【R-18】騎乗位でイケないドラゴンの片腕やってます

やみくもに

文字の大きさ
4 / 51

第四話 手伝ってみるんですね

しおりを挟む
 僕は瓦礫の上に座るリコス様の正面に立っていた。
 足を開き腕を組み、いわゆる仁王立ちである。
 うなだれて座る赤い髪のスリムな美人は、自称ドラゴンの自爆女で名前はリコス。
 既に二度ほど吹き飛ばされている。
 奇跡的に無傷だけど、周囲の惨状は常軌を逸していた。
 小部屋程度だった洞窟に大穴が穿たれ、瓦礫が散乱しているし、高温で岩が溶けているところもある。

「さて、どうしてこうなったのか教えてもらえますよね?」
「わ、妾は悪くないのじゃ。ネリスのせいなのじゃ」
「子供ですか!何をしたらああいう事になるんです?」

 リコス様はモジモジしながら、俯いたままだ。

「妾の口から説明するのは恥ずかしいのじゃ」
「頭を撫でたら爆発して恥ずかしいって変ですよね?どうなったら、何が起こるんですか?」
「それは……妾がとある状態になるとこの姿を維持する魔法が解けてしまうので、溢れた魔力が暴走してしまうのじゃ」
「はあ……まだドラゴンだと言い張りたいんですね」

 眉間にキッとシワを寄せたリコス様が僕を睨んでくる。

「ドラゴンの王である!この!最強の!妾が嘘をつくと申すのか!」
「さっき覗いていないって嘘つきましたよね?」

 リコス様がスッと目を逸らす。

「妾は、嘘など……つかぬ……と思う」
「なら、僕の目を見てもう一度言ってください」
「……そこまでいうなら仕方ないのじゃ。証拠を見せてやろう。隣の寝室に来るが良い」

 目は逸らしたままだった。
 リコス様は振り返ることもなく歩いていく。

「誤魔化しましたね」
「……」

 どうやらシラを切り通すつもりのようだ。
 仕方なしについて行くと、隣が最初に目覚めた広い場所だった。

「ネリスは危険じゃから、入り口で見ておれ」

 僕がそのまま立っていると、リコス様は広間の中央までスタスタと歩いていく。
 大きな広間なのでリコス様が小さくしか見えない。

「おーい。それでは始めるぞよー!」
「分かりました!」

 どうするのかと見ていると、ゆっくり手を広げ、身体の前で柏手を打つ。

 どういう仕組みなのか分からないが身体が真っ赤に染まり、着ているドレスを裂きながら巨大化していく。
 全身は鱗に包まれ、背中からは大きな翼が広げられる。

 絵本で見たレッドドラゴンそのものであった。

 大きく翼を広げ30メートルはあろうかという天井すれすれまで首を伸ばして伸びをすると、その眼が僕を見ると自らの姿を眺める。

 直後、喉を膨らませると洞窟全体を震わすかのように吠えた。

「きゃああああああ!」

 その巨大な手足と尻尾で身体を隠しているように見える。

「あの、リコス様。ドラゴンの姿なら裸で問題ないのでは?」

 ドラゴンの動きが止まると口腔から二股の下が現れて大きく裂けた口の端を舐めるように蠢く。

「その姿でテヘペロしても可愛くありません」

 バッサリと切り捨てられたのがショックだったのか崩れ落ちる。
 が、そこはドラゴンである。前脚をつくと立っていられないほど地面が揺れる。

「どうじゃ、これで信じたであろう」

 自慢げに高笑いをしているんだろうけど、側から見たら、巨大な赤竜が火を吹きながらのたうちまわっているだけだ。

「分かったのでさっきの姿に戻ってくれませんか?口から炎が溢れてきて焼き尽くされそうです」
「それはすまぬ。だが人の姿になることなど造作もないことじゃ」

 巨大なドラゴンの姿がみるみる縮んでいく。
 そして、翼が消え、赤い鱗が白い肌へと変わっていく。

 当然ではあるがドラゴンに戻るときに服は破れたのだから、人になったら全裸だ。

 小ぶりな胸に桃色の乳首、下の毛は金髪で薄かった。

「どこを見ているのじゃ!」

 とりあえず僕の頬にビンタを浴びせると、手で色々と隠しながら奥へと走り去るリコス様。
 しかし、足がもつれたのか盛大に転び、さらに色んなものを見せつけて去っていった。

「えらく人間臭いドラゴンだし、やらかすことが多いなあ」

 少し待つと魔術師が好むようなゆったりしたロープに身を包んだリコス様が部屋だったであろう場所に戻ってきた。

「とりあえず妾がドラゴンであることは理解したであろう」
「はい。でも、そのリコス様がなぜ人に姿を変えてセックスしようとしているんですか?ドラゴン同士の方がいいような気が」
「そ、そのじゃな。妾を、も、求めてくるオスもおったのじゃが……」
「何か問題が?」
「恥ずかしくて、つい」
「つい?」
「あー。ペチペチ、とな」

