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ギルドと依頼とジャダと俺
10 けっこう視野狭窄
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「何の用だ。アオニア。」
ジャダの威圧が膨れ上がった。
怒りが止まらない。それは勿論こんなに近いのに気配を感じ取れなかった自分にだ。
アオニアとナヴァというペアは伝説的に有名だ。
神と称えられるほどに美しいアオニアと、姿を見られたことのないナヴァ。
何度か言葉を交わした事があったが、これほど気配を断てるとは思っていなかった。
きっと何処かでナヴァが見ているのだろう。
その気配がまるっきり読めなくてジャダの背中に冷たい汗が伝う。
本能的に焦りと恐怖が湧いてくる。
「いやぁ。一匹狼で有名な君が"弟"と組んだって聞いたから好奇心でね。」
にっこりされると金の光が辺りに飛び散る気がする。
ちくしょう、顔がいい。
わかってたが360°死角無しの顔面力だ。
こいつを見てレンが惚れてたらどうしよう。
裸を隠した事を余計なお世話だと言われたらどうしよう。
そんな訳の分からない感情がジャダを焦がす。
ちくしょう。レンの裸をみやがって。
俺だってはっきり拝んじゃいないのに。
番がいるのだと抑えなければ、その目玉を抉り出したくなる。
だいたい、レンが悪い。
なんで素っ裸で川で洗濯してたんだ。
無警戒にも程がある‼︎
「口出し無用だ。」
そう言って背中を向ける。
襲撃が無いか全神経向けていたが、アオニアの気配が緩んだ。
ぐるぐる巻きのレンが腕の中でもぞもぞ動いている。
さっきうひぃって声をあげてたから、自分が裸なのを忘れてたんだろう。
~~説教だな。
怒りが収まらないから、焚き火へと連れてく間にさわさわ撫で回してやる。
どうせ靴も服も乾かないから、家までこのまま抱いてってやろう。
きっと顔を真っ赤にして抵抗するから、文句言うなら米様抱っこだと脅してやるのもいいかもしれない。
ジャダはその時のレンの顔を想像して、クスッと笑った。
去って行くジャダを見送って、アオニアは息を吐き出した。
「どう?」
木の上に言葉を投げると
「…当たり…」
と微かな声がして、小さな身体が降って来た。
木の葉一枚揺らさない技に感嘆する。
ナヴァの前に膝を付いて、フードの中を覗き込んだ。
小さな顔。青白い顔。そこには刻まれた線がある。
おどおどした目が切なくて愛おしくてアオニアは小さな身体を抱き締めた。
ジャダがあの子を抱き上げていたのが羨ましかった。
ナヴァを抱き上げて離したくない。
四年前に異世界から私の為にやって来てくれたナヴァ。
私が生きているのはナヴァがいるからだ。
「当たりか。顔に傷があると聞いてたけど無かったね。」
今回の召喚で来た異世界人。
何故か番が見つからなかったという。
番。
この満たされた心をあの子は知らないのだ。
番がいるから生きていける。
番がいるから優しくなれる。
その幸せをあの子は知らない。
「ジャダが張り付いてるって、本当だったね。
ジャダはあの子を好いてそうだけど、弟って言ってるし
番契約はしないのかなぁ」
だったら貰っていいよね。
これは仕事だし。
ナヴァのつるりとした頭を形のいい鼻でくすぐる。
金色のアオニアはうっとりとナヴァを覗き込んだ。
「愛してるよ」
ジャダの威圧が膨れ上がった。
怒りが止まらない。それは勿論こんなに近いのに気配を感じ取れなかった自分にだ。
アオニアとナヴァというペアは伝説的に有名だ。
神と称えられるほどに美しいアオニアと、姿を見られたことのないナヴァ。
何度か言葉を交わした事があったが、これほど気配を断てるとは思っていなかった。
きっと何処かでナヴァが見ているのだろう。
その気配がまるっきり読めなくてジャダの背中に冷たい汗が伝う。
本能的に焦りと恐怖が湧いてくる。
「いやぁ。一匹狼で有名な君が"弟"と組んだって聞いたから好奇心でね。」
にっこりされると金の光が辺りに飛び散る気がする。
ちくしょう、顔がいい。
わかってたが360°死角無しの顔面力だ。
こいつを見てレンが惚れてたらどうしよう。
裸を隠した事を余計なお世話だと言われたらどうしよう。
そんな訳の分からない感情がジャダを焦がす。
ちくしょう。レンの裸をみやがって。
俺だってはっきり拝んじゃいないのに。
番がいるのだと抑えなければ、その目玉を抉り出したくなる。
だいたい、レンが悪い。
なんで素っ裸で川で洗濯してたんだ。
無警戒にも程がある‼︎
「口出し無用だ。」
そう言って背中を向ける。
襲撃が無いか全神経向けていたが、アオニアの気配が緩んだ。
ぐるぐる巻きのレンが腕の中でもぞもぞ動いている。
さっきうひぃって声をあげてたから、自分が裸なのを忘れてたんだろう。
~~説教だな。
怒りが収まらないから、焚き火へと連れてく間にさわさわ撫で回してやる。
どうせ靴も服も乾かないから、家までこのまま抱いてってやろう。
きっと顔を真っ赤にして抵抗するから、文句言うなら米様抱っこだと脅してやるのもいいかもしれない。
ジャダはその時のレンの顔を想像して、クスッと笑った。
去って行くジャダを見送って、アオニアは息を吐き出した。
「どう?」
木の上に言葉を投げると
「…当たり…」
と微かな声がして、小さな身体が降って来た。
木の葉一枚揺らさない技に感嘆する。
ナヴァの前に膝を付いて、フードの中を覗き込んだ。
小さな顔。青白い顔。そこには刻まれた線がある。
おどおどした目が切なくて愛おしくてアオニアは小さな身体を抱き締めた。
ジャダがあの子を抱き上げていたのが羨ましかった。
ナヴァを抱き上げて離したくない。
四年前に異世界から私の為にやって来てくれたナヴァ。
私が生きているのはナヴァがいるからだ。
「当たりか。顔に傷があると聞いてたけど無かったね。」
今回の召喚で来た異世界人。
何故か番が見つからなかったという。
番。
この満たされた心をあの子は知らないのだ。
番がいるから生きていける。
番がいるから優しくなれる。
その幸せをあの子は知らない。
「ジャダが張り付いてるって、本当だったね。
ジャダはあの子を好いてそうだけど、弟って言ってるし
番契約はしないのかなぁ」
だったら貰っていいよね。
これは仕事だし。
ナヴァのつるりとした頭を形のいい鼻でくすぐる。
金色のアオニアはうっとりとナヴァを覗き込んだ。
「愛してるよ」
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