【完結】初恋の君を探していたが、本人と気づかずにあれやこれやとドツボにハマる話

たまとら

文字の大きさ
37 / 48
結果オーライで帳尻が合う

37 意地の張り合い

しおりを挟む
ここから四話程、性的な描書がございます。
苦手な方はお控え下さい。
あと、背後にご注意下さいませ。

  ************



『買う』という言葉に、ルツは顔を歪めた。
途端に溜まった涙がつるつると頬から顎に伝う。

「俺は客だろう。客に泣き顔を見せる気か?
……笑え。」

ルツは泣き笑いを作った。
目は涙の膜で大きく潤み、頬は強張って青白い。
それでもひきひきと口元を吊り上げて、必死に笑顔を作っている。
その苦しそうな、せつなそうな笑顔にラッシュは目をそむけた。

「俺はベッドにいるからな。
さっさと服を脱いでこい。」

『ごめんなさい。僕が悪かったです。』
そんな言葉を待っているのに、いつまで経っても出てこない。
そうだ。
意地の張り合いを止める言葉が出てこない。
これ以上顔を見ていたら、もっと酷い言葉を叩きつけそうで。ラッシュは部屋に入った。

はぁ。と、ベッドで寝そべる。

できる事なら服を脱ぐのを戸惑って、
『すいません。僕が悪かったです。』
と、頭を下げて欲しい。
そうしたら俺だって。
『わかったのなら気をつけるんだぞ‼︎
これからは、報・連・相だ!』
と、明るく笑って
『早く村に行ってやれ。』と、いいつつ。
どうして金貨が必要かなのか聞いてやるのに。



ひりひりした時間の後。
そっと入ってきたルツは真ッ裸だった。


両掌で前を隠している。
身体は恥じらって濃桃色で。
皮を剥かれた果実のようだ。
顔は少し項垂れて目線を下に向けていた。

それでも唇の両端を上げて、笑を作っている。
目は涙の膜で光を反射して、その頬もふるふるした唇も、何故かはっきり見えた。
……なるほど。
確かに可愛い顔をしている…


その泣き笑いと細かく震える身体に。
もう少しで音を上げると踏んで、ラッシュは顎をしゃくった。

「立ってるだけじゃ仕事にならないぞ。」

びくりと身体を震わせて、ルツはおずおずと近づいた
両端を上に上げてふるりとめくれている唇の間から、噛み締めた歯が見えている。
暗く翳った鶸萌黄の瞳が、涙の膜でゆらゆら揺れている


事はあるのか?」


ルツはぷるぷると頭を振った。

恐怖を煽るように。
わざと突き離すように言っているのに。
ルツは一向に音を上げようとしない…


ラッシュはルツの硬い尻肉をぎゅっと掴んだ。

「この中に俺のを。わかっているのか⁉︎」


見上げるルツの目の中に、恐怖が湧いた。
すがるように唇が震える。
でもその口元は笑を形作ったままだ。


~~早く音を上げろっ‼︎

早く‼︎

追い込むつもりで、ラッシュは追い込まれていた。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました

まんまる
BL
貧乏男爵家の次男カナルは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。 どうして男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へいく。 しかし、殿下は自分に触れることはなく、何か思いがあるようだった。 優しい二人の恋のお話です。 ※ショートショート集におまけ話を上げています。そちらも是非ご一読ください。 ※画像は男の子メーカーPicrewさんよりお借りしています。

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について

はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

契約結婚だけど大好きです!

泉あけの
BL
子爵令息のイヴ・ランヌは伯爵ベルナール・オルレイアンに恋をしている。 そんな中、子爵である父からオルレイアン伯爵から求婚書が届いていると言われた。 片思いをしていたイヴは憧れのベルナール様が求婚をしてくれたと大喜び。 しかしこの結婚は両家の利害が一致した契約結婚だった。 イヴは恋心が暴走してベルナール様に迷惑がかからないようにと距離を取ることに決めた。 ...... 「俺と一緒に散歩に行かないか、綺麗な花が庭園に咲いているんだ」  彼はそう言って僕に手を差し伸べてくれた。 「すみません。僕はこれから用事があるので」  本当はベルナール様の手を取ってしまいたい。でも我慢しなくちゃ。この想いに蓋をしなくては。  この結婚は契約だ。僕がどんなに彼を好きでも僕達が通じ合うことはないのだから。 ※小説家になろうにも掲載しております ※直接的な表現ではありませんが、「初夜」という単語がたびたび登場します

龍は精霊の愛し子を愛でる

林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。 その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。 王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。

偽物の運命〜αの幼馴染はβの俺を愛しすぎている〜

一寸光陰
BL
楠涼夜はカッコよくて、優しくて、明るくて、みんなの人気者だ。 しかし、1つだけ欠点がある。 彼は何故か俺、中町幹斗のことを運命の番だと思い込んでいる。 俺は平々凡々なベータであり、決して運命なんて言葉は似合わない存在であるのに。 彼に何度言い聞かせても全く信じてもらえず、ずっと俺を運命の番のように扱ってくる。 どうしたら誤解は解けるんだ…? シリアス回も終盤はありそうですが、基本的にいちゃついてるだけのハッピーな作品になりそうです。 書き慣れてはいませんが、ヤンデレ要素を頑張って取り入れたいと思っているので、温かい目で見守ってくださると嬉しいです。

処理中です...