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第五章
第一話 絆
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ーーーーーー
『ノア、僕たちはずっと一緒にいられるかな?』
『当然だよ、ユイが望むならどこまでも一緒だ!』
私とユイが見ていた未来は違った。
決して交わることのない結末を、この胸に残した。
ーーーーーー
「そうして私は、ユイの前で動けなくなった。
声を発することも、何かを考えることすらも。
本当に、ただそこにあるだけの置物になっていたんだ。
どれくらいの時間が経ったか、もはや何もわからなくなったとき、私は急にリブートした。
残っていたエラーログには、私を指令無視と断定し、再起動を試みた記録があった。
私はユイを失い、何も考えることができなく状態で生きている意味を見つけられなかった。
これが、私の中で死と認識され、ユイの残した『生きて』という指令に反したのだろう。」
詳細はわからない。
だが、急に再起動したのは、間違いなくユイのおかげだ。
「その瞬間、南の空がまるで真昼のように明るくなった。
核が落ちたのだろう。
ログデータを見てもユイが亡くなったのは12月25日で、核の投下日と一致する。
だが、そんなことはどうでもよかった。
私はユイを、レオンの眠る墓の横に埋め、ユイの墓を作った。
そして、それからこの世界で何をするべきか、ずっと考えていた。」
この問いの答えはいまだに見つかっていない。
私は何をするべきか、生きてそれを探すことが、私に刻まれるプロンプトの総意だった。
「そこからの時間感覚はほとんどないが、ミナト教授を探しにシンジュクへ向かった。
その足取りはあまりにも重く、全く進めなかったが、何とかアキバに着いた。
そのまま、一駅一駅眺めながら、コーラクエンに着いたときに、ミナト教授はもう生きていないと悟った。
いや、ミナト教授だけじゃない、人間自体がいない、廃墟になっていたんだ。
コーラクエンでひたすらこれからについて考えていた時、アキラと出会った。」
「すさまじいな、なんて言葉にしていいかわからないが、俺と出会ったのはそんな状態だったんだな。」
「ああ、だがむしろ救われたよ。
もうこの近辺に人はいないと思っていたし、新しい生きる意味も見つけられた。
ユイが死んで、実に1379日も時が止まっていた。
あの時に見つけてくれて、本当に感謝しているよ。」
アキラはははは、と笑った。
「さて、これが俺のすべてだ。
今まではなさなかったのは、ユイの話は長すぎるからだ。
でも、断片的な話ではおそらく意味がない。
今日は聞いてくれて、本当にありがとう。」
私の問に、サキが応えた。
「もしかしてさ、サンシャインシティやギョエンを整備したのは、ユイなんじゃない?」
私に電流が走る。
いや、ユイが覚悟を決めたタイミングはすでに安定化した核発電機が開発されたタイミングだ。
整備するには遅すぎる。
でも確かに、ユイはエグザスの登場前から、この世界の結末を見抜いていた可能性はある。
それは、私がユイに初めて抱いた違和感が証明できる。
「ユイはエグザスの登場前からこの世界の結末が分かっていた可能性はある。
いや、今思えばユイの行動は豹変したと言っていい、わかっていたのだろう。
だが、行動に移したタイミングは、さすがに遅すぎるな。」
「それもそうか。」
サキは納得する。
ただ、これは確かに伏線だ。
ユイは必ず、何かこの世界に残しているはずだ。
それらを集めていけば、ユイが見た世界や、ユイがやろうとしたことがわかるかもしれない。
「サキのおかげで少し頭が整理できたよ、ありがとう。
たしかにユイは、居住区の整備には間に合わなかっただろうが、この世界に何かを残しているはずだ。
私はゴーストとして活動しながらも、それを調べることにするよ。」
『馬鹿ね、星屑拾いで集めてあげるわよ。』
サキの言葉に、心が震えた。
まるでユイと会話をしていた時のような懐かしさを感じた。
「ああ、そうだな。俺も手伝うぜ!
