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王都、宿泊の乱
3 ランナ姐さん
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今日、遠征に行ってた第三騎士団が、帰ってきた。
しかもどでかい宴会が張られる。
その宴会場に選ばれたのがウチの娼館の道向こうの宿だった。
従者や傭兵の宿も振り分けられて、どんどんと貸切になっていく。
いきなりなので食材の調達で料理人がはしってる。
もう二番街がてんやわんやだ。
ウチの娼館も太鼓持ちの芸人まで借り切られた。
隣の、その隣の娼館もだ。
って言うより街沿いは軒並み貸切状態だ。
労う為にと張り込まれる酒宴はデカくて。
この街の料理屋も道具屋も貸し布団屋も。
はてはパン屋さえもがいきなりの特需に沸き立った。
第三騎士団は凄く金払いがいい。
綺麗な副団長もしみったれて値切ったりしないそうだ。
絶対貰える金に、皆んなが揺れた。
乾杯してすぐに団長のオルゼ様が部屋へ上がった。
赤い顔してたから、もう兆してんだろうとうちの遣り手ババアがひひひっと笑う。
戦った後って勃っちゃうんだって。
あれじゃ一人じゃ満足出来ないだろうから、三人ばかり上玉見繕いなって言われた。
満足させたらご祝儀が半端ないぜぇって言われて。
ひゃーってわれ先に部屋へ走る。
「お・ま・た・せー♡」
と抱きついたら、威圧の拒絶‼︎
お呼びじゃなかったあ!
もう、怖すぎてちびりそうになった。
他の子達は廊下で腰を抜かして、ぎゃあぁと、逃げ去っていく。
ダメじゃん!
あたしは店で姐さんを張ってるんだぞっ‼︎
あたしは自分を叱った。
あたしはこの仕事に命張ってる。
客にビビって負けるわけにゃあいかねぇんだよっ!
ブルった足を殴って、なんとか立ち上がる。
「このインポ野郎っ‼︎」
怒鳴ってやった。
でも、がっかりだ。
デカいご祝儀どころか、客を逃しちまった。
今から会場に行って、太客が残ってるかなぁ。
って階段を降りてたら、男の子がいた。
黒い髪で不思議な桃色の目をした子供。
こじんまりと整った顔で、人形みたいに可愛い。
その子がぽかんとこっちを見ていた。
髪はまだ濡れて、甘い香りがふわりとして。
あっ⁉︎
あいつ男が良かったんだ!
女だから追い返しやがったんだ‼︎
その子が不思議そうにこっちをみている。
花の様な桃色だ。
こんな目の色初めてみる。
遣り手ババアの奴。
珍しいからって、こんな小さな子供を送りやがったな。
慌てて洗って、突き出しやがったな。
こんな細くて幼い子供が、あんな仁王様みたいな男に泣かされるのかと思うと、きゅっと胸が痛かった。
でも、春を売るなら諦めるしか無い道だ。
「あたしはランナ。花兎って店にいるから、困ったらおいで」
撫でて簪を一本、ご祝儀がわりに手に押し込んだ。
負けるなよ。
頑張んな。
さて、次の客を見つけなきゃ。
おまんまの為に、払いのいい客を捕まえなくっちゃね。
すくりと立ち上がると。
ランナは宴会場へと歩いて行った。
しかもどでかい宴会が張られる。
その宴会場に選ばれたのがウチの娼館の道向こうの宿だった。
従者や傭兵の宿も振り分けられて、どんどんと貸切になっていく。
いきなりなので食材の調達で料理人がはしってる。
もう二番街がてんやわんやだ。
ウチの娼館も太鼓持ちの芸人まで借り切られた。
隣の、その隣の娼館もだ。
って言うより街沿いは軒並み貸切状態だ。
労う為にと張り込まれる酒宴はデカくて。
この街の料理屋も道具屋も貸し布団屋も。
はてはパン屋さえもがいきなりの特需に沸き立った。
第三騎士団は凄く金払いがいい。
綺麗な副団長もしみったれて値切ったりしないそうだ。
絶対貰える金に、皆んなが揺れた。
乾杯してすぐに団長のオルゼ様が部屋へ上がった。
赤い顔してたから、もう兆してんだろうとうちの遣り手ババアがひひひっと笑う。
戦った後って勃っちゃうんだって。
あれじゃ一人じゃ満足出来ないだろうから、三人ばかり上玉見繕いなって言われた。
満足させたらご祝儀が半端ないぜぇって言われて。
ひゃーってわれ先に部屋へ走る。
「お・ま・た・せー♡」
と抱きついたら、威圧の拒絶‼︎
お呼びじゃなかったあ!
もう、怖すぎてちびりそうになった。
他の子達は廊下で腰を抜かして、ぎゃあぁと、逃げ去っていく。
ダメじゃん!
あたしは店で姐さんを張ってるんだぞっ‼︎
あたしは自分を叱った。
あたしはこの仕事に命張ってる。
客にビビって負けるわけにゃあいかねぇんだよっ!
ブルった足を殴って、なんとか立ち上がる。
「このインポ野郎っ‼︎」
怒鳴ってやった。
でも、がっかりだ。
デカいご祝儀どころか、客を逃しちまった。
今から会場に行って、太客が残ってるかなぁ。
って階段を降りてたら、男の子がいた。
黒い髪で不思議な桃色の目をした子供。
こじんまりと整った顔で、人形みたいに可愛い。
その子がぽかんとこっちを見ていた。
髪はまだ濡れて、甘い香りがふわりとして。
あっ⁉︎
あいつ男が良かったんだ!
女だから追い返しやがったんだ‼︎
その子が不思議そうにこっちをみている。
花の様な桃色だ。
こんな目の色初めてみる。
遣り手ババアの奴。
珍しいからって、こんな小さな子供を送りやがったな。
慌てて洗って、突き出しやがったな。
こんな細くて幼い子供が、あんな仁王様みたいな男に泣かされるのかと思うと、きゅっと胸が痛かった。
でも、春を売るなら諦めるしか無い道だ。
「あたしはランナ。花兎って店にいるから、困ったらおいで」
撫でて簪を一本、ご祝儀がわりに手に押し込んだ。
負けるなよ。
頑張んな。
さて、次の客を見つけなきゃ。
おまんまの為に、払いのいい客を捕まえなくっちゃね。
すくりと立ち上がると。
ランナは宴会場へと歩いて行った。
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