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薔薇の香りと剣舞曲
28 私達のアイコン
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「光の守護の恩寵を……ホーリークロス」
俺が呪文を唱えた瞬間、俺を中心に直径10mぐらいの青白い光の魔方陣が足元から浮かび上がり、残像を残して俺たちを包み込んだ。
青白い光に俺とC.Cは包まれて、初めてお互いの姿を見る事が出来た。
(わ、わ、わ、わわわわっ! ローブの中から覗く可愛らしいお顔、青白い光のせいで何色かはわからない髪が無造作に片側に寄せられておっきな目)
「100点!」
「はいっ?」
(エルフしか見てなかったけど、ヒューマンの女の子もマジ可愛いじゃん。彼女にするならこんな娘こが理想だよ……)
「君は45点ぐらいだね」
「えっ?」
「青い光のオーラの補正込みで大甘判定ですけど」
(はぁ? てんめぇ、ちょっと可愛いからって何言ってやがんだっ)
「冗談ですよっ、でもいきなり見た目で点数をつけたりするのは女性にとって失礼だと思った事はないの?」
(えっ。正論過ぎて突き刺さったし。そっ、そうだよね、こんな当たり前な事が分からなくて調子に乗ってネカマを語るなんて馬鹿だよ俺)
「ごめんなさい、もうしません」
「凹んじゃった? 別にいいのに私100点だったし。というか、ラヴィさん」
「何?」
「わかりやすい人だねっ」
(俺って顔にでるタイプなのかな? ロビーちゃんにも似たような事を言われたし)
「そう見える? 他の人にもそう言われたし」
「なんだかいい人なのはわかるよ。でもすぐ騙されそう。ネカマなのに全然他の人を騙せ無い所かとかさ」
(いきなり初対面で的確なご指摘です)
「ほら、黙っちゃった、そんなとこよ」
「いちいちごもっともで、返す言葉もありません」
「こらこらっ、なんでしょげちゃうの。元気出さなきゃ。ネカマでしょっ!」
(いや、男でしょって言わないか?)
「ラヴィさんはわかって無いみたいだから、教えてあげる」
(手取り足取り2人きりで何を?)
「あのねぇ、変な期待をしないの。すぐスケベな顔になるんだから。もう真面目な話、いい?」
「はいっ、大丈夫ですっ復活!」
(なんでもお見通しだよ、この人。すごい)
「ラヴィさんの名前は結構広まっているんだよ。私は電子掲示板のゲーム板で見たし、このエメラルド鯖以外の鯖の板でも話題に上がってたよ」
(この人の前じゃ、ネカマは無理だな。普通に話そうか)
「そうなんですか。嬉しいやらなんやら」
「君がこの鯖に居るから、私はこの鯖を選んだの。この意味がわかる?」
(ネカマの俺をいたぶりたいのかな?)
「あのね、君だけだと思う? ネカマが他に居ないと思ってるの? ねぇ」
「いるかもね、わかんないけど」
「わからないように上手に自分を偽って、ゲームの中で女の子を演じている、それって窮屈だと思った事はない? 仲が良くなったフレンドにバレないように頑張って、でもいつバレてしまうかっていうプレッシャーに押しつぶされそうになった事はない?」
(えっあるよ。それは、そんな事たくさんあったよ俺)
「なんでそんな事わかるんだ? C.C.君もなのか?」
C.Cが一回息を吸って、俺の目を見た。
(これ以上言うなってことか?)
「ラヴィさん、君はネカマのアイコンになったの。アンタレスの中で、堂々とネカマ宣言した私達ネカマの希望。って言い過ぎかもしれないけど、ネカマのラヴィ、あなたが居るからみんなこの鯖を目指して来る。だから、頑張ってネカマをやってね。挫けないで欲しい」
── そう言ってC.Cが俺に近づいて
「えっ、おとこ! ?」
(俺の人生初のくちづけが、ゲームの中の美少女に奪われたーーわわわったぶん、でも男子っ!)
「あはははははっ、私が男なんて一言も言ってないじゃん。なんで涙目になってんのよ、せっかく励ましてあげたのに~」
(絶対嘘だっ! 目の前の女の子は可愛いっ、そうだ俺は大丈夫なはずだっ!)
