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第2話
しおりを挟むジェニッタが部屋の扉を開けたとき、相手に驚いた様子はなかった。仕組まれていたのか、と悟る。
(計画通りになんてさせませんわ)
そこでジェニッタは、カルロッテと仲良くなって、バレスの計画を壊してやろうと考えた。
(この世にカントル家が仲良くなれない人なんて、きっといませんもの)
早速、カルロッテに話しかける。
「ごきげんよう、ブリード侯爵令嬢」
「ええ、ごきげんよう」
カルロッテの眉がピクっと動いた。
(さすが貴族。驚いてもあまり態度に出しませんわね)
「ブリード侯爵令嬢。私、人づてに聞いたのですが、学園の試験で学年一位だったのですか?」
「え、ええ。そうですわ」
カルロッテはジェニッタの一つ上で、卒業生である。卒業式は最終学年のときに一番の成績を残した者がスピーチを読む決まりになっているので、こぞって勉強する。卒業した後、この実績が有利になることが多いからだ。
「おめでとうございます!私、感服いたしました」
「…ありがとうございます」
カルロッテは少し警戒を解いた。そこにジェニッタが畳み掛ける。
「学園長に推薦したいくらいですもの!あ、そんな事しなくてもブリード侯爵令嬢なら選ばれますよね。失礼しました」
「そんな事ありませんわ。けれど、ありがとうございます」
カルロッテが笑顔になる。
「学園を卒業されたら、どうなさるのですか?」
「今のところ、宰相を目指そうと思っていますわ。女性に対する偏見を無くしたいのです。女性にも仕事ができると世間に知らせることが出来たら、と思っております」
「素敵ですね!!本当に尊敬しております。是非、応援させてください」
「嬉しいですわ」
カルロッテの目が笑ったのを見て、ジェニッタは、勝った、と思った。
(バレス様、思い通りになると思ったら大間違いですわよ)
そのまま仲良く談笑していると、使用人が扉を叩いた。
「失礼致します。バレス様がお越しになられました」
(来たわね。この状況を見たら、どんな顔をするのでしょうか)
不安と期待が重なって、段々とジェニッタの中で緊張感が高まる。
「こんにちは。…あれ?」
「ごきげんよう。どうかされましたか?」
ジェニッタとカルロッテの顔を交互に見て首を傾げるバレスに知らないふりをして、ジェニッタは尋ねる。
「いや…その…」
バレスは口ごもってカルロッテを見る。カルロッテは呆れたようにバレスを見た。
「この方は、バレス様が思っているような方ではありませんでしたわ」
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