 僕は先程のビンタを思い出した。

「叩いて追い返したんですね?」
「いや、妾は最強のドラゴンじゃろ?力を込めた一撃は、な」
「片っ端から倒しちゃったんですね」

 無敵と思っていたドラゴンがいなくなった理由は目の前にいたようだ。

「なので、妾はドラゴンの力を捨てて人の姿になる魔法を編み出したのじゃ」
「じゃあ、その姿であれば人と同じなんですね」
「そういうことじゃ。だからネリスは怖がらんで欲しいのじゃ」

 ここまでの話を聞いて僕は決めていた。
 不安そうにリコス様が僕を伺い見る。

「僕は王の片腕なんですよね」

 リコス様の顔が満面の笑みを見せる。

「ただし、たまには村に帰らせてくださいよ」

 笑顔が固まる。

「あの女じゃな!あの女と、その、ゴニョゴニョするために帰るつもりじゃな!」
「アシェリーとかミシェルとかシャリーですかね。でも、彼女の妹のラミとも約束してますし」
「その辺が普通じゃないんじゃ!」
「僕の村では普通なんですけど……。そういや、リコス様は覗き専門で千年でしたっけ」
「人聞きの悪い事を言うな!」
「でも、やってたのは覗きながら自分で慰めてた……」

 リコス様はロープの端をつかんだまま大粒の涙をポロポロとこぼした。

「うるさいのじゃ。妾だって、だって……。できるものならしたいのじゃ。うええぇん」

 本気泣きだった。千年単位の性の悩みだと思うと、少し申し訳なくなる。
 ただ、床に寝転んで手足をばたつかせながら泣きじゃくる姿はどうかと思うけど。

「リコス様、僕が手伝いますから落ち着きましょう」

 寝転ぶリコス様の後ろに座り、僕の足の間に座らせる。

「何をするのじゃ?」
「特訓です。少しずつ慣らしていけば、きっと平気ですよ」
「え?え?」

 ローブを腰までたぐって中に手を入れる。
 膝の内側から指先で太腿の内側の筋に沿って撫でる。

「そんなところ触れるのはダメなのじゃ」

 肘撃ちが飛んでくるが真後ろに張り付いているので当たらない。

「リコス様、僕は貴女の片腕ですよね」
「そうじゃ」
「だったら、こうやって触るのは自分で触るのと変わらないと思いますが」
「いや、お主の言うことは間違ってないが、実際に触っているのはお主の手じゃし」

 屁理屈をこねながらも、僕は指を脚の付け根にもっていく。

「それに、見えるところには誰もいないから、誰かに触られているように思わないでしょ」
「いや、それでもお主の指じゃし……」
「じゃあ、リコス様の指をお借りしますね」

 手を取るとリコスの指を一番敏感な突起にあて、その上から僕の指で押さえる。

「あ……ぅ……」
「これなら自分でしてるのと変わらないですね」
「んふっぅ。ゆ、指づかいが違いすぎて不思議な気分なのじゃ」
「これなら平気ですか?」
「恥ずかしいけど。んんぁぁ。くぅん。気持ち良くてどうでも良くなるのじゃ」

 空いている手が僕の肩を掴む。

 リコス様の指がどんどん早くなり、二人の指がずれ、それぞれの指で突起を挟むような形になる。

「こ、これ。ひぁゃぅう。きもちくて」

 僕の肩を掴む手に力が入る。

「だ、ためぇ。真っ白になって……い、いっちゃ……ぅん」

 どこにいくのかと思うが、一際手に力が入ったと思うと、腰がガクガクと跳ね上がる。

「イクっ」

 口にした言葉は聞き慣れなかったが、リコス様の様子から昇りつめたと判断したとき、身体から光が放たれる。

 僕は三度意識を失うことになり、この先の展開にいささか不安を感じずにいられなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【完結】体目的でもいいですか?

ユユ
恋愛
王太子殿下の婚約者候補だったルーナは 冤罪をかけられて断罪された。 顔に火傷を負った狂乱の戦士に 嫁がされることになった。 ルーナは内向的な令嬢だった。 冤罪という声も届かず罪人のように嫁ぎ先へ。 だが、護送中に巨大な熊に襲われ 馬車が暴走。 ルーナは瀕死の重症を負った。 というか一度死んだ。 神の悪戯か、日本で死んだ私がルーナとなって蘇った。 * 作り話です * 完結保証付きです * R18

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...