「はぁはぁはぁはぁ、胸がドキドキする」
「んっ、初めてだったんだ。よしっ!」
「何がよしっ! だよっ。複雑~」
「さぁ、そろそろ動きましょう。こんな地下水路さっさと出ないとね」
「誰も来ないし、これってバグじゃないのかな?」
「ラヴィさん、昨日一緒に居た人とフレンド登録してる?」
「あっそうか、INしてるか見てみるよ。はいっていたら、チャットで話してみる」
「うん、お願い」
(C.Cって、女の子にしか見えないや。違和感がなくて、でも女の子として自分の意見が言えて、本当に素敵な人だな)
俺はフレンドのウインドゥを開いて、ログインしている人がいないか確認を始めた。
俺が呪文を唱えた瞬間、俺を中心に直径10mぐらいの青白い光の魔方陣が足元から浮かび上がり、残像を残して俺たちを包み込んだ。
青白い光に俺とC.Cは包まれて、初めてお互いの姿を見る事が出来た。
(わ、わ、わ、わわわわっ! ローブの中から覗く可愛らしいお顔、青白い光のせいで何色かはわからない髪が無造作に片側に寄せられておっきな目)
「100点!」
「はいっ?」
(エルフしか見てなかったけど、ヒューマンの女の子もマジ可愛いじゃん。彼女にするならこんな娘こが理想だよ……)
「君は45点ぐらいだね」
「えっ?」
「青い光のオーラの補正込みで大甘判定ですけど」
(はぁ? てんめぇ、ちょっと可愛いからって何言ってやがんだっ)
「冗談ですよっ、でもいきなり見た目で点数をつけたりするのは女性にとって失礼だと思った事はないの?」
(えっ。正論過ぎて突き刺さったし。そっ、そうだよね、こんな当たり前な事が分からなくて調子に乗ってネカマを語るなんて馬鹿だよ俺)
「ごめんなさい、もうしません」
「凹んじゃった? 別にいいのに私100点だったし。というか、ラヴィさん」
「何?」
「わかりやすい人だねっ」
(俺って顔にでるタイプなのかな? ロビーちゃんにも似たような事を言われたし)
「そう見える? 他の人にもそう言われたし」
「なんだかいい人なのはわかるよ。でもすぐ騙されそう。ネカマなのに全然他の人を騙せ無い所かとかさ」
(いきなり初対面で的確なご指摘です)
「ほら、黙っちゃった、そんなとこよ」
「いちいちごもっともで、返す言葉もありません」
「こらこらっ、なんでしょげちゃうの。元気出さなきゃ。ネカマでしょっ!」
(いや、男でしょって言わないか?)
「ラヴィさんはわかって無いみたいだから、教えてあげる」
(手取り足取り2人きりで何を?)
「あのねぇ、変な期待をしないの。すぐスケベな顔になるんだから。もう真面目な話、いい?」
「はいっ、大丈夫ですっ復活!」
(なんでもお見通しだよ、この人。すごい)
「ラヴィさんの名前は結構広まっているんだよ。私は電子掲示板のゲーム板で見たし、このエメラルド鯖以外の鯖の板でも話題に上がってたよ」
(この人の前じゃ、ネカマは無理だな。普通に話そうか)
「そうなんですか。嬉しいやらなんやら」
「君がこの鯖に居るから、私はこの鯖を選んだの。この意味がわかる?」
(ネカマの俺をいたぶりたいのかな?)
「あのね、君だけだと思う? ネカマが他に居ないと思ってるの? ねぇ」
「いるかもね、わかんないけど」
「わからないように上手に自分を偽って、ゲームの中で女の子を演じている、それって窮屈だと思った事はない? 仲が良くなったフレンドにバレないように頑張って、でもいつバレてしまうかっていうプレッシャーに押しつぶされそうになった事はない?」
(えっあるよ。それは、そんな事たくさんあったよ俺)
「なんでそんな事わかるんだ? C.C.君もなのか?」
C.Cが一回息を吸って、俺の目を見た。
(これ以上言うなってことか?)
「ラヴィさん、君はネカマのアイコンになったの。アンタレスの中で、堂々とネカマ宣言した私達ネカマの希望。って言い過ぎかもしれないけど、ネカマのラヴィ、あなたが居るからみんなこの鯖を目指して来る。だから、頑張ってネカマをやってね。挫けないで欲しい」
── そう言ってC.Cが俺に近づいて
「えっ、おとこ! ?」
(俺の人生初のくちづけが、ゲームの中の美少女に奪われたーーわわわったぶん、でも男子っ!)
「あはははははっ、私が男なんて一言も言ってないじゃん。なんで涙目になってんのよ、せっかく励ましてあげたのに~」
(絶対嘘だっ! 目の前の女の子は可愛いっ、そうだ俺は大丈夫なはずだっ!)
「はぁはぁはぁはぁ、胸がドキドキする」
「んっ、初めてだったんだ。よしっ!」
「何がよしっ! だよっ。複雑~」
「さぁ、そろそろ動きましょう。こんな地下水路さっさと出ないとね」
「誰も来ないし、これってバグじゃないのかな?」
「ラヴィさん、昨日一緒に居た人とフレンド登録してる?」
「あっそうか、INしてるか見てみるよ。はいっていたら、チャットで話してみる」
「うん、お願い」
(C.Cって、女の子にしか見えないや。違和感がなくて、でも女の子として自分の意見が言えて、本当に素敵な人だな)
俺はフレンドのウインドゥを開いて、ログインしている人がいないか確認を始めた。
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