【R-18】騎乗位でイケないドラゴンの片腕やってます

やみくもに

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第五十話 村人の説得の前半ですね

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 男たちは敵わないと分かったのかすぐに降参した。

「ま、待ってくれ、俺たちは村長に言われて、道具を作っていただけなんだ」
「そうだ、俺は暴れたりしねえから」
「頼む。見逃してくれ」

 みんな口々に言い訳がましいことを言ってる。

「妾たちの目的はお前らを裁くことではないんじゃ、黙っておれ」

 シャルロットさんとキシャーラさんが、男たちを縛り上げて猿轡をかましていく。

「さて、次はひと暴れだな」

 キシャーラさんが前もって聞いた鐘を鳴らして村長の一味だけを呼び出す。

 カーンカンカン

 しばらくすると、外が賑やかになってくる。

「今日は出掛けたんじゃねえのか」
「村長の行動は誰も把握してねえからなあ」
「にしても、村長はどこだよ普段なら偉そうにふんぞり帰って待っているってのに」

 小屋の扉を開けて、リコス様が外に出る。

「うむ。全員集まっているようじゃな」

「なんだ、ねえちゃん。別嬪さんだが村長はどうした」
「奥で足腰立たなくなってるってかあ?」
「ひゃひゃひゃ、俺たちにもやらせろや」

「やれやれ、じゃな」

 リコス様は肩を竦めて首を振り呆れている。

「度し難い奴らじゃな」

 全員を叩き伏せようとしたのか、前に一歩進み出る。

「ちょっといいかしら」

 両者の間にミコトさんが現れる。

「おい、こいついきなり現れやがったぞ」
「黒髪だ。まさか」

 ざわめき出す男たちにミコトさんが宣言する。

「私は村長の魔道具密造について国から調査に来た。お前らも一味であることは分かっている」

 男たちの空気が変わる。

「このままじゃヤベェな」
「女二人だぜ」
「やっちまえ」

 どうやら、やる気になったようだ。

 様子をこっそり見ていたキシャーラさんが意図を説明してくれた。

「下手に逃げられても困るからな。弱そうだと思って向かってきてくれたほうがいい」

 確かに小柄で屈強には見えないミコトさんと細身で綺麗なリコス様じゃ勘違いしても仕方ない。

「シャルロット、裏から出て左に回り込んでくれ。私は右だ。包囲して全員捕まえる」

「どうしてワタクシがそんなことをしなければいけないのか分かりませんわ」
「治療代として体で返してもいいんじゃないのか?まだ必要だろ?」
「仕方ありませんわね。借りっぱなしと言うわけにも参りませんわ」

