33 / 87
第四部
第32話「僕は、幼馴染に寂しさを覚える」
しおりを挟む
「ま、オレから忠告出来るのは1つ。あんま教室内でイチャつかない方がいいぞ。じゃなきゃ、一瞬で餌食だろうしな」
「んなことしてねぇって……」
「今はそうでも、近いうちにそうなるかもしんねぇだろ? 念のためだ、念のため」
「……そういうことなら」
聞き入れていいのか些か疑問ではあるが、確かに『未来』の話なんて誰も知らない。
たった1秒先でも、未来は未来。
過去に起こったこととは逆に、事前に対処すれば反映されるのが未来──なら、今の透の言っていたこともいい薬になったかもしれない。……訪れるかは別として。
「特に一之瀬! お前はすーぐ顔に出んだから細心の注意を払え!」
「な、何で私だけなのよ!」
「お前だけってわけじゃないだろ。現にさっきも晴に忠告したし。それにだ。お前の場合、表情を見たら『嘘』か『事実』かの判別がしやすい。そんなんじゃ、晴が何もしなくてもバレるぞ?」
「し……しないわよっ!!」
渚は制服の裾をぎゅっと掴みながら必死に反撃する。
しかしそんなのは所詮空元気──今も透に少し忠告されただけで耳朶が真っ赤に腫れ上がっている。あそこまでの過剰反応はさすがに想定外だ。
本人は上手く隠すつもりらしい。
けれどあれは、頭も隠していなければ尻も隠していない。電柱の影に隠れた犬よりも頭が悪い。
「うーーん。これは、特訓が必要かねぇ」
「特訓?」
「そ。一之瀬の感情が、簡単に表に出ないための特訓。ま、そのためには、一之瀬の唯一の対象である晴が必要不可欠なわけだが──」
「僕を巻き込むな」
第一、その特訓とやらで一之瀬のこの過剰反応を抑えられる気がしない。
人からおちょくられた行為であったとしても、相手がどんなにイケメンで、スタイルが良かったとしても、僕以外では何の変化も起こらない。
まぁ言わば、それが透の言う“一之瀬の過剰反応”というやつなのだろう。
きっとそうした反応が起こるのは、僕が一之瀬の『好きな人』だから。でも、そんな過剰反応になるほどのことを僕はした覚えがない。
……本当、この幼馴染は謎だらけだ。
「えぇ~? 晴、お前はバレてもいいってのか?」
「んなわけないだろ。でも──今は何もしなくていい。何か起こってから、考えればいいって思うし」
「……晴斗」
「はぁ……。ってか、その前にまず昼飯食べたら? モタモタしてると、また前みたいに時間ギリギリになるぞ」
「えっ……あっ!」
1つのことにしか神経集中出来ないのかこいつは。
今の反応を見るに、完全に忘れてたな。
……過剰反応と聞いて少しだけ優越感を感じたけど、悔しいから黙っておこう。
昔、それもまだ小さかった頃──僕も一時期だけ、渚のことが好きだった。……なんて。あの事件を境に捨てた感情が、ちょっとだけ甦ったことなんて。
「ごちそうさまでした!」
物思いに耽っていると、いつの間にか渚がお弁当を食べ終えていた。
時刻は1時と15分ほど。前ほど時間は食わなかったらしく、僕が注意してからそこまで時間は経っていなかった。
「何か早く終わっちゃった」
「やっぱ1人で食べた方が効率いいって。前より全然早いし」
「そういうことじゃないの! 時間がかかるかからないじゃなくて、どんな形で味わうかっていうのが一番の決めどこなの! わかる?」
「…………理解不能」
機械読みで返答する僕。もうね、こいつの思考回路に頭が追いつかないのだ。
「本っ当、恋愛の『れ』の字も知らないんだから」
「悪かったな」
浮かれている渚には、昔と変わらず手が付けれられない……。少しは大人になってくれ。
そんな僕達のやり取りを見守っていた透は、くすっと吹いた。
「な、何だよ……」
「いやぁ~。あんだけ忠告したのに惚気るとはさすがだなぁ~と思って!」
「………………」
前言撤回──渚だけじゃなく、ふざけるこいつも手に負えない。
そう感じた僕は早速行動に移す。
僕は透に鋭い眼光で睨みつける攻撃をすると、部室の鍵を片手に持ち、鞄を肩に下げてその場をわざと音を立てて立ち上がった。
「帰る」
たった一言。
2文字で片づく言葉だが、透にはその言葉の真意が『怒り』だと捉えられたらしく、
「ちょ、どこ行く気!? はっ……!! まさか、閉じ込める気か!?」
「そうして欲しいのが望みならそうしてやるぞ」
「撤回の言葉も無しですか!!」
「……ま、そんなことしても無駄だけどな。だって、内側から鍵開けられるし」
「あっ……──」
バカだろ、こいつ。
扉が外側からしか開かないとか、どんな学園ミステリーアニメだよ……。
僕は急いで片づける2人を後目に先に部室を退出し、2人が部室から出たタイミングで鍵を閉める。
「じゃあ、鍵返してくるから」
「オッケー。そんじゃ、先に戻ってるな」
「私も先に行ってるね」
いつもなら「着いて行く」と駄々をこねるはずの渚が、今回は大人しく引き下がった。
僕達は昼休み、同じ部屋で、一緒にご飯は食べるけど……教室には、一緒に戻れない。
