【完結】修羅場になるとお思いでしたか?

チンアナゴ🐬

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第3話

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「この方は、バレス様が思っているような方ではありませんでしたわ」

 バレスがびっくりした顔でジェニッタを見る。ジェニッタはほんの少しバレスを睨んだ。

「残念ながら、私は他人の屋敷で問題を起こすような浅はかな女ではありませんことよ。カントル家の社交性、甘く見ないでくださいまし」

 すると、カルロッテが口を挟んだ。

「私も、すっかり手玉に取られてしまいました」

「手玉に取るなんて、そんな…」

「あら、本当ですわよ?」

 ジェニッタとカルロッテが話していると、突然、バレスが使用人に小声で指示を出した。さらに、何かを決意したような顔でジェニッタへ近づく。目の前まで来て立ち止まると、ジェニッタをじっと見つめる。そして、困惑しているジェニッタに見えないように何かを受け取ると、片膝をついてジェニッタを見上げた。

「こんなに人と関わることが上手な方がいるとは知りませんでした!どうか私と結婚してください!」

 バレスはそう言って指輪の箱を開ける。カルロッテが呆れ果ててため息をついた。ジェニッタは呆然としていた。

「………はい?」

 ジェニッタの様子を見ていたカルロッテが、思わずバレスに声をかける。

「結婚したくないからと言って、自分の屋敷に相手が知らない令嬢を連れ込んで、問題を起こさせて婚約を解消しようとしたのに、今度は結婚して欲しいですって!?さすがの私も堪忍袋の緒が切れますわよ」

 カルロッテの勢いに負けて、ジェニッタに求婚した姿勢のまま、バレスは謝る。

「あ、確かに…すまない…」

「全く…こんな状況で良い返事をもらえる訳がありませんのに…」

 カルロッテは、またため息をつく。

「いいですよ」

 ジェニッタは言った。バレスとカルロッテがこの言葉を理解するのに、しばらく時間を要したことは言うまでもない。

「「…………え???」」

「結婚、しましょう」

 ジェニッタは笑顔で言った。

「本気で仰っているのかしら?」

 カルロッテの頬がひきつっている。バレスは正反対の表情だ。

「いいのかい!?」

「ええ」

「ありがとう!」

 カルロッテが冷めた目をしていた。

「幼なじみだからと思って協力していましたが…もう疲れましたわ。帰らせていただきます。最後に、ジェニッタ様。なぜ求婚を快諾したのか、伺ってもよろしいですか?」

 ジェニッタは笑いながら答えた。

「自分が理解できない方って、興味をかきたてられませんか?」

「…そうですか」

 カルロッテは、諦めたように微笑んで、お幸せに、と言って帰っていった。
 それから少しだけお茶会をする。

「なぜ指輪を持っていたのですか?」

「親に渡されました。何があるか分からないから、と」

「流石ですね」

「ええ。それにしても、私は妻との時間が増えて研究の時間が減ることを恐れていたのですが、あなたならそんな心配は要らなさそうですね」

「そうですね。友達が多いですし、暇にはならないと思います」

「では、お互い楽しく暮らしましょう」

「ええ」

こうして、ジェニッタも帰ることになった。

「では、お気を付けて」

「ええ」

 帰りの馬車で、ジェニッタは呟いた。

「思ったより、楽しい人生が送れそうですわ」
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感想 2

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みんなの感想(2件)

スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

2021.09.17 チンアナゴ🐬

スパークノークス様、感想ありがとうございます!
お気に入り登録までして頂いて、大変光栄です。完結まで頑張りたいと思います。

解除
かずえ
2021.09.16 かずえ

面白そう。
続きを期待しています。

2021.09.16 チンアナゴ🐬

かずえ様、感想ありがとうございます!
いつも拝見している方からの感想に飛び上がって喜んでおります。笑
もっといい話が書けるように、精進します。

解除

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