの良い呪文のようなものを唱える。そして、

「ユウ、消えたわよ。」

「あ、ありがとう。」

と、僕は秋野瀬にお礼を言った。



           ★*゚



 ルルアの家の中で秋野瀬について話すことにした。そして僕らはルルアの家にいる。

「あのさ、秋野瀬、その」

僕がそういうと秋野瀬は、

「この世界ではアキノって呼んでくれる?」

「あ、うん。ごめん、アキノ、その、き、君は人間じゃないの?」

「そうよ。」

即答だった。そして続ける。

「私はアキノ。人間じゃない。」

「へ?な、名前じゃなくて生物全体のことを聞いてるんだよ?」

「うん、わかってる。それがアキノ。」

「ぼ、僕は何なの?」

「この世界に来た時点で、ユウは人間じゃなくなった。」

「うそ、でしょ?」

「まぁでも大丈夫よ、人間と変わらないから。ただ、1つ変わることがあるとしたら、人間には持つことの出来ない『大きな力』を持つことが出来るの。」

「へ、へぇ、僕ももてるの?」

「もう持っているわ。」

「へ?」

思わず自分の手を見たが、何も起きたりはしなかった。

「ああ、まだ覚醒していないから使えないけど。だけど少しきっかけがあればすぐに使えるわ。」

「そうなんだ。」

「質問はそれで終わり?」

「い、いや待って、アキノとルルアはどんな関係なの?」

「え?ルルアは私の妹だよ。」

「い、妹なのか!」

だから顔立ちが似ていたのだなと、今更ながらに納得する。そして最期にもう1つ質問をした。

「僕はここに住めるの?」

「住めないわ。」

「え、なんで・・・」

「それはユウの決意が甘いから。もっとちゃんと自分の気持ちにまっすぐなら住めるけどね。」

「何言ってるかわかんないよ・・・」

「嘘つきはいらないってこと。」

「別にいいけど・・・、ていうかアキノ、紫のペンダントがあれば、いつでもこの世界に来れるの?」

「そうよ。それにこのペンダントはこの世界に来たことがある人しか見えないしね。」

それはすごい仕組みだな、と僕はにやける。そして、

「ありがとう、教えてくれて。あの、その僕またこの世界に来るね。」

「もどるの?」

「まだ、自分に嘘ついてると思うから。」

「そっか。まぁ、私がそれなんだけどね。」

「それ?」

「この世界にとどまってないでしょ?」

「うん」

「私もきっと、自分に嘘ついてると思うの。」

「そうなんだ・・・。じゃあ一緒に頑張ろうね!」

僕はそういうとペンダントを持った。

「この世界から地球には、どうやって戻るの?」

「『もどりたい』っていえばいいのよ。」

 僕はこくりと頷くと、ペンダントを持って、「もどりたい」といった。
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