【R-18】騎乗位でイケないドラゴンの片腕やってます

やみくもに

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第三十六話 邪魔しにきたのは痛い女なんですね

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 リコス様の激しい怒りとともに、熱風が吹き荒れる。

「もうちょっとのところだったのに邪魔したのはお前じゃ!」

 飛びかかろうとするリコス様と氷を纏わせて迎え撃とうとするマリスさん。

 息を呑んだ瞬間。

「危ないだろうが!外でやれ、外で!」

 キシャーラさんが叱責する。

 さすがだ。

「逃げるんじゃないわよ」

 青い龍の姿になったマリスさんが、天井の穴から飛び出す。

「望むところじゃ」

 リコス様も赤い龍となり追いかける。

「赤龍王対凍龍か、伝承級の戦いだな」
「キシャーラさん、そんな呑気な」
「そうでもないわ、あの二頭は人や魔族を望んで殺そうとする話がないわ」

 ミコトさん、下半身裸ですよ……。

「物騒な話で言えば、そこでオナニーしてる槍の蛇の方が町を皆殺しにした話なんかは多いな」
「あーぅぁぁ、あぁん、オチンポぉぉ」

 まったくそうは見えない。
 とりあえず、崩落したら危険なので外に出るとする。

 表に出ると夕焼けの中で城が薄く緑に光っている。

「リコスの加護の魔法ね。中に逃げましょう」

 駆け出すミコトさんについていく。

 上空ではドラゴンが二頭、激しく争っている。

 高速ですれ違うと互いの爪で襲いかかり、炎と氷を吹き出している。

 リコス様が爪をかわして横に回転すると、
その勢いで尻尾を叩きつける。
 マリスさんはその尻尾を手で掴んで防ぐが触れた瞬間に尻尾から炎が上がる。

 大きく吠えたマリスさんは上に飛ぶ。
 二度、三度羽ばたき、リコス様も続く。

 リコス様は上を飛ぶマリスさん目掛け巨大な火の玉のようなブレスを吐く。

 命中すると思ったけど、マリスさんの上に大きな氷の壁ができる。
 その壁に上下逆に着地して勢いよく飛び降り回転しながらブレスを避ける。

 氷の壁にブレスが当たると、氷が瞬時に溶け爆発が起きる。

 下に回り込んだマリスさんが細いブレスを吐く。以前のリコス様の熱線のようなものかな。

 飛行して回り込みながら、それをかわしていくリコス様。
 でも、マリスさんの下にリコス様が入ろうとすると、なぜかブレスを止めた。

 そこから互いに羽ばたいて、正面からぶつかり合う。

 僕はさすがに性欲どころじゃなくなったシャルロットさんに頼んでみた。

「そろそろあの二人を止めてくれませんか」
「こんなかよわいワタクシに無理なことを言わないでくださる?」
「槍の蛇ですよね?」
「いいえ、シャルロットですわ」

 どうやら伝説上の魔物は人として生きることを選んだようです。

 聞いてもらえないとは思ったけど、とりあえず二人に向かって叫んでみた。

「被害が出るといけないので、そろそろやめてくれませんかー」

 二頭がこちらを見ると、空中で向かい合ってホバリングする。

 大きく息を吸い込んだ後、光線のようなブレスを吐き合う。
 それぞれが横にかわしながら、ブレスを吐き続けた後、同時に止まった。

 お互いがかわした事を確認し合うと城の広場に降りる。

 どうやら聞いてもらえたようだった。「」ミコトさんとキシャーラさんが着替えを持って二人の元に走った。

「私は三回は倒せたわよ、ふふ」
「妾は五回は倒せたな」

「生娘が偉そうにするんじゃないわよ」
「捨てられた奴が生意気を言うでない」

 そういや、赤龍王と凍龍の物語ってライバルとして出てくることはあっても、敵ってわけじゃなかったな。

「んで、何しに来たんじゃ」
「特に用事なんてないわよ?うふふ」
「往ぬのじゃ」

「そうね、もういいかな。また来るわね。ふふ」

 マリスさんはドラゴンに変わり、北へと飛び去っていった。

「何しに来たんでしょうか……」
「マリスの奴は、ちょくちょく邪魔しに現れよるんじゃ」
「文通相手の手紙を配達中に襲ってダメにしたり、贈り物をしようとすると先回りして買い占めたり」

「なんと言うか、地味ですね」
「それじゃ、前はあんな感じではなかったんじゃが」

 リコス様が寂しそうに地面を見る。

「やっぱり男ですか……」
「そうじゃ、男に捨てられてからああなったのじゃ」
「その男性とよりを戻してもらうのは?」
「無理じゃな。実はマリスはな……」

「重いんじゃ」

「は?」

「とてつもなく重い、痛い女なんじゃ」
「そ、それは……」
「マリスとした男は24時間監視されていたらしいのじゃ」
「キツいですね」

「相手を疑うタイプなの?」

 ミコトさんが嬉々として話に入ってくる。

「いや、ひたすら男の心配をするだけじゃ」
「心配で仕方ないから見守ってあげるって事ね」

「ドラゴン族から見れば人など脆弱じゃからな。心配でしかたなかったらしい」
「ドラゴンと比べられては、どうにもならないですね」

「相手の男はハンターじゃったのだが、街の外に出た時もドラゴンになって空から見守ったと言ってたわ」
「仕事中も見上げたら彼女が常にいるとかキツいわね」
「悪気がないのが面倒ですよね」

「他にも毒味と言って食堂に忍び込んで、男が注文した料理を内緒でかじったり、出かけようとしたら、1km四方のつまずきそうな石を拾ったり」

「やめておきましょうか。凍龍のイメージが粉々になりそうです」
「そうじゃな」

 その場の全員が引いてしまったようで重い空気になっていた。

「ま、今回は妾の様子を知りたかったんじゃろ、あれで経験済みの素敵な女ポジションのつもりらしい」
「なるほど、図らずもポジションを守る結果になってたんですね」
「いい迷惑じゃ」

「オレとしちゃ、このまま続きをして欲しいんだが」
「そうか、妾の勇姿をもっと見たかったということじゃな」

「いや、そっちじゃなくて、エッチな方だ」

「あ、いや。そ、それはじゃな……」

 照れまくっているが、ハッと何かに気づいたようだ。

「それより、あの薬じゃ。イくにイけなくて、相当辛いのじゃ」
「イかないじゃなくて、イけないのか。膨張はさほどだったから目的は達成できてたがな」
「無闇に使いたくないのじゃ」
「やっぱりシャルロットで試してみればよかったな」
「適任じゃな」

 大笑いしているけど、シャルロットさんが静かに泣いてますよ。

「イけなくていいから、オチンポが欲しいの……しくしく」

 思っていたのと違った。
 同情していいのか微妙な気持ちになっていると、リコス様がそっと近づいてきた。

「あの、じゃな……その、えっと……」
「どうしました?」
「後で妾の部屋を掃除しにくるのじゃ」

 そういうと階段を駆け上がって二階の部屋へ消えていった。

「自分の部屋でかぁ。まあ、どこでも忍び込めるから平気だけど」
「あそこは姿見の鏡を反対から見えるようにしておいたから、オレはそっちで見るとしよう」

 まあ、続きをしましょって事だろうからなあ。

 今のはリコス様には黙っておこう。

「あ、その前にワタクシに入れてから……」

 そこまで言ってから、シャルロットさんはリコス様の邪魔になると気づいたんだろう。
 慌てて発言を訂正する。

「いえ、余力があれば後からお願いします」
「その方がいいですよね」

 ヨロヨロと立ち去るシャルロットさんも心配だけど、リコス様も相当な決意があったんだろうし、急いで二階に向かった。
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