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血の護り人
3 スノトラって父親枠なのか
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「子供が欲しく無いならもう寝るな。
抱き寄せて添い寝だけにするんだ。
逃げたいのなら早めに逃げろ。ネティがおまえに依存する前に消えろ。」
人形のような口元が釣り上がるように上がる。
底無しの瞳が竜と同じ光をたたえ、アキラに絡み付いて逃がさない。
「いいか、もし何かあってネティが死んだら
……燃やせ。細胞一個、髪一本残さず。
おまえの炎魔法で焼き尽くせ。
それが出来ないなら喰え。
喰い尽くせ。風で骨も粉砕して喰い尽くせ。
痕跡を残して奴等に渡すな。
細胞一つ残したら奴等はそれを培養する。
ネティをもて遊ぶ事になる。
ネティを迷わせるな。
その覚悟が出来ないなら逃げろ。2度とネティの前に姿を現すな。」
竜の虹彩がじっとアキラを見つめる。
嘘が無いか細胞一個を鑑定するかのように見つめる。
見竦められてアキラは動けない。
突然、スノトラはニヤリと笑う。
「言っておくが、おまえの心臓に針を打った。魔法で感知出来ない極小な奴だ。
返しもついてるから抜けない。
おまえがこの事を誰かに喋ろうとでもしたら ーー針が心臓に刺さるからな。」
「こんな事、誰に言うってんだよ。」
アキラの低い声に明るく笑う。
「こうやって渡って来るのは、気力と魔力を蓄えないとキツい。しばらく来れないから、ネティを頼むぞ。」
そして、じゃあな。という声と共に消え失せた。
辺りを見渡しても影も無い。
そして時間もさほど経っていなかった。
アキラは呆然と立ち尽くした。
正直、アキラは竜の女王という言葉より、子供という単語に怯んだ。
当たり前だ。
子供という単語は男にとって、地獄の番犬並みにハードなものだ。
……だけど。
ネティを抱かないという選択はあり得なかった。
もう細胞の一つ一つがネティを求めている。
たとえ親と別れ、国を捨て、名前を捨てても。
ネティを諦めるという選択肢は無い。
そういうわけで、アキラは正しく脳筋として、心のままにネティを愛するという事におちついた。
その夜からアキラはネティに魔法を掛ける。
もし子供が出来たとしても、気が付かれないように。
リサーチを阻害する魔法を掛ける。
今までの威嚇目的の自己主張していたモノとは違い、気が付かれない程に細かくして。
そう、スノトラを思い出し、細かく、細かく。
匂いの粒子並みに細かく。
それを毎晩首筋にキスをして掛け直す。
アキラの匂いがついてるね。
と、笑われるがそう思われるのは願ったりだ。
どんな変化があってもいいように、ネティを守る。
*******
拙いモノを読んで下さり、ありがとうございます。
後は最終話目指して走ります。
厨二病を拗らせて腐り始めてる私は、最終話を脳内でスターウォーズのように映像化して、
うっひっひ♡ と怪しい人モードに入っております。
もうしばらくお付き合いください。
抱き寄せて添い寝だけにするんだ。
逃げたいのなら早めに逃げろ。ネティがおまえに依存する前に消えろ。」
人形のような口元が釣り上がるように上がる。
底無しの瞳が竜と同じ光をたたえ、アキラに絡み付いて逃がさない。
「いいか、もし何かあってネティが死んだら
……燃やせ。細胞一個、髪一本残さず。
おまえの炎魔法で焼き尽くせ。
それが出来ないなら喰え。
喰い尽くせ。風で骨も粉砕して喰い尽くせ。
痕跡を残して奴等に渡すな。
細胞一つ残したら奴等はそれを培養する。
ネティをもて遊ぶ事になる。
ネティを迷わせるな。
その覚悟が出来ないなら逃げろ。2度とネティの前に姿を現すな。」
竜の虹彩がじっとアキラを見つめる。
嘘が無いか細胞一個を鑑定するかのように見つめる。
見竦められてアキラは動けない。
突然、スノトラはニヤリと笑う。
「言っておくが、おまえの心臓に針を打った。魔法で感知出来ない極小な奴だ。
返しもついてるから抜けない。
おまえがこの事を誰かに喋ろうとでもしたら ーー針が心臓に刺さるからな。」
「こんな事、誰に言うってんだよ。」
アキラの低い声に明るく笑う。
「こうやって渡って来るのは、気力と魔力を蓄えないとキツい。しばらく来れないから、ネティを頼むぞ。」
そして、じゃあな。という声と共に消え失せた。
辺りを見渡しても影も無い。
そして時間もさほど経っていなかった。
アキラは呆然と立ち尽くした。
正直、アキラは竜の女王という言葉より、子供という単語に怯んだ。
当たり前だ。
子供という単語は男にとって、地獄の番犬並みにハードなものだ。
……だけど。
ネティを抱かないという選択はあり得なかった。
もう細胞の一つ一つがネティを求めている。
たとえ親と別れ、国を捨て、名前を捨てても。
ネティを諦めるという選択肢は無い。
そういうわけで、アキラは正しく脳筋として、心のままにネティを愛するという事におちついた。
その夜からアキラはネティに魔法を掛ける。
もし子供が出来たとしても、気が付かれないように。
リサーチを阻害する魔法を掛ける。
今までの威嚇目的の自己主張していたモノとは違い、気が付かれない程に細かくして。
そう、スノトラを思い出し、細かく、細かく。
匂いの粒子並みに細かく。
それを毎晩首筋にキスをして掛け直す。
アキラの匂いがついてるね。
と、笑われるがそう思われるのは願ったりだ。
どんな変化があってもいいように、ネティを守る。
*******
拙いモノを読んで下さり、ありがとうございます。
後は最終話目指して走ります。
厨二病を拗らせて腐り始めてる私は、最終話を脳内でスターウォーズのように映像化して、
うっひっひ♡ と怪しい人モードに入っております。
もうしばらくお付き合いください。
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