それが当然で……いつものことなのに。
……何か、こうして背中を見ていると、妙に寂しく感じてしまった。
「……渚」
「え、なに?」
……あっ、しまった。つい心の中の声が漏れてしまった……。
僕は慌てて口許を抑え「……何でもない」と返し、職員室の方へと歩を進めた。その間、後ろで渚が疑問符を浮かべていたことは想像に容易かった。
……バカなのは、僕の方だ。
つい、じゃない。あれは、故意だった。
隣にいるのが当然で……それを埋める時間が欲しかっただけなんだ。要するに僕は……鍵を返しに行くだけの時間でも、たった数分だけでも、隣にいてほしかっただけ。寂しかっただけなんだ。
素直じゃないのは……僕の方だ。
何が昔は好きだっただ。……今もの間違いじゃないか。
とっくに認めているはずだった。渚が泊りに来た日に……あいつに対しての『好き』はたとえ幼馴染のものだとしても、特別なことに変わりはないのだと。
……けどこれは、本当にそれだけか?
この虚無感は──この距離感は何だ?
「……好きな人と歩くのは楽しい、か」
ふと、今朝の渚の台詞を思い出した。
あいつが僕との時間を大事にしてくれているように……僕もあいつと過ごせる時間は、誰よりも貴重なのだ。面倒だけど、時々しつこいけど──それでも、関係を辞めないのは……そういうことじゃないのか。
今のこの距離感は、とてももどかしい。
だったら──幼馴染として関われた時間を、もっと増やすべきだ。お互いのためにも、我慢しない程度の距離感が、僕達には必要だ。
あのときのことを、繰り返さないためにも──。
「んなことしてねぇって……」
「今はそうでも、近いうちにそうなるかもしんねぇだろ? 念のためだ、念のため」
「……そういうことなら」
聞き入れていいのか些か疑問ではあるが、確かに『未来』の話なんて誰も知らない。
たった1秒先でも、未来は未来。
過去に起こったこととは逆に、事前に対処すれば反映されるのが未来──なら、今の透の言っていたこともいい薬になったかもしれない。……訪れるかは別として。
「特に一之瀬! お前はすーぐ顔に出んだから細心の注意を払え!」
「な、何で私だけなのよ!」
「お前だけってわけじゃないだろ。現にさっきも晴に忠告したし。それにだ。お前の場合、表情を見たら『嘘』か『事実』かの判別がしやすい。そんなんじゃ、晴が何もしなくてもバレるぞ?」
「し……しないわよっ!!」
渚は制服の裾をぎゅっと掴みながら必死に反撃する。
しかしそんなのは所詮空元気──今も透に少し忠告されただけで耳朶が真っ赤に腫れ上がっている。あそこまでの過剰反応はさすがに想定外だ。
本人は上手く隠すつもりらしい。
けれどあれは、頭も隠していなければ尻も隠していない。電柱の影に隠れた犬よりも頭が悪い。
「うーーん。これは、特訓が必要かねぇ」
「特訓?」
「そ。一之瀬の感情が、簡単に表に出ないための特訓。ま、そのためには、一之瀬の唯一の対象である晴が必要不可欠なわけだが──」
「僕を巻き込むな」
第一、その特訓とやらで一之瀬のこの過剰反応を抑えられる気がしない。
人からおちょくられた行為であったとしても、相手がどんなにイケメンで、スタイルが良かったとしても、僕以外では何の変化も起こらない。
まぁ言わば、それが透の言う“一之瀬の過剰反応”というやつなのだろう。
きっとそうした反応が起こるのは、僕が一之瀬の『好きな人』だから。でも、そんな過剰反応になるほどのことを僕はした覚えがない。
……本当、この幼馴染は謎だらけだ。
「えぇ~? 晴、お前はバレてもいいってのか?」
「んなわけないだろ。でも──今は何もしなくていい。何か起こってから、考えればいいって思うし」
「……晴斗」
「はぁ……。ってか、その前にまず昼飯食べたら? モタモタしてると、また前みたいに時間ギリギリになるぞ」
「えっ……あっ!」
1つのことにしか神経集中出来ないのかこいつは。
今の反応を見るに、完全に忘れてたな。
……過剰反応と聞いて少しだけ優越感を感じたけど、悔しいから黙っておこう。
昔、それもまだ小さかった頃──僕も一時期だけ、渚のことが好きだった。……なんて。あの事件を境に捨てた感情が、ちょっとだけ甦ったことなんて。
「ごちそうさまでした!」
物思いに耽っていると、いつの間にか渚がお弁当を食べ終えていた。
時刻は1時と15分ほど。前ほど時間は食わなかったらしく、僕が注意してからそこまで時間は経っていなかった。
「何か早く終わっちゃった」
「やっぱ1人で食べた方が効率いいって。前より全然早いし」
「そういうことじゃないの! 時間がかかるかからないじゃなくて、どんな形で味わうかっていうのが一番の決めどこなの! わかる?」
「…………理解不能」
機械読みで返答する僕。もうね、こいつの思考回路に頭が追いつかないのだ。
「本っ当、恋愛の『れ』の字も知らないんだから」
「悪かったな」
浮かれている渚には、昔と変わらず手が付けれられない……。少しは大人になってくれ。
そんな僕達のやり取りを見守っていた透は、くすっと吹いた。
「な、何だよ……」
「いやぁ~。あんだけ忠告したのに惚気るとはさすがだなぁ~と思って!」
「………………」
前言撤回──渚だけじゃなく、ふざけるこいつも手に負えない。
そう感じた僕は早速行動に移す。
僕は透に鋭い眼光で睨みつける攻撃をすると、部室の鍵を片手に持ち、鞄を肩に下げてその場をわざと音を立てて立ち上がった。
「帰る」
たった一言。
2文字で片づく言葉だが、透にはその言葉の真意が『怒り』だと捉えられたらしく、
「ちょ、どこ行く気!? はっ……!! まさか、閉じ込める気か!?」
「そうして欲しいのが望みならそうしてやるぞ」
「撤回の言葉も無しですか!!」
「……ま、そんなことしても無駄だけどな。だって、内側から鍵開けられるし」
「あっ……──」
バカだろ、こいつ。
扉が外側からしか開かないとか、どんな学園ミステリーアニメだよ……。
僕は急いで片づける2人を後目に先に部室を退出し、2人が部室から出たタイミングで鍵を閉める。
「じゃあ、鍵返してくるから」
「オッケー。そんじゃ、先に戻ってるな」
「私も先に行ってるね」
いつもなら「着いて行く」と駄々をこねるはずの渚が、今回は大人しく引き下がった。
僕達は昼休み、同じ部屋で、一緒にご飯は食べるけど……教室には、一緒に戻れない。
それが当然で……いつものことなのに。
……何か、こうして背中を見ていると、妙に寂しく感じてしまった。
「……渚」
「え、なに?」
……あっ、しまった。つい心の中の声が漏れてしまった……。
僕は慌てて口許を抑え「……何でもない」と返し、職員室の方へと歩を進めた。その間、後ろで渚が疑問符を浮かべていたことは想像に容易かった。
……バカなのは、僕の方だ。
つい、じゃない。あれは、故意だった。
隣にいるのが当然で……それを埋める時間が欲しかっただけなんだ。要するに僕は……鍵を返しに行くだけの時間でも、たった数分だけでも、隣にいてほしかっただけ。寂しかっただけなんだ。
素直じゃないのは……僕の方だ。
何が昔は好きだっただ。……今もの間違いじゃないか。
とっくに認めているはずだった。渚が泊りに来た日に……あいつに対しての『好き』はたとえ幼馴染のものだとしても、特別なことに変わりはないのだと。
……けどこれは、本当にそれだけか?
この虚無感は──この距離感は何だ?
「……好きな人と歩くのは楽しい、か」
ふと、今朝の渚の台詞を思い出した。
あいつが僕との時間を大事にしてくれているように……僕もあいつと過ごせる時間は、誰よりも貴重なのだ。面倒だけど、時々しつこいけど──それでも、関係を辞めないのは……そういうことじゃないのか。
今のこの距離感は、とてももどかしい。
だったら──幼馴染として関われた時間を、もっと増やすべきだ。お互いのためにも、我慢しない程度の距離感が、僕達には必要だ。
あのときのことを、繰り返さないためにも──。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わり、転校してきたのは、初恋の相手だった——。
鬱々とした気分で二学期の初日を迎えた高須明希は、忘れかけていた記憶と向き合うことになる。
名前を変えて戻ってきたかつての幼馴染、立石麻美。そして、昔から気になっていたクラスメイト、河西栞。
親友の田中浩大が麻美に一目惚れしたことで、この再会が静かに波紋を広げていく。
性と欲の狭間で、歪み出す日常。
無邪気な笑顔の裏に隠された想いと、揺れ動く心。
そのすべてに触れたとき、明希は何を守り、何を選ぶのか。
青春の光と影を描く、"遅れてきた"ひと夏の物語。
前編 「恋愛譚」 : 序章〜第5章
後編 「青春譚」 : 第6章〜
幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。
久野真一
青春
羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。
そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。
彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―
「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。
幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、
ある意味ラブレターのような代物で―
彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。
全三話構成です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる