16 / 28
楽しみ
冒険か?
しおりを挟む
僕は、チヨヤといろいろな会話を交わした。例えば、ここに来る前は何をしていたのか、など。
「おいら、殺されかけてたんだ、人間だった時。」
「え、な、何に?」
「お父さんにね、毎日拷問受けてた。そんでたまたまあの土管に入ったんだよね、そしたらこの世界に来てさ。」
きょとんとした顔になってしまった。
「ま、まって、人間だった時って何!?」
さっきスルーしてしまったが、結構大事なことだ。それを僕はチヨヤに聞く。
「え?何言ってるの?この世界にいるのは皆、元人間だよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
「返事遅くない?」
くっくっく、と、チヨヤは笑う。そして、
「そんなことも知らないなんて面白!」
のんきなやつだな。僕にとっては致命傷だぞ!?
そう言うと、スルーされ、
「ねぇ、すこーし散歩しない?」
夕焼けとともに見えるチヨヤの顔は、赤く光っていた。
★*゚
トコトコとついていくと、チヨヤは止まり、
「ここ、たってごらん。」
言われたとおりにする。すると、
「う、うわぁ!」
ちょうど日が沈むこの時、まっすぐと太陽が見えた。
「すっごい綺麗なところだね。」
「うん、ここはおいらのとっておきの場所だから。」
そう言うと、
「ユウは特別!おいらを助けてくれたから!」
そういって、ニッコリと笑った。
「ありがとう、チヨヤ。こんな綺麗な風景見たの、初めてだよ。」
生まれてからこんなもの見たことがない僕は、感動で声が震えた。
「ユウ・・・」
声が震えていたことに気づいたのだろう、チヨヤが心配そうな顔で見る。
「ああ、ごめん、僕は大丈夫。それよりそろそろ帰ろうよ。」
日が沈み、あたりは暗くなってきた。
★*゚
僕らは暗くなった道を通ると、家へ向かった。
「ユウ、何か思い出に付き合わせたりしたから送らせてよ。」
「チヨヤにとってはそうかもしれないけど、あんな綺麗な思い出とやらを見せてもらったんだ、それだけで僕が君の命を助けたことのお礼はされたと思ってるよ。」
「・・・、別にいいじゃん、送らせて!ていうか本音は家どこかわかんないから泊めさせて!」
「はぁ!?家の場所がわかんないの!?」
驚き呆れる。そして、
「男と泊まる趣味はないけどなぁ・・・」
けど、
「まぁでも、別にソファーくらい貸してあげてもいいけど・・・?」
そう言うと、チヨヤは喜んでついてきた。
「ありがとう!ユウ!」
だから僕はめったにお礼なんか言われないんだ!照れるだろ、コノヤロウ!
「おいら、殺されかけてたんだ、人間だった時。」
「え、な、何に?」
「お父さんにね、毎日拷問受けてた。そんでたまたまあの土管に入ったんだよね、そしたらこの世界に来てさ。」
きょとんとした顔になってしまった。
「ま、まって、人間だった時って何!?」
さっきスルーしてしまったが、結構大事なことだ。それを僕はチヨヤに聞く。
「え?何言ってるの?この世界にいるのは皆、元人間だよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
「返事遅くない?」
くっくっく、と、チヨヤは笑う。そして、
「そんなことも知らないなんて面白!」
のんきなやつだな。僕にとっては致命傷だぞ!?
そう言うと、スルーされ、
「ねぇ、すこーし散歩しない?」
夕焼けとともに見えるチヨヤの顔は、赤く光っていた。
★*゚
トコトコとついていくと、チヨヤは止まり、
「ここ、たってごらん。」
言われたとおりにする。すると、
「う、うわぁ!」
ちょうど日が沈むこの時、まっすぐと太陽が見えた。
「すっごい綺麗なところだね。」
「うん、ここはおいらのとっておきの場所だから。」
そう言うと、
「ユウは特別!おいらを助けてくれたから!」
そういって、ニッコリと笑った。
「ありがとう、チヨヤ。こんな綺麗な風景見たの、初めてだよ。」
生まれてからこんなもの見たことがない僕は、感動で声が震えた。
「ユウ・・・」
声が震えていたことに気づいたのだろう、チヨヤが心配そうな顔で見る。
「ああ、ごめん、僕は大丈夫。それよりそろそろ帰ろうよ。」
日が沈み、あたりは暗くなってきた。
★*゚
僕らは暗くなった道を通ると、家へ向かった。
「ユウ、何か思い出に付き合わせたりしたから送らせてよ。」
「チヨヤにとってはそうかもしれないけど、あんな綺麗な思い出とやらを見せてもらったんだ、それだけで僕が君の命を助けたことのお礼はされたと思ってるよ。」
「・・・、別にいいじゃん、送らせて!ていうか本音は家どこかわかんないから泊めさせて!」
「はぁ!?家の場所がわかんないの!?」
驚き呆れる。そして、
「男と泊まる趣味はないけどなぁ・・・」
けど、
「まぁでも、別にソファーくらい貸してあげてもいいけど・・・?」
そう言うと、チヨヤは喜んでついてきた。
「ありがとう!ユウ!」
だから僕はめったにお礼なんか言われないんだ!照れるだろ、コノヤロウ!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる