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第3話
しおりを挟む「めそめそしてても仕方ないわよね」
シャーロットは、廃嫡される事を前向きに捉え、自由になるチャンスだと考える事にした。
「とは言っても…きっとメルライン家の領地には居られないだろうし、どこか遠い所へ行くしかないわね」
そこで、シャーロットは20km程離れた別の領地で何とか仕事を見つけ、暮らそうと考えた。今まで貯めていた小遣いを全て使って宿をとり、食料を調達して、なるべく歩いて向かう事に決めた。荷物が重くなり過ぎないように、服は最小限に、アクセサリーはもしもの時に売れるように少しだけ軽いものを選んで詰める。元々物が少なかったので、ほとんど何も残っていない。シャーロットは一度、部屋全体を見渡して頷いた。部屋を出て、父に最後の挨拶をと思い、再び書斎に向かった。
「荷物がまとまりましたので、出て行きます。今まで育てて下さって、ありがとうございました」
「なんだ、まだ居たのか。お前の顔はもう見たくないと言っただろう。早く行け」
「はい。失礼しました」
そう言って一礼し、部屋を出ようとするシャーロットを父が呼び止めた。
「外に馬車がある。それに乗れ」
「…分かりました」
少し怪しいと感じたが、自分を気にかけてくれたのだと思う事にして、シャーロットはお礼を言って部屋を出る。外に向かうと、馬車が用意してあった。既に御者が待機していたので、よろしくお願いします、と声をかけて馬車に乗る。行き先を聞こうとしたが、こちらを見る事は無かったので、失礼だと思い止めた。それからしばらく馬車に揺られていたが、することも無いのでシャーロットは眠ってしまった。目を覚ました時、外を見て驚いた。
「………どこなの、ここ」
シャーロットが全く見た事のない光景が広がっていたのである。建物が何も無い。どこまでも木が続いている。呆然としていると、ある門の前で馬車が止まった。
「あのっ!ここって…」
「お降り下さい、シャーロット様。ここは隣国との国境です。ご当主様より、今後一切我が国には入るな、との事です」
シャーロットは言葉が出なかった。立ち尽くしている間に、御者は帰ってしまった。何故ここまで嫌われているのか。自分が何をしたのか。シャーロットには全く分からなかった。ふらふらと故郷の国から遠ざかる方向へ歩く。何も考えずに歩いているうちに、突然お腹がなった。そこでシャーロットはお腹が空いていることに気づいた。しかし、食べ物を何も持っていない上に買う場所もない。そこら辺に生えているキノコは毒があるかどうか判断出来ないし、草を食べるのは抵抗がある。悩んでいると、体が動かなくなった。空腹は、シャーロットが思っている以上だった。何とかしなくては、と考えるが、倒れた場所には草も生えていなかった。
やがてシャーロットは、気を失った。
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