 何かキシャーラさんがシャルロットさんに目配せしていた気もする。

「行くぞ。ネリスは四人を見張っていてくれ」

 出口は一つしかないと思っていたら、シャルロットさんが、どこからともなく槍を取り出して壁に大穴を穿ち、出て行ってしまった。

 表ではミコトさんとリコス様に男たちが襲いかかっている。

 男たちは二人を幾重にも取り囲み逃さないようにしているようだけど、近くで戦う連中は違うようだ。

「リコス、面倒だから殺さないでね!」

 声をかけたミコトさんが手の中にあった何かを後ろの男に投げつける。

「ぐはっ」

 男の頭が後ろに弾けて、そのまま倒れる。

 ミコトさんの手には鎖が垂れ下がり、その先には袋が取り付けてあった。

「これ、鉄粉入っているから痛いわよ」

 そう言いながら左に振り回すと回転で勢いのついた鉄粉袋がこめかみに命中し、男がコマのように回転しながら倒れる。

「くそっ、殺してやる」

 正面と右にいた男たちが剣を振り上げて襲いかかる。

 ミコトさんが手首を返すと前にいる男の腕に鎖が巻きつき、振り下ろそうとする向きを自分の右へと変える。

 重心を崩され体が泳いだところをミコトさんが足払いで地面に転がす。

 突然足元にできた障害物に足を取られ、つんのめる右側の男の頭頂に鉄粉袋が落ち、白目を剥いて男は倒れる。

 下にいた男は起き上がろうとしてもがくけど、ミコトさんのかかとが遠慮なく落とされる。

「連携がなってないわね」

 ミコトさんの戦闘力を考えればどうあがいても男たちに勝ち目はない。

 もう一方のリコス様も一方的だった。

 斬りかかる剣を裏拳で捌くと深くしゃがんだ姿勢からの掌底がアゴをとらえ、男の身体が力なく倒れる。

 既に力なく横たわる男たち。

「なんじゃ、おなご二人すら好きにできぬとは情けない奴らじゃ」

 しかし、既に外側の男たちの中には戦意を失って逃げ出す奴らも現れた。

「くそ、やってられる……ぐはっ」

 逃げる先から唐突に槍の柄が伸び、男の腹にめり込む。

「あらあら、女性に向かってアプローチするにしても情熱的すぎますわ」

 横から現れたしゃるろっとさんが槍を振り回して近くの男たちをなぎ払う。

 慌てて逃げる方向を変える男たちに冷気がまとわりつく。

氷の帯アイスベルト

 地面に氷の帯が形作られて、男たちの足が氷漬けになる。

「オレとしちゃ勝手に退場されるのは気にいらないんだわ」

 魔法を放ったキシャーラさんがシャルロットさんとは反対側から現れる。

 三方から囲まれた男たちは蹂躙されるしかなかった。

 ものの数分で四十人ほどいたと思われる男たちがのされている。

「あっさりじゃな」

 全員強いのは分かっていたけど、人の姿のシャルロットさんが強いのは少し意外だった。

「ワタクシが槍を持って人ごときに負けるはずがありませんわ」

 槍の蛇というくらいだし槍の扱いに長けているということですね。

「さて、全員を縛り上げておいてくれ、オレは鐘でリーダーたちを呼ぶ」

「私はちょっと報告してくるわね」

 ミコトさんは自分の任務に関して事の顛末を報告するようだ。

 キシャーラさんが鐘を鳴らす。

 カーンカーンカーン

 僕は取り押さえた四人を連れて行き、襲ってきた四十人の横に並べる。

 すぐに少しずつガラの悪そうな連中が集まり始める。

 やはり村長がいない事でざわついている。

 そのままでは騒ぎ立てられそうだけど、肝心のミコトさんがいない。

 ドラゴン、魔族、蛇、どうにも説明向きの人材が不足しているので止む無く僕が一人ずつに集まってから説明すると告げて回る。

 だけど、村の人達が縛られている状況ではすんなりと受け入れてもらえない。

「テメェ、どういう事なのか説明しろや」

「すみません、ある程度集まったら、ちゃんと話しますので」

 先延ばしにするのも無理があるため諦めて説明することにする。

「すみませーん」

 声を上げても、こちらに反応してくれたのは数人だけだ。
 ザワザワと騒がしくなっているためこちらの声も聞こえてないようだ。

物体浮遊フロート

 後ろからキシャーラさんの詠唱が聞こえると、僕の体が頭の上くらいの高さで宙に浮かぶ。

「ちよっ、バランスが。うわあああ」

 変に注目を浴びてしまい気まずい。

 ただ、全員が何事かとこちらを見ている。

 チャンスなので腹をくくり、事態の説明を試してみる。

「みなさん、ここに村長がいないのは魔道具の密造で捕まったからです」

「なんだそりゃあ!!」
「でたらめ言うな!!」

 僕の足元にいるリーダーたちが剣を抜く。

 それを見たリコス様が何も言わずに足を上げ、力一杯地面を踏み締める。

 ズウン

 地鳴りのような音が響き土埃が舞う。

 リコス様の足元が大きくえぐれているのを見て押し黙る男たちに向かい指を差したリコス様が僕を指差す。

 黙って聞けという意志が伝わったようでリーダー達は口をつぐむ。

「村長の指示でこっちの四人が製造していました。証拠も村長の馬車の中にあります」

 リーダー達の一人が馬車の荷台を探る。

「なんだこりゃ、ブレスレットや指輪だらけだな」

「それが密造された違法な魔道具です」

「単なる装飾品という可能性もあるだろうが」

「そ、それは……」

 どうやって証明すればいいか分からなくて言い澱んでしまう。

 そこでキシャーラさんが魔道具を作っていた男の一人を立たせる。

「お前達がしていたことを話せ」
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