【完】俺が"しり"を愛でるようになった、その訳とその記憶とその結果について

たまとら

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5 仕事にいく

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見える?

レヴュトがコンサバトリーの床に寝そべってる。
ぷりんとした尻が少し流れている。
足をぱたぱたしているのか、そのぷるんが右・左・右・左と、きゅっぷるきゅっぷる動いている。

その尻を指差して、執事のジャスに聞いた。
海千山千で、貴族のどんな無理難題にもその人生でどーんと受け止めてきたジャスは。表情筋を揺らさなかったが、視線はちょっときょどっていた。

「申し訳ございません。私には何を仰ってらっしゃるのかはわかりかねます。」


はい、決定‼︎

わかってます。
従者だって見えませんでした。
これはキッパリ、幽と霊ですね。

従業員が若様の頭が怪しくなったと、危機感に苛まれる前に。『ジョークだよん』と笑って誤魔化した。


とりあえず、俺だけが見えている。
もし俺が、自分の脳みそに自信の無い奴だったら…
うん。頭のネジを心配して落ち込む‼︎
【自分だけが見える】…どことなく危ない感じだ。


「今日は仕事に行くからね。」

あれ以来、マメに行動を告げてる。
例え風呂でも食堂でも。
消えられると嫌だからだ。
いきなりの動きでとてとてと慌てる感じになるし。
安心して懐いてもらいたい。

仕事と言うと、肘をついて上半身をもたげた。(たぶん)
ちょっと考えるように間があいてバイバイと手を振る。

ウヘヘヘヘ♡
可愛いじゃないか♡

イースタンは素早く従者が見てない事を確認して、手を振り返した。(そりゃ、今までに無い動きだし)

「出来るだけ早く帰ってくるからね。」
(だから消えたりせずに、いてくれよ。)

たぶん元気に頷いている。
ぼふぼふと頭が振られ、ぴるぴると喜びが放出するのに笑顔を向ける。
~~あれ?なんかこれって新婚さんみたい!
いや、新しいペットにもこうゆうの言うよな。
まぁ、俺だけの楽しい秘密が出来たのだし。



イースタンの仕事は王太子の護衛騎士だ。
ペアを組んでるユスフと、控え室で打ち合わせをする。
 
ユスフはピッチピチの新婚さんで。 
出来れば家から出たく無いと、最近ごねる男だ。
気高く冷たい高嶺の花のイメージの美人顔だが。
結婚でこんなに軟化するとは思ってもいなかった。
今まで365日の360日くらいは飲みに出ていたはずなのに、今はただ家一択だ。
そして家から一歩出たら、もう帰りたくてソワソワしている。

わかる!
わかるぞぉ。その気持ち!
家から離れたく無い、その気持ち。

レヴュトが気が変わって出ていったらどうしよう。
絶対、見つけられないよなぁ。に、始まって。

おろおろぴるぴるしている姿がわりと可愛いじゃ無いか。…とか。
一生懸命ウィジャボードの文字を指してた…とか。
ぷるんとした尻が揺れるのは面白い…とか。
ふと気がついたら考えてる。
なんか心がワクワクソワソワしている。


おい、待てよ。
相手は尻だ。
尻の他はもやっとした影だ。
顔も声も無いだろうが。
モヤっとして動きもはっきりしないぞ。

そう思うのに。
そんな姿から喜怒哀楽がわかるって(なんとなくだけど)俺って凄くない⁉︎


とにかくソワソワしてたら。
だってちゃんとコンサバトリーにいるのか心配で。
もっとソワソワした奴と目が合って。

「どうした⁉︎好きな子でも出来たのか⁉︎」

ユスフが叫んで身を乗り出した。
興味で目がキラキラしている。

いや、そんなんじゃねーし。
愛とか恋じゃねーし。

濁してるのにぐいぐい来るので殴り倒した。




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