ジンもいいだろ?」
「間違いない、ガイだって快諾だ。
メンバーの誰も、このミッションを放棄するやつはいないだろうな。」
ユイの死後、本当に生きていてよかったと思ったのは初めてだった。
こうして、私は改めて生きる目的を見つけ、この世界でそれを探す旅を始める。
『ノア、僕たちはずっと一緒にいられるかな?』
『当然だよ、ユイが望むならどこまでも一緒だ!』
私とユイが見ていた未来は違った。
決して交わることのない結末を、この胸に残した。
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「そうして私は、ユイの前で動けなくなった。
声を発することも、何かを考えることすらも。
本当に、ただそこにあるだけの置物になっていたんだ。
どれくらいの時間が経ったか、もはや何もわからなくなったとき、私は急にリブートした。
残っていたエラーログには、私を指令無視と断定し、再起動を試みた記録があった。
私はユイを失い、何も考えることができなく状態で生きている意味を見つけられなかった。
これが、私の中で死と認識され、ユイの残した『生きて』という指令に反したのだろう。」
詳細はわからない。
だが、急に再起動したのは、間違いなくユイのおかげだ。
「その瞬間、南の空がまるで真昼のように明るくなった。
核が落ちたのだろう。
ログデータを見てもユイが亡くなったのは12月25日で、核の投下日と一致する。
だが、そんなことはどうでもよかった。
私はユイを、レオンの眠る墓の横に埋め、ユイの墓を作った。
そして、それからこの世界で何をするべきか、ずっと考えていた。」
この問いの答えはいまだに見つかっていない。
私は何をするべきか、生きてそれを探すことが、私に刻まれるプロンプトの総意だった。
「そこからの時間感覚はほとんどないが、ミナト教授を探しにシンジュクへ向かった。
その足取りはあまりにも重く、全く進めなかったが、何とかアキバに着いた。
そのまま、一駅一駅眺めながら、コーラクエンに着いたときに、ミナト教授はもう生きていないと悟った。
いや、ミナト教授だけじゃない、人間自体がいない、廃墟になっていたんだ。
コーラクエンでひたすらこれからについて考えていた時、アキラと出会った。」
「すさまじいな、なんて言葉にしていいかわからないが、俺と出会ったのはそんな状態だったんだな。」
「ああ、だがむしろ救われたよ。
もうこの近辺に人はいないと思っていたし、新しい生きる意味も見つけられた。
ユイが死んで、実に1379日も時が止まっていた。
あの時に見つけてくれて、本当に感謝しているよ。」
アキラはははは、と笑った。
「さて、これが俺のすべてだ。
今まではなさなかったのは、ユイの話は長すぎるからだ。
でも、断片的な話ではおそらく意味がない。
今日は聞いてくれて、本当にありがとう。」
私の問に、サキが応えた。
「もしかしてさ、サンシャインシティやギョエンを整備したのは、ユイなんじゃない?」
私に電流が走る。
いや、ユイが覚悟を決めたタイミングはすでに安定化した核発電機が開発されたタイミングだ。
整備するには遅すぎる。
でも確かに、ユイはエグザスの登場前から、この世界の結末を見抜いていた可能性はある。
それは、私がユイに初めて抱いた違和感が証明できる。
「ユイはエグザスの登場前からこの世界の結末が分かっていた可能性はある。
いや、今思えばユイの行動は豹変したと言っていい、わかっていたのだろう。
だが、行動に移したタイミングは、さすがに遅すぎるな。」
「それもそうか。」
サキは納得する。
ただ、これは確かに伏線だ。
ユイは必ず、何かこの世界に残しているはずだ。
それらを集めていけば、ユイが見た世界や、ユイがやろうとしたことがわかるかもしれない。
「サキのおかげで少し頭が整理できたよ、ありがとう。
たしかにユイは、居住区の整備には間に合わなかっただろうが、この世界に何かを残しているはずだ。
私はゴーストとして活動しながらも、それを調べることにするよ。」
『馬鹿ね、星屑拾いで集めてあげるわよ。』
サキの言葉に、心が震えた。
まるでユイと会話をしていた時のような懐かしさを感じた。
「ああ、そうだな。俺も手伝うぜ!
ジンもいいだろ?」
「間違いない、ガイだって快諾だ。
メンバーの誰も、このミッションを放棄するやつはいないだろうな。」
ユイの死後、本当に生きていてよかったと思ったのは初めてだった。
こうして、私は改めて生きる目的を見つけ、この世界でそれを探す旅を始める。
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